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第12章命を刻む刃

轟音と閃光が交錯し、崩壊する闇の舞台。

大地は裂け、空気は焦げつき、息を吸うことすら痛みを伴う。


カイは深く息を吐き、手の中の剣を見つめた。

その剣はもう、彼を守るものではない。

――守るために斬るのではなく、命を削ってでも届かせる一撃を。


「……ありがとう、相棒。ここまでだ」


彼は剣を地に落とし、血と魔力を混ぜた刃を掌に創り出す。

それは肉体を蝕む、捨て身の剣。振るうたびに寿命を削り取られる。

だが、迷いはなかった。


闇の奔流が襲いかかる、その瞬間。


「カイッ!」


セラが前に飛び出した。

巨躯を震わせ、仲間を庇うために盾を構える。

だがその盾は粉砕され、セラの身体を直撃する衝撃が走った。


「ぐっ……まだ、倒れるわけには……!」


血を吐きながらも踏みとどまり、彼はただ一つの願いを叫ぶ。

「みんなを――守れえええええっ!」


その背中を見たリィナの足が止まった。

――あの日、自分は逃げた。

仲間を置いて、ただ生き延びるために。

臆病で、無力で、情けなくて。


だが今は違う。


「私は……もう、逃げない!」


炎を纏った刃を掲げ、リィナは真っ先に飛び出した。

闇を裂き、敵の中心へと突き進む。

恐怖も後悔もすべて炎に変えて。


カイの捨て身の剣と、セラの献身の盾、リィナの決死の突撃。

三つの意志が重なり合い、闇の巨影に挑みかかる。


爆発のような衝突が響き、光と闇が拮抗する。

砕け散る魔力の中で――カイの心臓が凍り付くような痛みに襲われた。

命を削る刃は、確実に彼を死へと近づけている。


それでも彼は叫ぶ。


「ここで――終わらせるッ!」


剣を振るう度に、命の炎が削れていく。

だがその一撃が、仲間の未来を切り拓くと信じて。


――最後の、決戦の幕が上がった。


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