表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
21/60

文化祭編:7 体育祭でもミラクル連発!?

11点と8点、これが今のB組とF組のポイント。

3点差ってのは・・・気ぃ抜いたらすぐ抜かされるけど・・・リードしてる事には変わりない。


このままいけばいいだけの話か。



「おい、知樹!!

 1500m走の女子もう終わっちまうぞ!!」


後ろから呼んでるのは・・・・貢献ポイント1点の涼じゃないか。


「って、は!?もう終わりか!?しかも女子って男子終わってんのか!?

 ・・・・なんて適当な小説だ・・・・」


どうせ、面白く書けそうも無いっていう、作者の実力上こうなっただけだろうけど。


「何、訳の分かんねぇ事言ってんだよ??

 とりあえず見てみろって!」


はいはいっと。

え〜と、俺らのクラスが・・・男子が3位と5位で終わって。

女子は2位と4位。

ま、アイツ等(俊一&涼)みたいな怪物と一緒にしたら可哀そうだ。

十分十分。


ただF組が男でワン、ツーってのは頂けない。

女子も1位と3位だ。


「・・・ま、こんなもんだろ?」


涼がそういってこっちを向いたけど、計算が結構ややこしいから反応できん。


「・・・F組との点差は、俺達が34点、F組が42点で8点差か」


「8点位どうにかなるって」


そういうけど涼君?


「障害物で一点しか取らなかったのは誰だったか・・・・」


「・・・必ず5点取ります・・・」


「よろしい」


え?俺もまだ点とって無い?

大丈夫だって。

少なくとも涼よりは稼ぐから。






次はハードルだけど・・・コレは幾らなんでも勝つのは無理だろう。

ハードルなんてものは、普通に生活してて巧くなるもんじゃないし。


何が言いたいかって言うと、陸部のハードル選手が圧倒的有利っていうこと。


「これは幾らなんでも無理っしょ」


「??あれ??知樹知らなかったの?

 私たちのクラスにも陸部でハードルやってる人いるのよ?」


・・・・・・マジ?


「・・・零奈?」


「うん?」


「それマジ?」


「マジ」


「本気と書いてマジと読むの?」


「知らないわよっ!」


兎に角・・・・・ミラクル発生!!!!


奇跡!!!!!!!


「何笑ってんのよ・・・」


いかんいかん、思わず笑みが。


「いや、勝てないと思ってたからさ」


「朝のあの言いっぷりは何だったのよ?」


「勢いが大事だって」


グッと親指を突き出す。


「ははっ・・・アンタらしいわ。

 あ、ハードル終わっちゃうわよ?」


「はやっ!!!

 ・・・・なんて適当な(以下略)」(:もう言わないで・・・by作者)


「え〜と、、、男子は2位と3位。

 女子は一位と4位ね」


確かに!!悪くないどころか十分な結果だ。

となると。


「63点か俺達は」


「うん」


「で、F組は・・・・」


順位を見る限り・・・・変わらず8点差の71点。


「71点・・・・」


「流石ね」


「ああ、そうだな・・・・」


8点か・・・・。

騎馬戦で奴らを最初に潰して、俺らが敵を全滅させりゃ追い抜けるが・・・・。

出来るって言う保障もないし。


やっぱりなるべく次の100m走は・・・って!



「零奈!!次俺らの――――」


100m走だけど・・・・。。。


「――――いないっ!!」


流石ね、が別れの挨拶ってのは可笑しいだろ。












100m走決勝の召集場所には、男子が7人と女子が8人。

って事は俺が一番最後か。


「零奈!行くなら行ってくれよ」


零奈が少し茶色が入ったストレートの髪を靡かせて、こちらに振り向いた。


「だって、一人で考え込んでたみたいだし、邪魔かなと思って」


「あぁそうか、悪い」


「分かれば良し」


って何でいつの間にか俺が謝ってるんだ??


「フッ・・・・」


・・・振り向けば、しゃがみこんでいる俊一君がそこに。


「・・・俊一はまたずっとそこにいたのか?」


「ああ」


「知樹、鈍感だからね。

 気付くの遅いのよ」


そうなの?

てか、俺以上に俺を知らないでくれ。


「・・・・で、俊一」


「何だ?」


「何やってんだよ。

 さっきから」


俊一はさっきからずっとしゃがみ込んで、怪しげな機械をいじっていた。

機械の形は・・・俗に言う、ロケットランチャーみたいな感じか?

小さいからしゃがんでいる俊一の陰に隠れてよく見えん。


「あぁ、これか?」


俊一はその怪しげな機械を指差した。


「うん。

 私も疑問に思ってた。

 まともなものじゃない事だけは分かるけど」


零奈もずっと疑問に思ってたみたいだ。


「よく分かったな」


分かるだろ。


「普通分かるわよ」


そして零奈も同意見。


「確かに、コレはまともなものではない。

 聞いて驚け、これが騎馬戦で使うその名も[カラーキャッチャー・プロト]だ。

 使い方は・・・秘密にしておこう」


・・・と、言われても何の事やら。

兎に角、その怪しげな機械を使う騎馬戦に俺も参加するって事だけは確かだ。

何でも持ち込んでオーケーなんて無茶苦茶すぎる、この学校。


「はぁ・・・・。

 ま、死なない程度に活用してくれ」


「コレさえあれば・・・フッ・・・」


意味深な笑いがどうも引っかかる。




『100m走決勝に参加する方は位置についてください』


唐突に、そう放送が入った。


「よしっ・・・行くか俊一」


「ああ。

 ・・・・紫城」


「ん?何?」


「これ・・・持っててくれ。

 走り終わったら、そのままこっちへ取りに来る」


俊一が零奈に手渡したのは、かの怪しげな機械、[カラーキャッチャー・プロト]だ。


「・・・恥ずかしいけど、まぁいいわ。

 すぐ帰ってきてよ?」


「任せろ。

 トップでゴールする」


そう言って、俊一は振り向き、スタートラインへ向った。


あぁ、そういえば・・・この勝負に限っては、俺と俊一は一応敵どうしなんだよな。


こうやって真剣に物事を競うのは久しぶりだな。

どうしても俊一に負けちゃうからさ、何事も。

いつの間にかコイツと真剣に争う事は俺から嫌っちゃってさ。


よし!なら久しぶりにやりますか!



「俊一ぃ!」


「何だ?」


俊一がこちらを向く。


「俺も手加減無しで行くからな!」


「・・・・フッ・・・俺もそうする」


よし!!気合入ったぁ!!


俺は俊一の背中を追うようにスタートラインへと向った。









スターティングブロックに足をかけ、スタートラインに合わせ地面に手を付ける。



ドクンッドクンッ・・・・・。


また、心臓が早くなってきやがった。

周りの音も聞こえなくなる。

己の心音のみ。


俺は2レーン、自分に勝つ為にも・・・・俺は4レーンで準備をするアイツより早く走る事に全力を尽くす!


「位置に着いて・・・・用意・・・(バァン!!)


皆、一斉にスタート。


って言っても、横向く余裕は全然無い。

いや、横を向かなくても分かるな。

俺と横に並んでいる奴がいることぐらいは。

そして、その中に俊一がいる事も。


12、3秒かそこらなんて一瞬だ。

走ってる側にはほんの一瞬。


自分が好きな事やってるときは時間が早く過ぎていくのと同じで、集中してるからだろうな。



斜め前に人が見えた。

肩辺りまで伸びている、黒いサラサラした髪。

俊一に違いない。


斜め前に見えるって事は結構差がついちゃったかもな。

少しの差じゃ、差は分からないもんだ。

ま、結構意識してるから分かっちゃうのかもしれないけど。




ゴールラインが近づく。


俺は今何番?

何処を走っている??


その、疑問だけを残し、ゴール。


結果は。


「ハァハァ・・・3位か」


俊一は堂々の一位。

2位にはF組の一人が。

F組は二人いたはずだけど。。。

・・・・しっかり4位取ってるところは流石だ。


「これでF組とは5点差か」


ん?そういえば俊一は・・・・あぁそうか。

機械取りにそのまま直行か。


「しっかし・・・やっぱり俊一には勝てねぇか・・・」


ま、この3年間で俊一に勝てるものを見つけるか。

いや、今出来る事で追い越すか。


・・・どっちでもいいけど、男として負けっぱなしと言う訳にはいかないよな。


その後、女子のレースもあったけど、俊一を探している間に終わってしまった。


とりあえず分かったのは、F組との差が元に戻ったこと位か。


ん?何で俊一を探してるのかって?

あまり意味は無いけどさ、まぁいないよりは一緒に見た方が良いっしょ?


「て〜か、次すぐにリレー決勝だからそこで俊一と合流できるじゃん。

 リレーか・・・・本当にハードだな・・・・」


そうやって文句を言いながらも召集場所に向っている俺に、エールを送りたい今日この頃。。。







そして、召集場所にて予選で共に走った仲間と合流し、トラック内でレースが始まるのをじっと待っていた。

ま、さっきF組は俺達よりタイム遅かったらしいし、大丈夫だろ。

下手したら逆転しちゃうかもな。


・・・と、まあ期待するのはいいけど。。。

いいんちょの動きが硬い。



「いいんちょ」


「???知樹君か」


一走者のいいんちょは基本的に俊一の次に何でも出来るから、リトル俊一と行っても過言でもない。

容姿は普段眼鏡を掛けているので、知的美少年といった感じだが今は眼鏡を掛けてないのでスポーツマンにしか見えない。

眼鏡一つで違って見えるもんなんだな。

人付き合いが良いのが唯一、俊一と違う所か。




「がんばれよ。

 リラックス、リラックス!!」


「ああ、ちょっと緊張してるけど、多分大丈夫だよ」


緊張してるみたいだからリラックスしろって言ってるんだけどな。


「それでは、第一走者の方は位置についてください」


スタート位置の所から係の生徒の声が聞こえてきた。


「じゃ、なるべく最初に繋ぐよ」


「ああ!頼む!」


パシィッ!とハイタッチをして、俺はいいんちょを送り出した。



第一走者の生徒がスタート位置で構える。


「位置に着いて・・・よ〜〜い―――」


(バァン!!)



2レーンとは中途半端な所だけど、いいんちょはバランスの良い走りだ。

2コーナーに入るころには3レーン、4レーンの奴らを迫いぬき、こちらへ回ってきた。


「ハイッ!」


いいんちょが声を出してスッとバトンを第二走者の零奈に渡す。


よしっ、一先ずトップで一周目通過、バトンパスも巧くいった。


「グッジョブ!いいんちょ!」


「ありがとう、巧くいって良かったよ・・・。

 紫城さんも巧くやってくれてるし、結構いけるかもよ?」


確かに零奈も女子の中では運動神経はいい方だ。

同じ女子になら抜かれないとは思うが・・・2走者が男子の所はF組だけか。


さっきと同じように、F組は最初にとばして最後の4人で女子を持ってくる作戦か。


バックストレートで零奈はF組の男子に抜かれたけど、仕方が無い。

F組は後からペースが落ちてくるから取り返せるはずだ。


3秒遅れで零奈が3走者へバトンパスをした。

3走者も女子だからこれ以上離されることは決定的だけど、それを承知の上での作戦だ。


「ゴメン、抜かれちゃった」


零奈が戻ってきて申し訳なさそうに言う。


「相手は男子だったし、いい走りだったって。

 本当にいけるかも知れないぜ?」


「なら、いいんだけど・・・」


・・・だけど?


「だけど?何だ?」


今度は9秒ほどF組から遅れて俺達の4走者へ繋がる。


「F組のアンカーの女子・・・・さっきと違うよね?」


アンカーの女子??

あ、本当だ。

最大の敵と思われる所のアンカーだから、さっき注目して見てたからな、断言できる。

最後は男子かと思ってたら女子だったからさ、どんな凄い走りするのかと思ってたら、平凡な走りで特徴は無かった。


「ああ、で?それがどうした?」


「分からないけど・・・何処かで見た事あるのよ」


「なんだ、そりゃ」


中途半端だと気になって走れなくなっちゃうっての。


「兎に角、何も無い事を祈るしかないわね。

 あ、知樹、今5走者に入ったから準備したら?」


「うおっ、マジだ!」


タイム差は・・・・7秒くらいか?


「よしっ!行ってくるわ」


「頑張ってね」


「おう」





「知樹」


あ?俊一か。。。

集中しようとしてるってのに・・・何だ?


「なんだ?」


「見た所余裕に見えるかもしれんが、ハッキリ言って余裕は余り無い」


残りF組は女子のみ、こっちは男子のみ、差は・・・・多分9秒くらい、いけるはずだ。


でも、、、、それはどういう意味だよ、俊一。


「は?それどういう意味だよ」


普通なら、このままいけば俊一がF組のアンカーを抜いて

「キャー!俊一君カッコイイィ!!」と女子の黄色い声援が聞こえてくると考えるのが普通だ。

F組のアンカーは女子だからな。




目の前で5走者から6走者へバトンが繋がった。






「時間が無いようだな。

 やる事だけ簡潔に言おう、お前から俺へのバトンパスの時―――――」







俊一から聞かされたのは、前代未聞の作戦だった。







・・・・・マジかよ。









「俊一・・・・?それマジで言ってるのか?」


こんな作戦・・・信じられない。

自分の耳を疑うしかなかった。


「ああ。

 やらなければ負ける」


でも、俊一の言った事は俺の聞いたまんまみたいだ。


「・・・・分かった」


状況は理解できないけど、ここは俊一のいう事を聞いておこう。

少なくとも、俺達のクラスには悪いようにはならないはずだ。

ただし、成功すればの話だけどな。


「大丈夫だ。

 やる事は俺の方が数十倍難しい」


どういう気休めの仕方だよ。


「俺も十分難しいけどな」


「ふっ・・・知樹、順番だぞ」


「よし、行ってくる」





ゆっくり深呼吸だ・・・・・・スー・・・・ハー・・・・・スー・・・・・。。。。





よしっ!!気合入れて行くか!!!




トラックへ一歩踏み出しスタート位置で構える。



横でF組の7走者がスタートする。





こい、早く来い。





1、2、3、4、5―――今だ。


地面を蹴っ飛ばしてスタートし、左手を後ろへ。


手の平に物体が接触する。

それをすかさず掴み右手へスムーズに移す。


よし、いい感じに行った!


差は5秒位か。。。



1コーナー終わって・・・・差は詰まってる、ハッキリ分かるほどに、順調だ。


2コーナーが終わる・・・・・残り1秒差の所くらいまで詰めた!



2コーナーが終わった直後、俊一が走り出した。

走り出すタイミングはF組のアンカーと殆ど同じ。





・・・・作戦開始か・・・・・。





勿論、曲がり終わってすぐに走り出されたらバトンは届かないだろう。

全長10mのテイクオーバーゾーンでのみバトンを渡す事ができるのだから。


でも、逆に言えばどうだろう、テイクオーバーゾーン以内でなら渡せるのだ。

どんな手を使っても。



カンの良い読者さんなら気付いたかな?



左脚をテイクオーバーゾーンの白線上に踏みとどまらせる。


「俊一ぃ!!!!!いくぞっっ!!!!!」


その足を軸にして右手に持ってるバトンを思いっきり・・・投げるっ!!




・・・バトンは回転しながら真っ直ぐ俊一の方向へ飛んでいく――――。


「真上!!!」


俺がそう叫んだ瞬間、俊一は走りながら右手を頭上に上げ――――(パシッ!)――――キャッチした。



歓声が沸き起こる。


・・・・せ、成功したのか???


「って、安心してらんねぇ!

 俊一は!?」


1コーナーを立ち上がって、F組のアンカーと並んでいる。

あのF組のアンカーの女子、、、俊一と同じスピードで走ってるのか??

い、いや、直線は俊一の方が早い!



歓声が凄い。

今日最高の盛り上がりじゃないだろうか?



次の2コーナー相手はイン、俊一はアウト・・・・・・ダメなのか?


いや、並んでる!2コーナー並んで立ち上がって直線勝負。

同条件なら――――――――ゴールラインのテープが勝者によって切られる。



スピードを落としながら、下を向いて右手をグーにして静かに上げたのは・・・・・・俊一。



『結果を発表します・・・1位 B組・・・――――』



「よっしゃぁぁぁぁ!!!!!」


放送を聴いた瞬間・・・喜んだ。

優勝した訳じゃないのに、クラス全員で。

歓喜の渦、とやらか?



終了後、俺と俊一のプレーはもちろん審議の対象にはなったが、校長の絶賛によりOKが下った。


「寿命が一ヶ月延びたな」


とは、俊一が校長の判決を聞いたときの弁である。


・・・まだ、追い出すつもりなんかい。



F組との差は4点。


次の騎馬戦で俊一の最終兵器が巧く炸裂すると良いけどな。

・・・最低、俺に被害無けりゃ良しとしようじゃないか。


「って、おい俊一!!

 騎馬戦が始まっちま―――いないっ!!!」


・・・俺って結構鈍感??


じゃ無くて急げ俺!!

















『午前最終種目、騎馬戦が始まります!!

 皆さん精一杯応援しましょう』


てな訳でやってきました、騎馬戦。


ルールはこの学校の特別ルールで、各学年のクラスの代表4人、つまり24組の代表選手がトラック内の大きな騎馬専用フィールドで上に乗っている人の頭のハチマキを取るというルールだ。


ポイントは、取ったハチマキの数×2ポイント。






俺達のメンバーは俊一が上に乗って、前が俺、右斜め後ろが涼、左斜め後ろがいいんちょだ。


しかも、明らかに危ないもの以外なら、勝つ為なら何を使っても良い。

ここが俺達にとっての強みだな。

何を使っても良いなら俊一の武器が炸裂するに違いない。


「知樹、早く台を作ってくれ」


「おっと、悪い、俊一」


「知樹〜足手まといにはなるなよ〜」


涼の声が後ろから聞こえる。


「ああ、なるべく頑張る」


まぁ、俺にとっちゃ涼の方が心配だけどな。


「・・・それでは、乗るぞ」


俊一が俺達の会話が終了した事を見計らってそう言った。


「あいよ」


三人で息を合わせて。


「「「・・・・いっせ〜の!」」」


俺は前だから目じゃ確認できないけど、手に重みが伝わってきてるって事は乗る事には成功か。

・・・乗れるのは当たり前かと思うかもしれないけど、俺ら練習してないからさ。

ま、いわゆるぶっつけ本番だな。


「お〜乗った乗った」


涼が何か喜んでるけど、この言葉を聞く事によって、俺達は優勝する気があるのかという疑いすら持っちまう。


「ん?滝野君?

 それ何だい?」


後ろからいいんちょの声も聞こえてくる。

俊一に聞いているのは分かるけど、何について聞いているのかは分からない。


「これか?

 これはだな、この騎馬戦の為に独自で開発した[カラーキャッチャー・プロト]だ」


「か、からきゃちゃー??

 何だか分からないけど、上の事に関しては滝野君に任せるから、頑張って」


やはり優秀ないいんちょですら、俊一のやることは理解できないか。


「ふふ・・・任せておけ。

 少なくともF組は最初に消える」


顔は見えないけど、きっと俺の真上で不気味に笑っているに違いない。


『それでは、男達の熱い死闘、騎馬戦!!よぅい!始めッ!!!』


唐突に気合の入った放送が会場に響いた。

それを待ってました、と言わんばかりに一斉に各クラスの代表が狙った組に対して走り出した。


とりあえず、どうすりゃ良いのか分からん。


「始まったぞ俊一!」


「ああ、まぁそう慌てるな」


俺の動転した声に反して冷静な俊一の一言。


「慌てるなって言ってもどう動きゃあ良いんだ!?」


「落ち着いて周りを見てみろ」


は?

周り・・・。


「・・・・誰もこっちに来ない・・・な」


そう、誰も俺達に近寄ろうとしないんだよ、これが。


「ふっ・・・・この[カラーキャッチャー・プロト]に恐れを成したか。

 まぁ良い、そんなに見たいなら今にコイツの恐ろしさを見せてやろうではないか!」


・・・・誰も見たくないから近寄ってこないんだろ?多分。。。


[ピッピッ・・・ピッ―――――パスワード認識いたしました]


俺の上で電子音が聞こえてきた。


「ぱ、ぱすわーど!?」


しかも、機械が喋った!?


「俺以外の者に使われては困るのでな」


「いや!そうじゃなくて、そういうのはもっと前にやっておくもんだろ!?」


「気にするな」


気にするって!


[目標カラーを設定して下さい]


「知樹、F組のハチマキの色は?」


「へ?F組・・・F組・・・」


F組は・・・あの戦場のど真ん中にいるあの筋肉野朗共か。

見てるだけで暑苦しい集団だ。

あの集団の担任に小坂先生が・・・・許せん!!!

・・・じゃなくて色だ色!!



「えぇっと・・・色は・・・緑だ!」


[ピッ・・・緑に設定しました。

 標的をロックオン・・・・発射ボタンを押してください]


「それではお待ちかねの[カラーキャッチャー・プロト]発射だ」


カチャ、と何かのスイッチを押す音が聞こえた。と同時に俺の真上を何かが飛んでいった。


あれは・・・トンボだ!鳥だ!飛行機だ!いや、スペースシャトルだ!いやスーパーマンだ!いやスペースゴ○ラか!?

いや・・・あれはマジックハンドだ!!!


さて正解は・・・・マジックハンドです、ハイ。


「って、ありゃ何だ!?」


「まぁ、黙って見ていろ」


・・・・とりあえず、俊一の言うとおり黙ってマジックハンドの行方を見ることにしよう。


マジックハンドは俺の真上を通り過ぎたと思うと、争いの真っ只中をまるで林の何を飛ぶ鳥のように通り抜けていっている。

・・・・・見えなくなった。。。。


しばらくして手が戻ってきた。

手には何か握られているようにも見える。


あれは・・・ハチマキ・・・、しかも緑色、F組のハチマキだ。


「どうだ。

 これが[カラーキャッチャー・プロト]の威力だ。

 指定した色に真っ先に飛んでいき、そしてこちらに引き寄せるのだ」


す、すげぇな。


「さすが滝野・・・・」


涼も感心しているようだ。


「これなら、下の僕達は何もしなくていいんじゃないの?」


確かに、いいんちょが言うとおり、この機械さえあれば優勝間違いなしだ。




「心配するな。

 そういうつまらない事もあろうかと、使用回数は一回に設定しておいた」




「何だ、その余計な設定は!?」


「冗談だ」


・・・・コイツは・・・。


「ただし、一回しか使えないのは本当だ。

 あくまでもこれはプロトタイプ。

 試作品に過ぎん」


「まぁ、いいじゃねぇの?

 F組を早々に倒せたのは大きいぞ?」


確かに涼の言うとおり、あの短時間じゃF組とは言え、取れるハチマキの数なんて知れている。


「白沢君の言うとおりかもね。

 とりあえず僕達も戦わないと」


「そ、そうだな」


しかし、ちょっと引っかかる事が・・・・・。


「でもさ、俊一はここから手ぶらで戦うのか?」


この機械が使えなくなったから今の俊一は手ぶら同然。

むしろ荷物が多くなってるし。


「今日の知樹は察しがいいな。

 もちろん用意してある」


「お褒めの言葉ど〜も。

 で、何を準備したんだ??」


『第二形態に変形・・・・・完了いたしました』


その質問を待っていたように、頭上から先程と同じような電子音が聞こえた。


「うぉぉ!!すげぇ〜〜〜〜!!!」


涼が感動しているけど俺の頭上で何が起こっているのかは分からない。


「おい、何だよ?第二形態って」


「あ?そっか、知樹は見えないのか」


「ああ」


「聞いて驚け!さっきの機械がグォーンとなって、ガシッとシャキンッってなったんだよ!!」

 

「全部擬音語で説明すな!!」


まったく・・・・。


「知樹、これについてはあとから話す。

 今は前進あるのみだ」


確かに、時間が過ぎてくって事は取れるハチマキもすくなくなっちまうって事だからな。

ここでどれだけ多く、ハチマキを取れるかが勝負だ。


「よし、それじゃ、進むぞ!!」


俺の合図と共に俺達は戦場の中心へと歩を進める。



「ウォォォォ!!!」


いきなりきやがったか。

でも、声の張りは良いのだが、俺すらも確認できていない俊一の不思議アイテムを見て、表情はおびえているようにも見える。


「目の前から敵接近中!!」


とりあえず、後ろに向けて敵の接近を知らせる。


「三人ともストップだ」


そこで間髪入れずに俊一の声。


とりあえず指示通りにストップする三人。


『カラーターゲット・・・・黄色以外・・・サイズ・・・ロング』


そこでお馴染みの電子音。

・・・黄色ってのは俺達のハチマキの色か。


「さて」


何時の間にか、敵は俺達の目の前にいる。

にも拘らず、俊一は声からして落ち着いているみたいだ。




[ピッ]



何かを押す音が耳に入ってきた。

音源は俺の頭上。


横目で見た限り、何か細い棒状の物みたいだ。


俺がその棒状の物と分かった物体は、俺の顔の横から目にも止まらぬ速さで、向ってくる敵のハチマキにくっ付いた。


「へ?」


その妙な棒をくっ付けられ、対象の生徒は間が抜けた声を上げた。

結構なスピードだったが、どうやら痛くは無いようだ。

打撃音も聞こえなかった。


俊一は、その棒がくっ付いた事を確認すると、すぐさま棒を魚を釣り上げるように上へ引き上げた。


棒をくっ付けられていた生徒の頭にはハチマキは無い。

そして、その棒には頭に巻いていたハチマキがくっ付いていた。


こっちの勝ちだ。



「そ、そんなのありかよ・・・・」



そう言って、俊一の餌食になった生徒は退場門へと向って行った。

・・・同情だけならタップリできる気がする。





どうやら、あの機械の第二形態は、指定した色に磁石の様に勝手に向っていく武器みたいだな。

んで、その機械を使って、取ったハチマキも5本を越えた時。。。。



騎馬戦最大の敵が現れた。


それは俺達の目の前に立つ、騎馬の上に乗っている人物。


「よっ!後輩Aと後輩B。

 この競技に出てたとは知らなかったぜ」


俊一と俺をこんな風に呼ぶ人間は一人しかいないな、多分。

自分より格好良い奴が嫌いで、二年生の中でも結構なナルシストとしても有名な鳴海 和幸先輩、通称ユッキー先輩。


結構な数のクラスを倒したのか知らないけど、手には色とりどりのハチマキが握られている。

こりゃやっぱり強敵だわ。


「言ったらまず真っ先に俺達を狙ってくると思ったんで」


「ははは、そりゃそうだな。

 でも、まぁここで会ったからには、狙わないわけには行かないぜ?」


見逃してくれるなんて思っちゃいない。


「そんじゃま、始めるか!!」


ユッキー先輩を乗せた3人が、こちらに一斉に走り寄ってくる。


大丈夫だ、絶対に俊一のあの不思議アイテムなら倒せる。

今までどおりにな。


「俊一!頼むぞ!」


「ああ」


俊一の影を見ると、棒状の物を振り上げているのが分かる。


よしっ!勝った!敵のスピードもタイミングもさっきと全く変わらない。


(パシィィン!!)


物体に当たり、棒は痛快な音を上げた。


勝っ―――――てない・・・?


「す、すげぇ・・・」


後ろから涼の感嘆の声が聞こえた。


頭に当たってないのか??

ギリギリで手でキャッチした!?


「残念だったな、後輩B。

 試合が始まるまで出場してたのは知らなかったけどな。

 戦い方は試合中に十分見させてもらったって訳だ」


「チッ・・・三人とも退却だ」


仕方ないといった感じに、俊一がこっちに向ってそう言う。

それを聞いた下の俺達3人は息を合わせて後退し始める。


でも間違いなく追ってくるんだろうな、後ろから。


俊一の事だからこういう場合の事も想定内だと思うけど、確信は出来ない。


「よしっ!追ってくれ!」


案の定、逃げる俺達をユッキー先輩が見逃してくれるはずは無く、そう叫んで後ろを追ってきているようだ。


「三人に告ぐ!!」


逃げている最中に唐突に俊一の声が耳に入った。


「どうした!?」


「今からアレをやる!!」


アレって何だよ!?


「了解!」


「おう!!」


俺以外の二人は分かってるってどういう事だよ!?


「おい!何だそれ聞いてねぇぞ!!!」


「聞いてない?

 ふむ・・・・説明している時間は無いな。。。

 とりあえず、俺が合図したら敵の真後ろへ回りこめ」


「後ろって――――」


「いくぞ、スーパーフュージョネスアタックα!!!」


俊一がそう叫んだ瞬間、俊一がユッキー先輩目掛けて跳んでいった。


いきなり来るかよ!?

しかも意味分からん名前付けんなよ!!

αって何だ!?βもあるのか!?

そん時は対応できる自信は無いぞ!?


「って、心中で文句言ってないでさっさと動いたほうがいいな」


俊一は・・・信じがたい事だが、相手の馬の上に見事着地し、ユッキー先輩のハチマキを取っていた。


んな、無茶苦茶な・・・・。


「おい、知樹!!

 さっさと組め!!」


おっとそうだった。

組まなきゃ戻れないもんな、アイツが。


「悪ぃ、悪ぃ」


手を組んだ俺達の元に、スッとジャンプして俊一が戻ってきた。


「よし、このまま殲滅を図るぞ」


華麗・・・華麗すぎるぞ俊一。




そして、俺達はその後順調に他の騎馬を倒し、ついに生き残った。


取ったハチマキ計13本、半数以上の騎馬を俺達で倒した事になる。

そして入るポイントは26ポイント、午前最後の種目で、B組奇跡の逆転。

F組との差は18ポイントになった。


これも俊一の超人さが無けりゃあ無かったと思うと、俊一の存在が嫌でも大きく見えてくる。

まぁ、ずっと以前から分かりきってた事なんだけどな。


とりあえず、コレで午前は終了か。

18ポイントあれば、、、午後の団体戦はどうにかなるだろ。


「おい、知樹。

 ボーっと突っ立ってないで、メシ食うぞ!メシ!!」


涼が五月蝿いし、昼飯食いに行くか!


「あぁ、分かった、今行くって」


ま、午後も気楽に頑張ろうかね。









今回もきました。

俊一の超人ぶり発揮です。

最早弱点が無いと思われていそうですが、一応弱点はあります。

ま、それはいつか書くつもりです。


え〜、体育祭はこれから折り返しに入っていきます。

更新スピードがリアルでの多忙につき、更に遅くなってきております。

しかし、途中であきらめるような事はいたしませんので、どうぞこれからも気長にお付き合いよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ