超人メイドな日
私はこの洋館でメイドをしています。
今まではシェリル様と二人だけの生活でしたが、
最近、新しい家族が増えました。
彼の名はエミル君。
可愛いハーフエルフのメイド少年です。
彼は一週間程前、門の前で倒れていました。
その姿は酷く憔悴していて、何かから必死で逃げて来たようでした。
彼を保護し、看病せよとの命があり、私は必死で看病しました。
次の日、私が彼を迎えに行くと、
彼は何事かを叫びながら走ってきました。
そんなに動いて大丈夫なのか。
私が行って驚かせてしまわないか。
色々な事を考えていると、彼は、
「握手してください!」
と言いました。
訳はわかりませんでしたが、
思わず握手してしまうぐらい彼は可愛かったのです。
その後も彼は握手を求めてきました。
私は気づきました。
彼は不安なのだと。
こんな見ず知らずの人にすがるほど、
怖い思いをしてきたのではないか。
私は彼と手を繋ぐことにしました。
その小さな手は、力を込めれば壊れてしまいそうな程、
か弱い子供の手でした。
エミル君は、遠いギルバーツ王国からやって来たそうです。
にわかには信じられませんが、あの驚き様。
不安なのでしょう。
私だけは信じてあげようと思います。
彼は家に帰る為の資金を貯めることにしたようです。
その顔は小さいながらも、何かを決意した男の顔でした。
その後、メイドとして雇われることになったエミル君。
彼はいつも一生懸命に仕事をこなします。
空いた時間は、剣に魔法の訓練と、
強くなろうとしているみたいです。
小さくも懸命に頑張るエミル君を見て、
私は彼のお姉さん、
そして、時には母親がわりになろうと決めたのです。
彼が不安になったとき、家族として支えてあげられるように。




