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第十四話 ゆめ
「何があったんだろうね。この世界」
もう何度聞いたかわからない少女の言ったその言葉に、少年は首を捻る。
「たぶん、最後に人がいたときからだいぶ時間経ってるな」
いつもなら、ここで会話は終わっていた。
同じ会話ルーチンで少しの暇を潰して、またいつものように歩くだけだった。
そう、いつもであれば。
少女はたっ、と少年の腕から飛び降りる。
「ならさ」
赤色の日差しが白い髪を紅に濡らす。
純粋な疑問を、少年ですら一度は考えた疑問を、言う。
「私たちが小さい時にみたあの世界は、夢だったのかな?」
ちょうど、夕陽がその姿を完全に隠した。
この後は、暗くなっていくだけだ。




