71 四次元のボーイフレンド(4)フォレスチエの後悔
「卑劣なのはどっちよ。私の大事なボーイフレンドを略奪しておいて」
「違う。誤解よ。話を聞いてちょうだい」
マグドリアの右手から緑色の魔法光線でできた鞭のような湾曲した細長いものが出てきて、彼女が腕を振ると、それに伴って鞭のようにプリンセスの体を激しく痛打しそうになったが、プリンセスはスンデのところで地面を転がって避けた。
それはかなり激しく地面を打ったので、砂利がいくつか吹き飛び、プリンセスの服に当たった。プリンセスの背中に何かが感じられたので、そちらを見ると、それは塀だった。もうこれ以上は後退りできない。
マグドリアは右手で握っている緑色の鞭を持ったまま再びおおきく振りかぶって激しく振り下ろした。それはプリンセスの顔を激しく打つかと思われた瞬間、そこに駆けつけたマーガレットの白い魔法光線が緑色の鞭を直撃し、鞭は少しだけそれてプリンセスの耳の近くに打ちつけられた。
「クソっ、誰だ、邪魔したのは? お、お前はプリンセスの妹のマーガレットじゃないか」
「お姉さんはあなたのボーイフレンドを奪ったりするような人じゃないわ。あなた、フォレスチエさんとちゃんと話をして確かめたの?」
「私は昨日いきなり別れようと言われた。それではっきり分かったんだ。プリンセスが原因だって。なぜならこちらの世界に来るまではラブラブだったのに、あんたたちに会ったら急に態度が変わったんだから」
マーガレットは今度は白い魔法光線をマグドリアに向かって放ったが、簡単に片手で振り切られてしまった。自分の魔法が全く通用しない相手だと悟ったマーガレットは走り出すと身をかがめ、プリンセスの体の上に覆いかぶさった。
「私のお姉ちゃんに手出しはさせないわ。さあ、鞭打つなら私を打ちなさい!」
「馬鹿な姉妹だ。二人とも痛い目に合わせてやる」
マグドリアは三度緑色の鞭を大きく振りかぶって激しく打ち下ろした。鞭がマーガレットの背中を痛打しかけた時、急に二人の前の空間が歪み、そこにフォレスチエが現れ、打ち据えられた緑の鞭は彼の胸を痛打した。激しい痛みに耐えかねながらも彼は叫んだ。
「マグドリア、彼女は何もしていない。本当なんだ。彼女につきあってくれって頼んだのは俺なんだ。もちろん拒否されたけどね。
俺が悪いんだ。俺はかわいい女の子を見るとすぐに声をかけたくなってしまう性分なんだ。だけどアグドリア、おまえがここまで嫉妬に苦しんでいるのを見て、おまえの気持ちが本気であることがようく分かった。
俺はもうこんなことはしないから、どうか許してくれ。俺を叩きたければ気が済むまで叩いてくれ。これからはマグドリアのことをもっともっと大切にするから!」
マグドリアは泣きながら叫んだ。
「フォレスチエ!」
そして二人はお互いに駆け寄ると抱き合いながら歪んだ空間の中に消えていった。




