26話 給与制度
ウェイバー庄界隈では給料は週払いか日払いが普通なんだそうな。
理由としては、一カ月ごとに大金をもらっても庶民には預ける場所がないから、週ごとに小分けにしてもらった方が便利というもの。
まずこの世界には銀行というのがない。
では庶民は現金をどうしているか。
まず都会なら店を構えている商会に投資や運用という形で預けたり、証券や株式、国が発行する国債に変えると言った手があるそうだ。
しかしウェイバー庄みたいな田舎では親方様のような貴族や豪商といった上客に対して、商会から人がやってくる程度。
庶民に対しては村の集会所に二月か三ヶ月に一回御用聞き(遠隔地の顧客にサービスを提供する営業マンだ。行商かと思ったがそれとは違うらしい)が来て資金の受け渡しや預かりをする程度で便利がいいとは言えない。
そのほかの方法として貴金属や金貨に変えて床下や金庫に保管する方法もあるが、これはさすがに不用心。それに田舎だと貴金属も買いに出かけために都会まで行く必要がある
こういった事情は雇い主である親方様も同じ。
銀行に振り込んでおくという制度はないから現金で渡すのが基本。なので給料日には結構な額を扱う必要があり、商会に持ってこさせるにも警護などに金がかかる。
そのほかの理由として日用品を買うにしても保管技術が発達していないから買い溜めということができないこともある。
長くても三日ごとに買い物に行くことになるのだ。
こういった事情があるため、一か月後に大金を貰うより週払い、日払いで細かく資金を貰い、日用品を購入して手元の金を減らす。そして減らした分を家の金庫なりに保管して定期的にやってくる商会に預けるなり貴金属に変えて保管するなりという流れができてるんだそうだ。
また、支払いに合わせて家賃や各種請求も週払いになっている。だから大体みんな週払いに合わせる。
なぜそんな話をしたかといえば、僕はその例外、雇われた日が中途半端だったのと手続きで時間がかかったということで、最初の給料を月払いとしてもらったからだ。




