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第六話 ごとうち3
「……やっぱり開けたか」
数秒後、少女の手の中には開けられた缶が収まっていた。
中には銀色に輝く袋が入っている。
「あ、文字書いてる」
袋を取り出した少女が言った。
太陽光を反射してちかちか光る。
その袋の表面には『宇宙』とだけ、文字がかかれていた。
少年は意味が分からないものを見たかのように首を傾けた。
「宇宙? 宇宙食みたいなやつか?」
「さあ? それなら最初っから宇宙食みたいに書くんじゃない?」
「そうだよな」
二人して考え込む。
数分間経っても答えは出ない。
「まあ、食べて見よっか」
「……そうだな」
袋が、ぴーっと破かれた。
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