突撃! ドキドキルームツアー! 3
明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いいたします!
かなり間が空いたのですが更新になります。活動報告も上げておりますので、お暇でしたらご一読いただけると嬉しいです。
そして、祝500話! SS、新章、書籍化と気合を入れていきますので、応援の程よろしくお願いいたします!
姫雪家を後にして、朱里と春花が向かったのは一軒の一戸建て。
「まずは煩いところから片付けましょうか」
そう言って、朱里はインターフォンを押す。
すると、暫くしてから玄関の扉が開かれる。
「い、いらっしゃい、二人共!」
扉からひょこっと顔を覗かせたのは、えへへと柔らかい笑みを浮かべるみのりであった。
春花は知らないけれど、いつ来るのか、まだ来ないのか、順番はどうなのか、お菓子は食べて行けるのか等々、みのりはしつこく朱里にメッセージを飛ばしていたのだ。
何をどうしてそんなに気にしているのか分からないけれど、これ以上メッセージが連続しても面倒なので、みのりの家を次に選んだのである。
「さ、さぁ、上がって上がって!」
「ええ、お邪魔します」
「お邪魔します」
みのりに促され、二人は指出家にお邪魔する。
「お、お茶とお菓子を持って行くから、さ、先にお部屋に行ってて」
「そんな気を使わなくて良いわよ」
「せ、折角来てくれたんだから、お茶くらい出すよ。きょ、今日は手作りのアイシングクッキーもあるから! じ、自信作だから食べて欲しいんだよ?」
「あらそう。なら、いただこうかしらね」
「う、うん! お部屋で待ってて! 直ぐ持って行くから!」
「はーい」
返事をして、朱里はみのりの部屋へと向かう。
みのりの家にも遊びに来た事があるので、みのりの部屋が何処にあるのかは知っている。
迷う事無く二階に上がり、みのりの部屋の扉を開ける。
「相変わらず少女趣味ね」
みのりの部屋を見て素直な感想をこぼす朱里。
朱里の言った通り、みのりの部屋は少女らしさ全開の部屋であった。
淡く優しい色合いの家具や雑貨が多く、可愛らしい小物やぬいぐるみがたくさん置いてある。少し以外なのが、デスクトップパソコンが置いてある事だろう。白のパソコンデスクに白とピンクのゲーミングチェア。デスクトップパソコンは白を基調としており、モニターやマウスなどの周辺機器も白で統一されている。
棚には様々な種類のぬいぐるみが置いてあり、その中にはディフォルメされたアリスやロデスコなど童話の魔法少女のぬいぐるみも置いてある。その他にはアニメ調のアリスのフィギュアや、ディフォルメされたアリスのフィギュアなども置いてある。
また自分の知らないグッズが置かれていると思いながらも、今はアリスでは無いので口には出さない春花。
幾つか写真も飾っており、アリス単体のものや、皆で撮った写真も飾ってある。アリスの写真だけ違和感のある構図だけれど、きっと気のせいに違いない。具体的に言うと盗撮されたような写真写りなのだけれど、きっと気のせいだろう。
ともあれ、部屋に物は多く少女趣味ではあるけれど非常に綺麗に掃除の手が行き届いている。参考にするかどうかはさて置き、とても好感の持てる部屋だった。
朱里と春花はローテーブルの前に座り、みのりを待つ事にする。その際、朱里がアリスのディフォルメされた顔のクッションの上に座ったのを見て、春花はなんだか微妙な気持ちになってしまった。
「お、お待たせ~」
トレーにお茶とお茶菓子を乗せたみのりが部屋に戻って来て、二人の前にお茶とお茶菓子を置く。
「で、で、どうかな? わ、わたしのお部屋」
にこーっと笑みを浮かべ、春花に自身の部屋の感想をたずねるみのり。
「うん、可愛くて良いと思うよ」
「そ、そうかな? えへへ……そう言って貰えると、う、嬉しいなぁ」
素直な感想を口にする春花に、みのりは嬉しそうに頬を緩める。
「まぁでも、コイツの部屋の見本としては微妙ね。コイツ、部屋に物を置きたがらないから。コイツが少女趣味の部屋に住んでてもあんまし違和感は無いけど」
「いや、違和感だらけだと思うけど……」
「そ、そんな事無いよ! お、おそろいのお部屋とか良いと思うよ!」
「内装でお揃いとか聞いた事無いわ」
「き、聞いた事無いからやるんだよ! な、仲良し感増すでしょ?」
「そこまで行くともう狂気なのよ」
部屋の内装までお揃いにするのは仲良しの度を越えているように思う。お揃いの家具やお揃いの小物であれば理解できるけれど。
「でも、パソコン周りはおしゃれだね」
「確かに。てか、このパソコン前までは無かったわよね?」
「う、うん。詩ちゃんとシャーロットちゃんとゲームする為に買ったんだ。ちょ、丁度三人で出来るゲームがあるからって」
「へぇ、アンタがゲームなんて珍しいわね」
「しゃ、シャーロットちゃんとはあまり会えないからね。い、一緒にゲームしてお話ししたかったから」
「確かに、アタシ達も頻繁に連絡は取り合ってるけど、遊んでる訳じゃないわよね。どうする? パソコン買って皆でゲームでもする?」
「や、やろうやろう! パーティーゲームとかもあるみたいだから、大勢で楽しめるよ!」
朱里が春花に提案すれば、みのりは乗り気になって二人を誘う。
ただでさえ最近は春花との接点が無いので少しでも接点を増やしたいと言う思惑と、素直に仲の良い皆でゲームを楽しみたいという気持ちがある。比率は春花との接点の方が若干重いけれど。
「うん。良いと思うよ」
「なら、帰ったら調べてみましょうか。因みにだけど、みのりのパソコンはいくらくらいしたわけ?」
「え、えーっと、確か……これくらい?」
言って、みのりは手のひらを二人に見せる。
「……一応聞くけど、本数の十倍って事で良いのよね?」
「う、うん。結構、値は張りました……」
金額を聞いて、朱里と春花は改めてパソコンを見やる。
「あれが、そんなにするのね……」
「凄いね」
「アンタ、お金は大丈夫? 流石にぽんっと出せる金額じゃ無いわよね」
「ちゃんと貯金はしてるから大丈夫だよ」
「あ、で、でも、もっと安い物もあるみたいだよ。わたしは詩ちゃんのおすすめをそのまま買ったけど」
「じゃあ、詳しい話は詩に聞きましょうか」
「うん」
皆とゲームはしたいけれど、流石に流れで買える程の額ではない。一応、二人共かなり稼いでいる方だけれど、金銭感覚を狂わせたくはないので節制は心がけているのだ。
殉職率が高い事と、年齢に見合わない大金を手にして金銭感覚が狂ってしまう者も一定数いるけれど、童話の魔法少女達はそこらへんの感覚はしっかりしている。
「そう考えると、デスク周りはかなりおしゃれよね。物も少ないし、色の統一感もあるし。パソコン買うなら参考になるんじゃない?」
「うん。凄く綺麗で良いと思う」
朱里の言う通り、物が多くないので春花の好みの見た目をしている。
「え、えへへ。ありがとう」
二人に褒められ、照れたように笑うみのり。
その後はお茶とお菓子を食べながら少しお喋りをしてから、指出家を後にした。
「ふ、ふふふ……こ、これで、有栖川くんが使ったコップと、有栖川くんが使ったクッションが手に入ったよ。み、ミッションコンプリート!! いぃやった~!!」
二人が帰った後に自身の部屋で狂喜乱舞するみのりが居たらしいけれど、それはまた別のお話。




