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◇◇◇各章のあらすじと、人物紹介◇◇◇


第一章◇マーメイド・レイン◇

あらすじと人物紹介


 ヴィジリタス国を代表する月華真珠で身を起こした富豪ボーモン子爵の、一人娘の結婚式の晩。給仕係のサーラは深い悲しみにあった。彼女は父を子供の頃に失い、母親には疎まれて育った。それでも恋人が出来て、将来を誓い合っていたのに裏切られた。


 生きていく気力を失い、海で死のうと考えた時、「馬鹿なことを考えるな」と、ノアールと名乗る若者に止められる。彼の説得で自棄になっていたことを恥じたサーラだったが、子爵家の屋敷が火事になり仕事も失ってしまう。そのサーラにノアールは、自分の下で働かないかと声をかけてくる。給金も今までより良く、待遇も悪くない。そんなサーラに与えられた最初の仕事は、浜辺で泣くこと? だった。




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〇主人公サーラ。

18歳。灰色の髪(と、本人は思っているが銀髪)に紫の瞳を持つ。

10年前に父を亡くし、母親であるクラリーには嫌われている。ボーモン子爵家では給仕係をしていたが、母のせいで皆に良く思われていない。将来の約束をしていた恋人のフィエロは、母が育てたマリアナお嬢さまと結婚してしまった。


〇サーラの父ジグルド。

黒髪に紫の瞳を持つ美丈夫。嘆きの塔にいるメーラとは親しくしていて、彼女に会いに行くときはサーラも連れて行っていた。そこで目にしたものについては誰にも言わないようにと娘のサーラに言い含めていた。10年前嘆きの塔で起きた火事に巻き込まれて死亡した。気は優しく力持ちで下町の皆に好かれていた。




〇サーラの母クラリー。

亜麻色の髪に青い瞳。ボーモン子爵の娘の乳母。赤子であるサーラを夫のジグルドに押し付けて、ボーモン子爵家に行ったきり帰って来なかった。サーラを嫌い、辛い目に合わせる。自己中心的で娘のことなど気に掛けもしない。童顔で若い頃から異性に持てた。その為トラブルも多く下町の皆に嫌われている。



〇メーラさま。

銀髪に菫色の瞳を持つ美女。サーラの憧れの人。母親と縁の薄いサーラが慕っていた人。10年前の嘆きの塔で起きた火事で死亡した。



〇フィエロ。

金髪に青い瞳をした美男子。

サバント国のゴダード伯爵の弟の息子と称していた。恋人のサーラを振って、ボーモン子爵の娘と結婚した。彼には他人には話せない複雑な事情があって……。



〇ボーモン子爵。


月華真珠で財を成した。母クラリーとは以前から愛人関係にあったらしい。 



〇ノアール。

濃紺の髪に琥珀色の瞳を持つ美青年。

サーラが死のうとしたのを止めた上に、彼女がボーモン子爵が火事にあってショックで気を失った後、実家に運んでくれたり、甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる。サーラが仕事を失った時には自分のもとで働かないかと声をかけてくれて……。




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第二章◇緑青の夢◇


 ヴィジリタス国の王都メルヒュンでは、女王の日が開催されていた。女王の日とは、誕生祭とも呼ばれていて、この国の女王陛下アルテミシアさまの誕生日を祝う日。王都中がお祝いムード一色で、国内外から人が集まって来ていた。三日三晩続くお祭りに参加することを楽しみにしていたサーラ。初日にノアールと二人で屋台巡りをして帰ってくれば、女王護衛官を務めるアコダの妻が、陛下からの指令を携えてやってきた。「ノースデン山で12人の石工達が行方不明。それを調査せよ」誕生祭を楽しむどころではない。ノースデン山にアコダ夫妻と四人で向かうことになるが、そこで見たものは──?




〇アコダ。


サーラの伯父。父ジグルドの兄。黒髪に黒目をしている。ノアールの仕事の相棒兼用心棒。

サーラを実の娘のように可愛がってくれている。



〇カルロッタ。

ヴィジリタス国の女王陛下の護衛官をしている。生誕祭に女王陛下からある指令を持ってやってきた。



〇女王アルテミシア。

国家と婚姻したと言って未婚で即位した女王。金髪に青い目をした美女。

ノアールを、女王陛下直属の捜査官に任命した。ノアールは女王陛下やアイオライト公爵となにやら繋がりがあるようで……



〇アイオライト公爵。

ノースデン山を所有している大貴族。偉大な魔法使いでなかなか人前に姿を見せないせいで、大の人嫌いだと思われている。



〇リョクショウ。


ノースデン山の管理人を称する謎の美女。石工達が彼女に惚れて色々尽くしていたようだが……。






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第三章◇ガーゴイルの末裔◇


女王陛下のお茶会に招かれたサーラ。初めは断ろうと思っていたが、ノアールと参加することに。王宮に来てみてビックリ。女王陛下は質素な装いで迎えてくれた。普段から着飾ることを好まない陛下は、式典や行事以外では、動きやすい恰好でいるらしい。その陛下とすぐに気が合い、サーラは陛下にアイオライト公爵とのなれそめを聞いてみた。すると、これから話すことは絶対、口外しては駄目よと言われて……。



〇アーシア王女。

ノースデン山に住むと言われているガーゴイルの、生贄として育てられてきた王女。

20歳になったら死ぬことになっている。彼女の存在は秘されている。


〇ノクティス。

アーシアと出会った時には、ノースデン山の主と名乗っていた。

謎の多い人物。


〇宰相。

アーシア王女の亡き母(王妃)の弟。

世間から忘れられたように離宮で暮らすアーシアの元を訪れ、様子を気にかけてくれる。



〇アルテミシア王女。

アーシアの双子の片割れ。

王や、王子達には可愛がられているらしい。

甘やかされて育ったせいなのか、短絡的であまり深く考えない。


〇ネスワルド王子。

ヴィジリタス国の第一王子。

アーシアとアルテミシア王女の同腹の兄。

堅物で常に冷静だと思われているが実は……。


〇ルーディー王子。

ヴィジリタス国の第二王子。

母親は亡き前王妃の侍女。忠義に厚い母親だった。


〇ウィルマー王子。

ヴィジリタス国の第三王子。

現王妃の息子。母親に溺愛されている。


〇フルバード王子。

ヴィジリタス国の第四王子。

現王妃の息子だが、母親の王妃には嫌われている。

つかみどころのない性格で浮世ばなれしている。


〇ハバル王子。

ヴィジリタス国の第五王子。

寵妃の息子。兄王子達を慕っている。

素直でまっすぐな性質。


〇ヴィジリタス国王。

妻たちが自分の息子を次期王にしようと、争っているのを知りながら放置していた人。

王子達には誰が王になっても良いように、帝王教育を施してはいたが……。




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