中等部編3
現在、アルファポリス様にて「悪役になったら、弟破滅!?」の別バージョンを投稿しております。
幼少期編は多少の差ですが、初等部編より大きく話が変わってきます。また、アルファポリス様のみ「悪役になったら~」の小話もございます。
ご興味のある方は、なろう様との違いも楽しんで頂けたら嬉しいです<(_ _*)>
「何というか、強烈だったわね」
入学式終了後、カトリーナの呟きに私とイザベラは深く頷いた。
「結び付きを強くするって言ってたわね」
「レオナルド様との婚姻関係を行く行くは結ぶことを指してらっしゃるのかしら……。だから、私は今でも2位ってことなのね」
「それは、関係ないんじゃないかなー。
ブロッサム王国と今以上に結び付きを強くするメリットってなんだと思う?正直、シュテルンビルトはブロッサム王国の力を借りる必要なんてないじゃない。
むしろ、ブロッサム側がこっちの新しい技術や商品を求めてるように思えるんだけど」
少し落ち込んでいたように話していたイザベラだが、私の言葉を聞いて驚いたようにこっちを見た。それは、カトリーナも同じで……。
「つい忘れてしまうけれど、アリアは頭が良ろしかったわね」
「社交界のことは、からっきしなのにね」
くすくすと顔を見合わせて笑う二人に、私はわざと頬を膨らませて見せた。
「二人とも、ほんっとうに一言余計なんだから」
勿論、文句を言うのも忘れない。
「でも、何で結び付き……なんて言ったんだろう」
3人で首を捻っていると、後ろからポンッと肩を叩かれた。
「ジンス!!」
振り向けば大好きな人がいて、思わず笑顔になる。けれど、すぐにその気持ちは萎んでしまった。
ジンスは今日から寮へと戻ってしまうのだ。理由を聞いても、寮へと戻るまでは教えられないの一点張り。寂しいのは、私だけなのだろうか……。
「なに変な顔してんだよ?」
そう言いながら頭をポンポンされる。
うっ……うれしくなんか…………嬉しくなんか…………。
うわーーん。やっぱり、嬉しいよー。
何か、こういうところがずるいと思う。
一人悶々としていれば、いつの間にか仲良しメンバーが再び大集合していた。
「…………ジンス、これから君のことを師匠と呼ばせて頂きたい」
「はぁ?何言ってんだ?」
「天然たらしだな」
「僕もフランに同感かな」
上からプリオス、ジンス、フランチェス、レオナルドがいつもの調子で話している。
「確かに、ジンスさんってたらしって言葉がピッタリよね」
「それなのに、プリオスとはどこが違うのかしら……」
「女性限定ってところじゃないの?」
「カトリーナったら、相も変わらずお兄様に対して辛辣ね」
そこにカトリーナとイザベラも加わって、いつもの雰囲気になる。
うん。これだよ、これ!!皆といると楽しくって、何でも乗り越えられる気がするんだよ。
だから、きっと大丈夫。私の不安なんて大したものじゃない。
そう思った矢先ーーー
「レオナルド!!探しちゃったんだから……」
甘ったるい香りに甘ったるい口調でやって来て、噂の姫君はするりとレオくんの腕に手を絡めた。
「王女、何故ここに?」
「何故って、レオナルドといるために決まっているでしょう?」
絡められた手を外そうとレオくんがすれば、ギュッと胸に押し当ててマリーアント王女は妖艶に笑う。
見た目は儚げなのに、何とも色気のあるお姫様である。元祖お色気担当のカトリーナを遥かに凌ぐセクシーっぷりだ。
そんなセクシー王女様ことマリーアント・ブロッサムは、私達にちらりと視線を向け、カトリーナを見て固まった。