文化祭編:ラストッ! 球技の部でも・・・?
『それではこれより、文化祭3日目の体育祭、球技の部を開始いたします』
放送のスピーカーからの声であろう校長の声が耳に入る。
午後は球技の部だ。
体育館でバレー 男子&女子とバドミントン 男子&女子。
運動場で野球 男子とテニス 女子だったか。
「知樹」
後ろから聞こえてきたこの声は俊一か。
「何だ?」
「俺達の役目は困っている我がクラスの手助けすることだな?」
「ああ」
いきなりなんだ??
「しかし、困っている状況が見受けられないと言う事は何処に行っても良いと言う事だな」
「まぁ、そりゃあ始まったばかりだからな」
「ならば、俺は野球へ行ってくる、さらばだっ!!」
はやっ!!行動早ッ!!
何処にそんな元気があるんだ。
てか、アイツって野球好きだったっけ??
覚えが無いんだけど・・・・・ん?そういえば涼は??
辺りを見回してみる。
・・・・・あ、いた。
木の陰で寝てやがる。
「おい、涼!!」
「・・・どうした」
「お前は何処に――――」
行くつもりなんだ?と聞くつもりだったが。
「困っている状況が見受けられないと言う事は寝てても良いと―――――」
てな事を言おうとしたから
「起きろやボケッ!!」
「ゴボフッァ!!」
とりあえず、蹴りかましときました、先輩。
「大して貢献もしてないのに寝てばかりいて・・・そんな子に育てた覚えはありませんっ!」
「うるせぇババァ!!俺はもう疲れたんだよ!!」
「親に向ってなんて口を・・・・」
「俺は出てくぞ!!こんな家もうウンザリだ!」
「なっ、、、待ちなさいっ!!」
母親:朝倉 知樹
子:白沢 涼
演出:アドリブ
・・・何ていうか・・・・。
「「・・・・疲れたなぁ」」
変な演劇の後、俺達は二人して木下の影に並んで寝転んだ。
もう、夏かぁ〜〜〜熱ぃな。。。
「あぁ〜〜〜熱い!!疲れた!!
知樹が俺に振ってくるから反応して余計疲れた・・・・」
「俺もついボケ不足の欲求不満でついボケてしまった・・」
最近少ないよね?ボケ、明らかにさ。
「・・・・寝ちゃう?」
「寝ちまうか?」
「寝ようぜ?」
「よし、決まりだ」
「「寝よう」」
スーっとした風が吹いて気持ちがいい。
これならすぐに寝られそうだ・・・・。
「zzz・・・・・」
「あんた等何やってんのよ!!!!」
(バシィィン!!!!)
頭に響く痛快な音。
「「っつ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」」
苦し紛れに目を開けるとそこには零奈が仁王立ちして立っていた。
「皆が頑張っている時にこんな所でサボって・・・・一体何様のつもり!?」
「「俺様」」
(バシィィィン!!!!)
「「〜〜〜〜〜〜〜」」
声にならん。
音の中に!とィが一個ずつ多くなってやがる!!!
「ところで今いつ?
ノストラダムスの予言は当たった?」
そして涼が壊れた。
「・・・故障品は処分しなきゃね?」
「スミマセンデシタ」
そうそう、素直に謝っとけ。
「で、本当の所、今何時?」
「今、3時よ。
もう殆どの試合が準決勝までいってるわ」
なる程、作者の早送り大成功ってか。
「で、クラスの状況は?」
「野球とバレーは何とか残ってるけど、女子のテニスとバレーには残ってないわ。
あっ、でもF組も私たちとそんな変わらない感じだったから大丈夫だと思うけど」
「じゃ、後は男子で引っ張れってか」
「そゆこと」
う〜ん面白くなってきた。
「よし涼!!
まずはバレーを手伝うぞ!!」
「・・・了解、直ちに救助に向います」
誰だ?話し方変だぞ?大丈夫か?
「こりゃあ衝撃で脳の言語回路が狂っちゃったぽいな」
「いえ、そんな事はありません。
私は私、何時もどおりでございます」
あ、明らかに何時もどおりじゃねぇだろ。。。。
「・・・それじゃ行くか」
「はい」
「・・・・・こんなんで大丈夫かしら・・・」
ははっ・・・結構辛いかも。。。
「目的地に近づきました案内を終了します」
「お前はカーナビか!
しかも案内頼んでないっての」
でも、カーナビのアレ結構困るんだよなぁ。
親父がそのせいで目的地の周りをグルグル回ったりしたりしてさ。
案内するなら最後までしろって、カーナビにキレてたな。。。
あと、飲食物の賞味期限の「表面に記載、何処にあるか分からない説」もあるな。
結構何処に書いてあるか分からないんだ、あれ。
「馬鹿やってないで手遅れにならない内にさっさと入って!!」
「おっとそうだった・・・・」
中ではコートで激しいバレーの試合が4つ行われていた。
女子の部2試合、男子の部二試合って所を見ると、丁度準決勝の途中か。
「どうやら俺らのクラスも試合中みたいだな」
「そうみたいね」
「てか、目の前の試合がそうだろ?」
「うん」
・・・押されてんなこれは。
「よし、んじゃ行くか!!」
とりあえず・・・・・。
「よし、そこの二人」
目に付いたのはいかにもやる気が無さそうな二人。
「すまんが、俺と涼で交代だ」
二人は無言でコクリと頷き、コートから出て行った。
「どうやら特別ルールで10ポイント先取で1セット。
2セット取った方が勝ちのようです。
そして、すでに相手のチームに1セット取られておりますので
勝てる可能性は30%程でしょうか」
「あ〜、もう何グダグダ言ってんだよ!!
30%とか何とか行ってないで、涼は本能で動く生き物だろうが!!」
(バシィ!)と俺の横でボールがバウンドした。
試合はもう始まってるってか。
「27%に減少」
「あ〜分かった分かった!!
何パーセントでも良いから集中させてくれ!」
「了解。
案内を終了いたします」
「だからお前はカーナビか!!!」
(バシィ!!)
「・・・25%に減少」
案内終了してねぇじゃん。。。
・・・・・20分後。。。。
「ハァ・・・何とか勝利・・・・」
あの後、涼にツッコミつつ俺達は怒涛の追い上げを見せ、奇跡の逆転勝利を果たした。
「お疲れ様です」
「お前もコート内にいたんだから動けっての・・・・」
あれからの涼はまるで役立たずになってしまっている。
「お疲れ」
ん?ジュースが二本・・・・零奈か。
気が利くな。
・・・と、そういえば戦ってるのは俺達だけじゃないんだっけ。
「サンキュ〜零奈。
野球の方はどうなってんの?」
俊一たちの情報が準決勝進出以外、全く入ってないんだよな。
「さぁ?
ずっとこっち見てたから分からないけど。
外でたら丁度見えるから見に行ってみる?
次までまだ時間あるし」
「それもそうだな」
体育館は2階にあるから運動場を見渡せるんだよな。
「あんたらよくあんなコントやりながら勝ったわね。
ある意味凄いわよ」
後ろで零奈が笑いながら言ってくる。
コントじゃねぇよ。。。。
「涼は使い物にはならなかったけどな。
次の試合までにインテリモードが終わらなかったら試合にゃ出させない方向で行くから」
「もう一発ぶん殴ってやろうかしら」
冗談言ってるようには聞こえんのが怖い・・・・。
「止めとけ。
命に関わるから」
俺はそのまま零奈と話しながら体育館の外へ出ようとした。
俺の顔は体育館から外へ出る時の段差を降りる為下を向いていた。
すると唐突に「危ないっ!!」という零奈の声が耳に響いた。
なんだ?
俺の顔斜め上数メートルに野球ボール。
「ぬおっ!?」
反射的にしゃがんで回避。
すると(ゴンッ!!)という鈍い音が聞こえた。
そして人の倒れる音。
もしかして零奈か!!??
「れ、零奈!?だいじょ――――」
「?」
零奈は平気な顔して普通に立っていた。
「れ、零奈?ボールは??」
「え?あたしじゃないわよ!?
当たったのはこっち」
と、零奈の指差した先を見ると・・・・・
「また、お前か・・・・・・」
そこには何というか・・・・やっぱり涼がいたんだな、これが。
なんともツイてない奴だ。
さっきまでそこにはいなかったろ。
「これで頭治ると良いんだけどね」
零奈、そういう事を願ってないで無事を願え、無事を。
「さ、野球見ましょ、野球」
「あ、ああ」
運動場を見てみる。
ゆっくりとホームまで走ってくる生徒が一人。
多分このボールを涼に当てた張本人だろうな。
「・・・待てよ?あれ俊一じゃないか?」
「確かに、そうかも」
よりによって仲間の打ったボールに強打されるとは。。。
見える!見えるぞ!涼の背中に漂う哀愁のオーラが!!!
でも、そろそろ蘇りそうだ。
さてどうなっている事やら。
「うあ〜〜よく寝た・・・・。。。。
って、ここ何処だ!?
こんな所で寝てった覚えは無いぞ!?
ま、まさか誘拐か!?」
・・・記憶がとんでるのか。
言動からすると多分俺と涼が寝た時からの。
「涼」
「うお!知樹に零奈ちゃん!!
お前らも拉致られたか!?」
「いや、拉致られてないから」
・・・・仕方ない、説明すっか。
――――とりあえず、コイツの第二の人格やら何やらを説明した。
「要は俺は頭をもう一度打って治ったと」
「そそ」
「被害を受けただけだと」
「そゆこと」
「・・・最近ついてねぇなぁ・・・・・」
行いの悪さだと、俺は思う。
俺もそんな変わらないような気もするけど。
「たまには良い事あるって」
「そうだといいけどな・・・・」
涼が珍しく落ち込んでる。
「で、結局野球の方は決勝進出したみたいよ?
決勝は勿論F組とね」
「やっぱりな・・・・」
まぁ正直、普通科のクラスでスポーツ科のクラスと互角に戦えるとは思ってなかったからな。
十分十分。
「さて、んじゃそろそろ戻るか」
・・・そういや、バレーの試合結果はどうなってんだ?
「なぁ、バレーの結果ってどうなんだ?
野球の事で気にしてなかったけどさ」
「え〜と、待てば分かる事だけど、気になるなら確認してみたら?
あそこにホワイトボードがあるでしょ?」
零奈は体育館の舞台方向へ指を指した。
・・・あれか。
「あいよ、じゃ確認してくるわ」
もう決勝までそう時間は無いな。
俺は少し駆け足でホワイトボ−ドの前に立った。
どれどれ・・・・・・またF組か!?
あ〜こりゃ完全一騎打ち。
まぁ女子の方もそこまで変わらないらしいし。
例え10ポイント差に縮まってはいても男子が1勝でもすれば勝利確定だ。
・・・ま、要は勝てってこったな。
(バレー決勝進出チームは中央のコートに集合してください)
っと、放送が入ったし、行くか。
俺はバレーのコートへ駆け足で向った。
「やっぱりF組だったわね」
「ああ、そうだな。
ま、何が来てもここで勝てば優勝確定。
勝てばいいんだよ」
「どんな手を使ってもな」
「涼、せめて球技くらいはフェアにいってくれ。
こればっかは失格になっちゃ困る」
「One For All,All For oneか」
「・・・意味は?」
「お前の物は俺のもの、俺の物は俺のもの」
「ジャ○アン!?」
やってらんねぇ・・・・。
「それでは、一列に並んで」
審判権の先生の声が聞こえた。
俺達は話すのを止め、一列に並んだ。
「礼!」
『お願いします!!』
「知樹!ポジションはどうするよ?」
後ろから涼が問いかけてきた。
「そうだな・・・適当だ」
「なる程、セルフサービスか」
いや、単にバレーについて無知なだけだけど。
「そういうことにしておく」
「じゃ、まず俺からサーブ打つわ」
「あ?お前バレー得意だっけ?」
第二の人格は役に立たなかったけど。
「まぁ、見とけって。
必殺!!奇跡のミラクルジャンピングサーブ!!」
いきなり必殺とか言っちゃってるし!!
しかも奇跡=ミラクルだろ!?
お前のサーブは100%偶然性なのか!?
運ですべて構成しちゃってるのか!?
バシッ!とボールが放たれる。
そのボールは結構なスピードで・・・。
(ボフッ)
ネットに当たりました。
「ネット!!」
「・・・」
思わず、無言で涼を睨みつけてしまう。
「・・・・まぁまぁ、まだもう一回あるから」
と、涼はボールを拾い、もう一度サーブを放った。
(ボフッ)
「F組1ポイント!!」
「いやぁ・・・奇跡的に失敗しちゃったね」
「奇跡的に成功するはずだったんだろ?」
「・・・・・ハイ、スンマセンデシタ」
「俺が打つから、ボール貸してくれ」
飛んできたボールをキャッチし、上へ放り投げる。
地面を蹴る、ボールが空中で停止し落ち始める。
(バシィ!)
よし、ジャストミート!!
ボールはネットを越えて相手側のコートに入るが、相手の一人がレシーブで受け止める。
ネット付近で他の一人がトス、そしてアタック。
相手は理想的な3段攻撃でボールを返してきた。
早い、受け止められない!
(バシッ)
「いよっしゃぁぁ!!」
そう叫んで、ボールを地面スレスレで受けたのは涼だった。
「おお、ナイスレシーブだ、涼!!」
そうだ、こっちには常人離れした反応力の涼がいるんだ。
いける!!
トスで送られたボールが俺の斜め上に来た。
ここだ!
両足で地面を蹴り、ボールを一番高い所で叩く。
勢いあるボールが相手コートに突き刺さった。
・・・・この小説は熱血バレー小説ではないので試合部分は省略させていただきます。by作者
―――――――ーーーーーーー「試合終了!!優勝クラスはB組!!」
『よっしゃぁぁぁ!!!』
勝った、ギリギリ勝った。
もう本当にギリギリ。
紙でいうと3枚位の薄さ。
「・・・あの〜、喜んでる所悪いんだけど、、、知樹」
「ん?零奈?どした?」
「女子の方の結果なんだけど、バレーでF組が優勝したらしいのよ。
バドミントンもそこそこいいところまで行ったらしくて、今の試合の結果を合わせて
同ポイントなのよ、今」
「マジか!?
さっきは大した事無いって言ってたろ!?」
「最後の最後までメインのメンバーを温存してたらしいの」
「・・・って事は、俊一たちにかかってるって事か」
「そうね」
「じゃ、早く行くぞ!!」
「うん」
「涼!!後の始末はお前に任せた!!」
「へ?ま、まあここにいれば良いんだよな?」
「ああ、頼む」
俺と零奈は運動場へ出た。
試合は最終回の裏、1対3で負けている。
2アウトでランナーは三塁だ。
そして、バッターは・・・俊一。
しかもフルカウントで、B組にしても、俊一にしても追い詰められている状況だ。
ピッチャーがボールを投げる。
カキンッ、という音が響き渡った。
当たりは良い、センター前ヒットだ。
三塁からホームへ戻ってくる、これで2対3か。
一塁に立っている俊一がこっちを見た。
そしてすぐ近くにいる審判に声を掛けた。
「タイムッ!!」
俊一はベンチに戻り、チームメンバーと話し合った後、こちらへ駆け足で来た。
俊一がこっちに走ってきた。
「知樹、代打で打ってくれ」
「・・・いいのか?
さっきまでバレーやってた人間なんかに打たせて」
「ああ、お前の方が信用できる。
メンバーも賛成との事だ」
そこまで信用されてんじゃ打つしかないよな。。。
「分かった。
失敗してもガッカリすんなよ?」
「俺の決めた事には、たとえ失敗しても後悔はしない」
俺と俊一は勢い良く(パシッ!)とハイタッチした。
俊一はバッターボックスで待っているクラスメートに声を掛けた。
そして、俺はその生徒からヘルメットとバットを手渡された。
「頑張ってくれよ!」
「ああ」
俺はそう返事をすると、ヘルメットを被り、バッターボックスに着いた。
中学生の頃はよく一人でバッティングセンターに行ったな。
受験勉強を境目に行かなくなったけど、まだ何となく感覚は覚えてる。
ホームランだって出した事はある。
まあ実際バッティングセンターのホームランなんてそう大した距離じゃないけどな。
実際はもっと遠かったりする。
ピッチャーが振りかぶる。
ボールが飛んできた。
(パシッ!)
「ストライク!」
初っ端からストレートか。
そこそこ早かったけど、打てないスピードじゃない。
問題は何処で狙うかだ。
2球目。
外枠を狙ったスライダーだった。
ボールになってしまったが、相手ピッチャーのコントロールは悪くない。
よし、このまま見送りっぱなしじゃ動かないからな。
ここはボールを出した人間の心理を突く。
ピッチャーが振りかぶる。
一度狙いが外れるともう一度そこへ狙おうとする、、と読んで。。。
さっきピッチャーが狙ったと思われる場所に思いっきり振るっ!!
ボールが飛んでくる。
力の限り振りぬく!
(カキィィィン!!!!)
『ワァァァ!!!!』
歓声が大きくなった。
ボールは先程俺達がいた体育館の方へ綺麗な放射線を描いて飛んでいった。
俺はそれを見てゆっくりと走り出した。
・・・・信じれん。。。
まさか本当に当たるとは思ってなかった。
しかも文句なしのホームラン。
久しぶりにスカッとした。
一塁、二塁をまわり3塁をまわる。。。。
ホームではB組全員が俺を待っていてくれた。
俺は無意識の内に腕を高く上げてガッツポーズをしていた。
そして、トンッとホームベースを踏んだ。
拍手が巻き起こった、それはB組のクラスメートだけでもなくこの試合を観戦してた人全員から送られているみたいだ。
「知樹にしては良くできたな」
俺が帰ってきてからの俊一の第一声がこれだ。
「俺にしてはってのは余計だろ。
第一、俺を指名したのはお前だろ」
「失敗だったか?」
「失敗じゃ、無かったかもしれないけどさ」
「ならいいだろ」
・・・いっつもこう俊一の上手いように話を終わらせられるよな。
「知樹!!」
後ろから声が掛かる。
「おう、零奈、どうだったよ?俺の活躍は」
「正直あんまり期待してなかったけど、結構やってくれたって感じかな」
「・・・俊一といい零奈といい、いつも一言多いんだよな・・・・」
「ん?何か言った」
「いいや、何も。
・・・そういえば涼はどうした?」
ホームに戻ってくるときは全員って言ったけど、そういやアイツだけ見なかったような。
「見てないけど?」
「アイツもしかしてまだ体育館にいるのか?」
「そうかもね」
「んじゃま俺ちょっと呼んでくるわ」
「うん」
待ってろって言ったの俺だしな。
んで、体育館入り口に到着した訳だけど。。。
「・・・なんで涼が入り口で倒れてんだ??」
ん?よーく見ると最初のボールが当たった所以外の場所にも跡がある。。。
待てよちょっと整理してみよう。
最初にボールが当たって涼は体育館にいた。
んで、そこから俺達は運動場へ向った。
その間は俺が知っている限りホームランは無し。
最後にホームランを打ったのは俺。
ボールは体育館へ―――――
「って、犯人俺じゃん」
うむ、これは申し訳ない事をした。
反省の意を込めて起こしてあげることにしよう。
「おい。
起きろ」
ペシっと丁度良い強さで顔を叩いてみる。
「う〜〜ん・・・・お、知樹か、いい朝だな」
「いや、もう夕方近いぞ」
「何ッ!?待てよ・・・・・そうだボールだボール2個目の!!
それに当たっちまったんだ、ったく誰だよ」
「俺だ」
「何!?それはマジか本当かreallyか!?」
「おう、思いっきりマジで本当でreallyだ」
「・・・許せん」
は?
「俺の青春の時を30分とは言え、無駄にした罪は大きい!!
よって―――――――」
涼が最後の言葉を発しようとしたその時。
(ゴンッ)
と、鈍い音が聞こえた。
ボールが俺の横を転がり、涼が倒れた。
俺は咄嗟にボールが飛んできた方向を見る。
運動場では二年生の決勝戦が始まっていた。
「二度ある事は、三度ある・・・か」
ま、厄介になるのは嫌だし、放っておくか。
全ての試合が終わり今日の表彰式後、教室にて。
小坂先生は泣いて喜んでいた。
「・・・皆さん、ありがとうございましたっ。
本当に素晴らしいです!!
1年B組は最高のクラスですっ!!」
そんなにマッチョと付き合うのが嫌なのか。
うん俺も分からんでもないよ。
筋肉は程々が一番だからな。
男子共は小坂先生を取られずに済んだ事で大喜びしている。
・・・生徒と先生が付き合うって事もまずないと思うけど、それを言ったら夢をぶち壊すので止めておいた。
「知樹、俺って今日何してたっけ?」
涼はどうやら今日の記憶が3発目で飛んだらしい。
この程度の被害で済ませるところ当たり、人間離れしているとしか思えない。
「・・・頑張ってたと思うよ?」
個人的な成績では、1ポイントしか稼いで無いけどな、たしか。
まあ、こう言っておきゃ良いっしょ。
「ふ〜ん。。。
記憶が何で消えてんのかは気になるけどな、まぁいいか」
よし、収まった。
んでもって、俺の文化祭もこれで終わり。
期末テストも終わったしあとは今日からは夏休みをじっくりと待つだけ。
「ま、いいか、とりあえず、みんな!!
打ち上げ行っとく〜〜〜???」
『イェ〜〜〜〜イ!!!!』
今日の所は打ち上げを楽しむか!!!
反省&言い訳&次回予告。(いつもあとがき要素は皆無ですんで)
かなりの量になりましたね、そして文化祭終了です。
文化祭だけでもかなりの文字数ではないでしょうか?
ここの所が更新速度に影響・・・ってのは嘘です。
実際の所は時間が取れてないだけですね、ハイ。
ここからは、夏休みに突入。
子の前にも書いたとおりプランは色々あります。
お楽しみに。