第10章光の余韻と静寂の刻
闇の主は倒れたわけではない。だが、リィナが放った光の紋章によって、動きを封じられた。
その封印は完璧ではなく、維持できる時間は限られていた——約半年。
カイとセラは、息を整えながらリィナの側に駆け寄る。
傷だらけのリィナは意識を取り戻し、弱々しい笑みを浮かべた。
「……よく生き延びたね、二人とも」
その声はかすれ、まだ力の大半を失っていた。
だが、胸の奥には戦う意志が残っている。
黒衣の関係者――リィナの旧友であり、戦闘の達人でもある人物——が近づき、二人に告げる。
「今は安全な場所に移動する。半年の間、この封印を維持することができる。だが、その間に準備をしなければならない」
リィナはゆっくりと頷く。
「私の傷を癒す……そして、再び立つための時間。カイ、セラ、この間にあなたたちも力を磨くのよ」
二人は無言で頷く。
半年の間、ただ逃げるだけではなく、主を完全に倒す方法を模索し、戦力を強化する時間が与えられたのだ。
封印を維持するための光の紋章はリィナが管理し、黒衣の関係者が戦闘訓練や戦術を二人に伝授する。
小さな修行場で、夜ごと剣を振るい、魔法や防御術を磨く日々が始まった。
時には失敗し、血を流し、膝をつくこともあった。だが、リィナの回復と共に、少しずつ二人は力を増していった。
「半年の間に、必ず主を倒す力を手に入れる……」
カイは心に誓う。
セラもまた、鋭い目で拳を握りしめた。
森に光る紋章の光と、闇を封じる力の余韻の中で、三人の絆は確かに深まっていく。
そして、やがて訪れる最終決戦の時に向けて、希望と覚悟を胸に刻んでいった。




