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期待しなければ、世界は少しだけ優しくなる ——何も起きない日々の、小さな物語  作者: しゅんすけ
第1章:世界が少し優しく見え始めた頃

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5/10

第5話:それぞれ、ちゃんと違う


昼休み、同僚が宝くじの話をしていた。

当たったら何をするか、という話題だ。

 

家を買うとか、

仕事を辞めるとか、

とにかく今とは違う何か。

みんな楽しそうだった。

 

自分も、昔はそんな話をしていた気がする。

何をしたいかより、

「今じゃない場所」へ行きたい気持ちが先にあった。

 

「もし当たったら、どうする?」

 

そう聞かれて、少し考えた。

 

正直、何も浮かばなかった。

驚くほど、浮かばなかった。

 

「分かんないですね」

 

そう答えると、

場の空気がほんの少しだけ止まった気がした。

 

冗談だと思われたのか、

すぐに笑い声が戻ったけれど、

自分だけ少し外側に立っているような感覚があった。

 

別に、悲しかったわけじゃない。

羨ましくもなかった。

 

ただ、

同じ場所にいて、

同じ話を聞いているのに、

見ている方向が違うんだなと思った。

それが、少し不思議だった。

 

帰り道、空は相変わらず曇っていた。

でも、昼よりは少し明るい。

 

人と違うことは、

間違いじゃない。

 

そう思えたのは、

たぶん今日が初めてだった。


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