19/20
光
朝日が、心の奥まで差し込むような瞬間。
早朝、通勤途中の街角で立ち止まる。
空は淡いオレンジに染まり、光が街を柔らかく照らしている。
息を吸う。
深く、静かに。
昨日までの痛みが、少しずつ和らいでいくのを感じる。
ふと、彼女の笑顔が胸に浮かぶ。
思い出は、まだ胸の奥にある。
でも、悲しみは重くない。
むしろ、歩む力に変わっていく感覚がある。
光に向かって歩き出す。
一歩、また一歩。
街の音、風の匂い、すべてが現実を伝える。
その現実の中で、私は確かに生きている。
「今日も、進める」
小さく心の中でつぶやく。
光の中で、胸の奥に少しだけ温かさが広がる。
世界は変わらない。
でも、私の心は、確かに動き始めている。




