佐都子ちゃん奪還作戦6
ゴーンッ ゴーンッ
辺り一面に響き渡る食事の合図である鐘の音。
俺自信にも、他の人々に対しても食事を知らせる音であることに変わりは無いはずだ。
しかし、俺にはこの鐘の音は重く体を震えさせ、ズシンッと体の奥底に響き渡った。
俺「この人が‥‥正人‥‥」
理解できるはずが無かった。
岸和田さんの話では正人は自分勝手で実の娘である佐都子を虐げていると聞いたからである。
しかし、実際は赤の他人である子を助けようとする誠実な男性のように見える。
そして、岸和田が言っていた名字が一緒という点も食い違っている。
俺「ということは岸和田は嘘をついている?」
俺の中で1つの疑問が生じた。
今までは岸和田の話だけを聞いていたが正人の話を聞いて双方の言葉が聞けた。
ならばさらに正人の話を聞き、2人の真実を結びつけ本当の真実を探りだそうと考えた。
俺「よし、それならばここは正人にさらに問いただしてみよう。」
そう考え、いざおれが思っている岸和田を知っているかという疑問を聞いてみようとした時
柴田「分かりました。質問に答えていただきありがとうございます。質問は以上です。お気をつけてお帰りください。」
柴田は締めをくくり、話を終わらせた。
そこで、正人も当然
正人「あぁそうですか?ではまた何処かで。」
と言って気持ち悪そうにその場から離れてしまった。
俺「なぜ、正人を帰したんだ?あそこでさらに質問するべじゃないのか?」
当然このあとも質問の嵐をぶつける気でいた俺は反発した。
柴田「良いか?大事なのは対人関係だ。こちらの私利私欲のためだけに動いていると相手は答えてくれない。ならばまずは協力する相手との対人関係を築き上げるのが先決だろう。しかも正人の情報も俺がちゃんと持っている。気持ちは分かるがそう焦るな。」
柴田はそういうとズボンの右ポケットから財布を出した。
柴田「確かにお前が早く真相を突き止めたいという気持ちは分かる。しかし、今はまだ情報が足りなさすぎる。ではこのようなときどうしたら良いか?‥‥お前ならもう知っているはずだ。」
俺「俺が知っている‥‥?」
俺はこの世界に来て、何一つ行動しても、させられてもいない。
しかし、この世界で生きていく知識を教えてもらったことならある。それは柴田と‥‥‥‥アッ近藤さん!
そう俺は先ほど近藤さんに言われたばかりである。
「疑わしきは黒」だと
俺「行こう。岸和田の家に。」
柴田は俺の返事を聞いて真意が分かったようだった。
柴田「そうだ、それでいい。」
そして、また俺達はもと来た道を歩き出す。
来る前の空は昼のように明るかったが今の空は無意識か夏の午前1時のような明るさだった。




