↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

104/106

第58話「コンカフェに行こう(その1)」

「『ヘリオガバルス』……?」


「はい。今一番勢いのある男の娘コンカフェだそうで」



 「好きそうですし、お二人に差し上げます」と甘神ちゃんがくれたのはコンカフェの優待券。


 しかも一番人気の子をタダで指名できるという特大のおまけ付き。


 なんでもPCパーツ探しの際にたまたま手に入れたらしい。



「名前の業が深いね」


「うん。てか……わたし、変な予感するかも」


「悪い予感?」


「いや、だから、変な予感」


「じゃあ大丈夫。行ってみよ、楽しそうだし」


「いいけど……じゃあ、いつ行く?」


「帰り」


「思い立ったが吉日ってやつ?」


「その日以降は全て凶日ってやつ」


「ああトリコの方」



◇◇◇



「電車に貼ってある広告見るとさ、笑っちゃうんだよね。「うわ、こんなの買うやついるんだ」って」


「これが私のセリフじゃないことあるんだね、白山くん」



 電車に乗ること数十分。


 お目当ての駅で降りたところで、「あれ?」と黑谷ちゃんが首を傾げた。



「ねぇあれ、駕籠野先輩じゃない?」


「あ、ほんとだ。NoMAちゃん先輩何してんだろ?」


「ストーカーする?」


「ストーカーする!」



 ということで本来の目的からは一旦離れ、仕事帰りと思わしきNoMAちゃん先輩のストーキングへ……のはずだったんだけど、



「あれ?」


「あれれ?」


「あれれれ?」



 おかしい。


 一向に本来の目的から離れない。


 NoMAちゃん先輩の行く足取りはGoogleくんが示すコンカフェへの道のりとぴったし重なっており、顔を見合わせるわたしと黑谷ちゃんの脳裏には先程の変な予感がよぎる。


 しかし不自然なくらい気づかないNoMAちゃんはそのままお店の入ったビルの中へ。


 そして彼女がエレベーターに乗った瞬間、『ヘリオガバルス』という表記のある4Fへ階段で猛ダッシュ……する予定だったけど、わたしの身体と黑谷ちゃんの運動性能を鑑みた結果どう考えても無理があるということで次のエレベーターを待つことに。


 ……そろそろ、買い替えないとかな……



「不満そうだね、白山くん。せっかく私がサイズ大きくて可愛いのがあるお店がある世界にしてあげてるのに」


「いや、それはありがたいんだけどさ……ほら、そういうお店でも、わたしオーダーメイドだから……」


「……? そっちの方が興奮しない?」


「観測者視点が過ぎるって黑谷ちゃん」


「いいじゃんこれくらい。肩こりは全部取り除いてあげてるんだから」


「いや、確かに前評判ほどじゃないなとは思ってたけど黑谷ちゃんの恩恵だったんだ……」


「ついでに足元見えなくても転ばないようにもしてるよ」


「そんな初心者アシストみたいな機能もあるんだ、魔法……」


「まあこんだけデカけりゃね」


「ちょっ、急に触んないでよ!?」


「あら、随分と楽しそうね」


「ほらほら、これが本物の爆乳というやつですよ駕籠野先ぱ──あ、ヤバ」



 黑谷ちゃんがわたしの胸に手を回していたところでエレベーターの扉が開くと、そこには呆れ顔のNoMAちゃん先輩が。



「先に言っとくけど、アタシにその程度の備考は通用しないわよ。シャーロック・ホームズの1人や2人、連れてきてからになさい。……ついでにだけど、何食ったらそんなサイズになるの?」


「えっと……ヨーグルトとか……?」


「あー……そういう感じね」


「待って、別に隠語とかじゃなくて」


「……! 白山くん白山くん、今度胸元にヨーグルト零した写真とか撮ろうよ」


「黑谷ちゃん?」


「まあそれはいいとして……よく考えたらなんで先輩がコンカフェなんか来てるんですか? しかも男の娘趣味の──」


「……あ、待って、そういうこと!?」


「気付いたみたいね。それじゃ行くわよ」



 伊達メガネにチャームポイントのツインテールは封印中のお忍びNoMAちゃん先輩は髪をなびかせながらドアの開いた店の中へ入っていった。



「あ、いらっしゃいま──」


「来てやったわよ、イツキ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。