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灼熱の冬  作者: 紫丁香
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意識の外

全ては「意(イ)」のままに。


「意(イ)」は、「理(ことわり)」を作る。

「理(ことわり)」は、世を造る。


「理(ことわり)」を知れ。

それが「意思」と成る。


「意思」を揺るがすな。

それが「結果」を定める。


「意士気(イシキ)」を高めよ。

それが「否定」を滅す。


「意度(イド)」を上げよ。

それが「限界」を滅す。



結果を望め。


……………………


望んだとて、

吸血鬼の心臓は抜けません。


望んだとて、

不思議な術は使えません。



然り。


と、先生は言う。


「精進せねばな」



今 俺は、


寝観音の 中で 、

座禅を組んでいる。


間違いじゃない。


寝観音の「中」である。


人が住めるほどデカい と、

思ってはいたけど、


まさか 中が修行場だとは…


なんなの この、

ド派手な道場。


仏像だらけ。



津曲神社の一件で、

レクチャーが必要と判断された。


異能の使い方が 下手だと…


「肝を冷やしたぞ」


“「界」を解いてよいぞ。”


なんて カッコつけてたけど、

内心ドキドキだったらしい。


俺は バリアを張った時、

「自分たち以外」を、

「あちら」と設定したんだ と。


意味としては、

「無用」と判断した事になる、

の だという。


何が 起こるかというと、

「骸骨」を「消滅」させたように、

「自分たち」以外を…あわわ。


「できるか どうかは わからん」

「オヌシの『意度』次第だ」


「『世界』を消せるのか?」


「できるか どうか を、」

「試せるわけがない」


そりゃそうです。

そんな事 した覚えありません。


「してたんだ」


「オヌシに、」

「『異能』を教えることの、」

「悪い面が 出てしまった」


無意識で発動する「界」は、

まるで 精密機械のように、


不必要なものを、

排除してるらしい。


俺の 都合に合わせて。


意識したら ポンコツになるって…


orz


「オヌシの異能と、」

「融合した護符もな」


「剥がしたところで、」

「本来は 開かない」


へ?


「オヌシが『所有』してるからな」


意味 わかりません。


山田さん、

飛び込んで行きました、

けど?


「意味を教えて よいものやら…」


「知ってほしいのは、」

「『視界』の方だな」


あ 話逸らした。


「千歳殿が視界を開いた とか?」


「はい 助かりました」


「千歳殿の異能は『共感』だ」


だそうですね。


「千歳殿が見ている視界を、」

「オヌシに『共感』させた ということだ」


だ…そうですね。


「画面共有とは違う」

「千歳殿の見ている映像を、」

「そのまま送ったわけではない」


「オヌシにも表示する機能があった」

「ただ、有効になっておらんかった」


「千歳殿は、それを有効にした」

「機能を追加したわけではない」


全然 わかりません…


この人、

元 IT戦士だった…


平たく言うと、

俺は元々見えるから、


千歳が「共感」で、

使い方教えてくれた と?


「概ね そうだ」


説明が わかりやすくねぇ…


…あんなもの 見えませんけど?


「オヌシが、」

「目を瞑ってるからだ」


また わからないことを、

言われたんですけど…


「知る のも怖い」

「知らせぬ のも困る」

「はて どうしたものよのう…」


匙 投げかけてません?


話題を変えてみる。


「先生達の 術とか 格闘技とか、」

「それも『意』とやらの習得?」


「最初に教えたであろう」


わかるか あんなもん。


「結果を導けるよう、」

「『意度』を上げるのだ」


教える気 あるのか?

この人。


「修行ということは、」

「俺にも使えるようになれと?」


「できるに越したことはないが…」

「まずは 己を知るべきだ」


「生半可に教えても、」

「大惨事にしか ならなそうだ」


「瞑想せよ」


と言って、

先生は出て行った。


逃げた?


まぁ、素直に目を閉じてみる。



つい、

千歳のことを考える。


長年 一緒にいたけど、

千歳の「異能」なんて知らなかった。


たまに スピったこと言うなとは、

思ってたけどね。


あれ チートだろう。


なんだったら、

他人を操れるとか……


それ、


「感染者」のそれと 違うのか?


そりゃ コウモリになったりは、

しないんだろうけど、


人外の能力という意味では、


変わらない……


俺も………


……………………


叩かれた。

なんか板で叩かれた。


「喝」


それ、

そんなイケボで、

呟くような言葉じゃない。


「少しは 身になったか?」


「ハテナしか 出てきません」


「『意識の外』を発揮するでない」

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