5.エドワード
すべての人の面談が終わり、一息ついていたとき、
「もう一度エドワードを呼ぶよ。あれは事情があるからね。」
慎二くんがそう言うと、メイドのメアリーに指示を伝えた。
少しして、家令と供にエドワードと、その母親がやってきた。
『事情は誰までが知っているのだ?』
家令のセバスは、少し驚いた様子を見せた後、
『私と執事長夫妻だけです。』
『執事長らは執事夫妻に話していない保証はあるのか?』
『はい、この事情は命に関わります。知らない方が幸せなのは理解していると存じます。』
『なんとなくでも、疑っている者はいないか?』
『可能性で言えば、放逐したジルです。ですが言えないでしょう。』
『そうか、それでエドワードは知っているのか?』
慎二くんとセバスのやり取りの最中、エドワードはきょとんとしていて、母親は俯いていた。何の話?事前に教えておいてよ。セバスがなかなか答えないので、私はエドワードの母親に話し掛けた。
『ユーリさんだったわね。貴女、私のメイドになってくれないかしら。』
『かしこまりました。』
あら、即答。少し驚いていると、慎二くんが、
「命令されたら断れないよ。」
そうか、私のお願いはここでは命令に変換されるのね。慣れないなー。
『明日からお願いね。セバス、執事長に伝えておいて。』
セバスが了承していると、慎二くんが
『それで、知っているのか?』
と重ねて尋ねた。
『知りません。』
『そうか。それでは明日からエドワードは私の従僕とする。その準備も合わせてせよ。』
『かしこまりました。』
「エドワードは王の落とし種だよ。」
王子だったの?やっぱり事前に教えておいてよー。
登場人物
エドワード(・サイベリアン :従僕、王の隠し子
ユーリ :エドワードの母




