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サウンドレスガーデン~あたしと子猫の世界旅行~  作者: 瑠璃色唐辛子
リニアガウス横断編 マンクスハット
40/231

第40話 子猫の気持ち

第40話。

2015年8月13日改稿。


第40話です。

改稿作業も続けています。頑張ります。


今回の話は、初めてのシャロン視点。

正直、このタイトルしか浮かびませんでした。

***

(シャロン視点)



 ぼくのママは、いつも早く起きてる。

 ママはいつもあさから、いそがしそうにうごいてる。


 ぼくは、そんなママと一緒に起きたくて、ぎゅうってママを抱っこして寝るんだけど。

 でも、あさ起きたらママは抱っこされてなくて。


 おててや、むねがきゅうって、さみしくなる。


 でも、ママはすぐそれに気付いてくれる。

 それで、よしよしって、あたまなでてくれる。


 おはよう、って言って笑ってくれるから、ぼくは声がでなくてもこくん、と首をふる。


 そしたらもっとやさしくて、ぽかぽかするように笑ってくれるママ。

 もっと見たくて、ぼくも笑う。


 ごはんだよ、って言われて、おかおと、お口あらうの。

 ひとりで出来たら、良い子って、またよしよししてくれるから、ひとりでがんばるの。


 ママのごはん、まいにちとってもおいしいの。

 とっても、あったかくてやさしい味がする。


 ごはんがおわったら、ママのおしごとのお手伝い。

 せんたくものを折るのとか、おかたづけ、してるの。

 ちゃんとできたら、またよしよしって、してくれる。


 そしたら、おさんぽ、連れてってくれる。


 おさんぽは、ちかくのこうえんまで行ったり、まちのおかしやさんに行ったり。

 ぱたぱた、走ったらママがあぶないっていうから、ゆっくり歩く。

 でもママは力持ちだから、抱っこしてくれたり、肩にのせてくれたりする。


 ぼくは、抱っこが好き。

 肩にのせてくれるときは、ぼくの背が高くなるけど、ちょっと怖い。


 ママのうでの中で、あたたかいから好き。

 おっぱいっていう大きなお肉がたまにじゃま。

 ぎゅうってできなくなっちゃうし、だきついたらあたまが埋まっちゃったり、はねかえされちゃったりして転んじゃう。


 でも、いたいいたいした後、ママが困ったかおして笑うから、ぼくは泣かない。

 泣いたらママが困っちゃう。


 だから、ぼくはママを困らせないように、いたくてもがんばって笑うの。


 ときどき、おしごとがあるからって、かっこいいおじさんのマスターさんにあずけられるけど、ちょっとだけさみしくなる。

 さいしょはこわかったけど、マスターさんはやさしいからだいじょうぶ。


 ちゃんと良い子でおるすばん。

 ママが困っちゃうから、おるすばんもがんばるの。


 それでも、かえってくるのがはやかったり、おそかったりするから、おそくなったりした時はいつもしんぱい。

 ぼく、ママにおいていかれちゃったんじゃないかな、って。


 ママがおしごとであぶないことしてるって、聞いたからもっとしんぱい。

 ママがいなくなっちゃうんじゃないかって、怖いこと考えて、泣いちゃいそうになる。


 でも、そんな怖いことなんていっかいものなくて、いつもどんなにおそくなってもおむかえに来てくれる。


 そしたら、さみしかったのもなくなって、あったかくなって、ふわふわする。

 ママにむかって、ぎゅうってしにいったら、やっぱりやさしく笑って、ぎゅうってしてくれるから。


 でもさいきん、怖いことがあって、ママといっしょにくらしてたまちを出なくちゃならなくなった。

 たび、って言うんだって、おしえてもらった。


 いっしょにたびをするのは、ザエルおにいちゃんと、ダグラスおにいちゃん。

 ふたりとも、ママをたすけるために、いっしょにたびしてくれる良い人って、ママが言ってた。


 ザエルおにいちゃんは、『たびしょうにん』なんだって。

 ダグラスおにいちゃんは、良く分からないけど、『ぐん』の『だいたいちょう』?なんだって。


 どっちもよく分からないおしごとだけど、ママの『はんたー』といっしょだって。←※間違い


 お馬さんがひっぱる、お家みたいなかごの中にのって、世界中をまわるたび。

 がたごとがたごと、かごの中がゆれるけど、とってもたのしい。


 くさとかおはなとか、いっぱいあって、だいそうげんって言うんだって。

 ときどき、お馬さんを止って、まものっていう大きな生き物とダグラスおにいちゃんがたたかったりしてる。


 ママは、それをみながら、馬車をまもるやくなんだって。

 でもダグラスおにいちゃん、とってもつよくて、すぐに終わっちゃう。


 それをなんかいもくりかえしてると、おほしさまとまっくらな夜が来ちゃうから、きゅうけいするんだって。


 ごはんは、ママがいっしょうけんめい、つくってくれる。

 やっぱりママのごはんはおいしくて、あったかくて、やさしい味がして大好き。


 おなかいっぱいになったら、こんどはザエルおにいちゃんがおはなししてくれる。

 ふしぎなもりのこえのはなしとか、旅人とようせいさんのはなしとか、いっぱいしてくれる。


 でもときどきこわいおはなしもあって、ザエルおにいちゃんがいじわるを言ってくるから、ママに抱っこしてもらってぎゅうってするの。


 でも、みんな笑ってくれる。

 だから、ぼくも良い子にするの。


 ママは、ごはんのおしごと。

 ザエルおにいちゃんは、たびのおしごと。

 ダグラスおにいちゃんは、たたかうおしごと。


 みんなおしごとしてるけど、ぼくだけおしごとしてないの。


 でも、ママが、ぼくのおしごとは、みんなを笑わせてあげることだって、言ってくれた。

 ぼくの笑顔を見ると、みんなが笑ってくれるから、って。

 だから、ぼくも笑うの。


 ぼくは、声がでないから、おはなしできない。


 ママのこと、ママってよべない。

 ザエルおにいちゃんにおはなししてくれてありがとうって言えない。

 ダグラスおにいちゃんにはよろしくね、って言えてない。


 だから、声をさがそうって思ってる。


 そしたらママをママってよべるでしょ?

 おはなし、できるでしょ?

 ありがとうも、よろしくね、も言えるでしょ?


 きっと、ぼくからとおいところに逃げちゃったんだって、ママが言ってたから。

 だから、ぼくは声をさがすために、たびにでる。


 だけど、ぼくはきおく?もないんだって。


 ぼくは、お父さんと、お母さんをおぼえてないんだって。

 ぼくは、そのお父さんもお母さんも知らないけど。


 どうして一人なのか、分からないんだって。


 でも、ぼくにとっては、ママがお母さんだから、おぼえてなくてもいいのに。

 ぼくにはママがいてくれれば、それでいいから。


 ダグラスおにいちゃんに、ママは好きかって聞かれたことがある。

 その時、ぼくは大好きって、いっしょうけんめい伝えたよ?


 ママもぼくを大好きだって、言ってくれた。


 だけど、声はさがさなきゃいけないけど、なんできおくをさがそうとするの?

 どうして、このままじゃいけないの?


 ぼくが、ママのこどもじゃないからいけないの?


 さみしくなって、くるしくなって、おむねがきゅうっていたくなる。

 ときどき、泣きたくなる。


 でも、泣いたらママが困っちゃう。 

 だから、泣けないけど、


 ぼくは、いつかママに捨てられちゃうの?



*



 とつぜんおめめがぱちくりする。

 眼が覚めたみたい。


 おむねがどくどくいって、きゅうきゅういたくなる。


 なにがなんだかわからなくて、きょろきょろまわりをみわたした。


 あったかいべっどのうえで、まっしろいシーツとおふとんがきもちいい。


 ここで、やっとなにをしていたのかわかった。


 ぼく、おひるねしてたんだ。


 ママは、ベッドにすわってるけど、なにかおしごとしてるみたい。

 ぼくにせなかをむけて、何をしているのかな?


 あ、せんたくもの折ってるんだ。

 手伝わないと。


 ぼくが動き出すと、ぼくが起きたの気が付いたママが、ふりかえってやさしく笑った。


「おはよう、シャロン。よく眠れたかい?」

「(こくん)」


 うん、おひるねしたよ。


 ふんわり、ママが笑ってくれるから、うれしくなってぼくも笑う。

 だけど、今日はママがちょっとおどろいたかおしてる。


「どうした?シャロン…怖い夢見たのか?」

「?(こてり)」


 怖いゆめ?

 ぼくは、怖いゆめをみたんだろうか?


 思い出そうとして、きゅうとおむねがいたくなる。

 なにか、怖いことがあったようなきがする。


 でも、その怖いことがなんだったかおもいだせない。


 だから、くびをよこにかたむける。

 でも、どうして、ママはぼくが怖いゆめを見たって分かるんだろう。


「泣いてる?おめめ痛くないか?」

「(ふるふる)」


 泣いてないよ、ママ。

 ぼくは、泣いてないし、おめめもいたくないよ。


 だって、泣いたらママを困らせちゃうもん。

 ママを困らせないように、ぼくは泣かないよ?


 だから、笑って?

 いつものあったかくてやさしい笑ったママのかおが好きだから。


「そっか…なら、良いんだ」


 そういって、ぼくをぎゅうしてくれたまま、ママは笑う。


 やっぱり、ぼくはそんなママの笑ったかおが好きだった。

 とっても、やさしくて、あったかくて、きれいなママ。


 ママよりやさしい人は、見たことないから。


 ママよりあったかい人は、見たことないから。


 ママよりきれいな人は、見たことないから。


 だから、笑って?


 そんなママが、ぼくはいちばん大好きだから。



***

誤字脱字乱文等失礼いたします。

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