第二話
「それでは魔王様、張り切って参りましょう」
「うん……」
「じゃあ、ネクロマンサーは? 婚活?」
「おお! 流石は魔王様! ご名答でございます! 魔王軍幹部『移ろわぬ屍霊使い』ネクロマンサー様ですが……」
「ですが?」
「ご本人主催の大婚活パーティーに昨夜から出席されております」
「はぁあぁ。 まあね。あいつも良い歳だからね、婚活応援したい気持ちは分かるけどさ、会議サボっちゃダメだよ」
「ネクロマンサー様曰く、もう男なら何でもいい、だそうです」
「僕が主催した蜘蛛男とのお見合い断ってた頃の方がまだ良かったかな……」
「つづきまして」
「はい」
「魔王軍幹部『悪魔公爵』 アスタロト様ですが……」
「ですが?」
「領地が寒波に見舞われ大不作だそうで、領民の生活保護に奔走されておられるそうです」
「それは大変だ! 良くはないけど、真面目な理由でまだ良かったよ!」
「アスタロト様曰く、領民なんて皆飢え死にしてしまえばいいのに、だそうです」
「悪魔かあいつは! いや、悪魔なんだけど……」
「そうだ! 僕の娘は? あいつは必ず来てくれると信じてたのに!」
「魔王軍幹部『魔王の娘』リリー様ですが……」
「ですが?」
「現在私のベッドで眠っています」
「洒落になんねぇ! え、なに!? 僕の娘に手出したの!?」
「冗談でございます」
「あ、良かった、ビックリしたぁ。まだ孫の顔みる覚悟はできてないよ。それより君ねぇ、タチの悪い冗談はやめてよ」
「申し訳ありません。以後気をつけます」
「はぁ、冗談で良かったぁ。冗談……だよね」
「魔王軍幹部『魔王の娘』リリー様は、現在、近所の子供たちとサッカーに勤しんでおられます」
「遊びにいってるのか。まだまだ子供だね。でも、近所の子供ってどこの子?」
「はい。王都アウトラストの平民の子供達のようですね。なんでも隣町の子供達と公園の使用権を賭けた勝負なのだとか」
「いや、それ人間の子供じゃん! これから戦おうって相手だよ!?」
「リリー様曰く、人間界侵略なんてダサい、だそうです」
「ええ、そんなぁ」
「以上が今回魔王軍幹部の皆様が会議を欠席された理由となります」
「うん。思ったより下らなくて安心感と絶望感両方を味わったよ」
「そうでしたか」
「そうだ! まだ君の欠席理由を聞いてないな。なんで出席してくれなかったの?」
「それはですね……」
「ですね?」
「昨日、また面白いネトゲを見つけまして、実は徹夜なんですよ。さっきからもう眠くて眠くて」
「ま……!」
「ま?」
「魔王軍最強の魔術師がネトゲすんなー!!」
こうして、今日も世界の平和が保たれる。




