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ラドヴィクス皇国物語2
ーどうして そんなに 悲しい顔をするのですか?
微笑って(わらって)ください。
僕は、あなたの微笑みが好きなんです。
僕の命の炎が燃え尽きるそのときまで、
あなたの その微笑みを この瞳に映していたいから。
あの人が 久遠の世界に旅立つ前、
禁忌を犯し 契りを かわした。
夢の世界の安寧を司る役目がある以上 この世界から長時間離れると 混乱を招いてしまう。
それは、夜の世界の安寧を守るティーナが かつて起こした 前例のように。
“闇”は、私が 結界を張っている以上 夢の世界に侵入できなかった。
でも あのときーあの人の 旅立ちを見送ったときー 結界に綻びが生じてしまった。
綻びを生みだしたばかりか、予期せぬ命まで 授かってしまった。
せめてもの救いは、愛しき我が子を 同じ苦しみを味わった友に 預けることができたこと。
あのこと別れたとき、私の心は 壊れてしまった。
感情は枯れ、仮面のような顔立ちとなり ただ 淡々と 役目を果たし続けた。
そうして、
どのくらい 時をかさねただろう。
そうして、見つけた。
私の 愛しき 赤ちゃん。
もう、離さない!!
その時から、眠りの世界に 異変が起こりはじめたのである。




