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第二章 第4話 甦る痛み
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明日目が覚めないかもしれないと、何度も思った。
朝起きると、心の一部はほっとし、一部は今日一日どうやって生きればよいのだろうと途方に暮れ、一部は明日はどうなるか分からないと思い、これを後どれだけ繰り返すのだろうと、なんだが不思議な気持ちになった。
アミィはいつも敵意を向けられていた。唾を吐かれ、石を投げられて来た。
次第に絶望が深くなり、気力も体力も尽きて、最後は、ただ漫然と死を待っていた。
何も感じなかった。
涙も 何年も流したことがない。
マーガレットとラルクの明るい笑顔は、悲しかった。
アミィの知らない、屈託のない笑顔だった。
自分は、あの世界には加われない。
何年ぶりだろう。
アミィの頬に 涙が溢れた。




