61 学園祭(1) (空き缶バナー)
プリンセスの通う名門橘学園では生徒たちは学園祭の準備に大わらわであった。様々な模擬店、劇、展示など魅力的で多彩な企画が目白押しだった。
プリンセスのクラスは焼きそば喫茶を企画していた。大抵の学校では文化祭に焼きそば、お好み焼きなどは完成品をお店から仕入れて売るのであって、それでも十分に楽しいのだが、こちらの学園では女性の校長先生が元は家庭科の先生であり、しかも個人的に調理師免許及び保健衛生士の免許も持っていることもあり、校長が自ら出向いて保健所と何度も直談判をし、徹底した衛生管理をすることを条件に、特例中の特例として生徒が調理することを許可されていた。
プリンセスはクラスの他の生徒たちと一緒に実際に焼きそばを作る練習を連日やっていて、これが楽しくてたまらないのだった。
夜はいつものように湖底のシャトーでくつろいでいる。夕食はコパンのアネモネたちが作ってくれる日もあれば、プリンセスが腕をふるったり、マーガレットが失敗したりしながら作る日もあった。
その夜は学校で練習している焼きそばをプリンセスが作ってマーガレットと一緒に食べていた。
「どう、この焼きそばは?だいぶ腕が上達してきていると思うんだけど」
「ソースや生姜の量はちょうどいいと思うけど、何か足りなくない?」
「あっ、いけない。青のりを忘れていたわ」
「うん。とっても美味しいよ。学園祭本番も友達を誘って食べに行くからね」
「お姉ちゃん張り切って作るから楽しみにしててね。ところでマーガレットのクラスは何をやるんだっけ?」
「うちのクラスは環境問題に関心を持っている生徒が多いので、リサイクルを意識して空き缶を大量に集めて、それで大きなバナーを作って校舎の屋上から下げるの。
もちろんその巨大なバナーには環境問題を意識した絵と文字を表示するのよ。そのためにそれぞれの空き缶に黄色とか赤色とかの色を塗るんだけど、パソコンの得意な生徒がどの色がいくつ必要かを計算をしてみんなに指示したりするのよ」
「へー、すごい壮大な企画なのね」
「うん、ただ・・・」
「ただ、どうしたの?うまくいってないの?」




