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13の理論  作者: 安藤真司
13/21

デートプラン

朝、普段通りの時間に静音は学校へ行く体で家を出た。

その後少しして、琴音も大学へと向かった。

俺はまたそれから十分ほど待ち、琴音が帰ってこないのを確認してから家を出て、待ち合わせ場所のコンビニへ向かった。

コンビニの中で、静音は何か雑誌を読んで待っていた。

ふむ。

手にしている雑誌はなにやら、『もう自分の体にコンプレックスは持たない!女性のためのエステ特集』とかいう、なんだ、すごーく胡散臭いものだった。

うん。

どうせ胸だろ。

努めていつものように俺は静音に挨拶をする。


「おいっす、おはよう」

「おいっすってなに……」

「とりあえず出るか?」

「ん」


コンビニを出て、なんとなく静音が歩き出す方向に俺も並んでいく。

しばらく静音が口を開く素振りもなかったので、こちらから一応雑談を振ってみる。


「そういえば本なんか読んでも胸は大きくならんぞ?」

「っってめっ!?」


急に真っ赤になる静音が渾身の一打を俺に浴びせようとしてくるが、それを華麗に避け、俺は言葉を繋ぐ。


「まぁ待て。これは俺の持論ではなく、あの13から聞いた話なんだけどな」


ぴたりと静音の動きが止まる。

よし、聞く耳を持ったな。


「なに、13さん?」

「そうだ。胸というものはだな、まぁいわゆる性に関連する部位なだけあってホルモンが深く関わっているそうだ。つまりただ揉めばいいわけではなく、異性に揉んでもらわなければ意味が無いそうだ」

「なん……だと!?」

「わかったか、いくら静音が琴音さんと胸を揉み合いっこしようと、その胸は小さいままというわけだ」

「じゃ、じゃあ、私はどうすればっ!?」

「やはり男に揉んでもらうしかあるまい。だが、静音って彼氏はいないんだろ?仕方ない、俺が手伝ってやろう、俺なら二つ年下のあってないような胸を揉んだくらいで発情する心配も無いことだし」

「くっ、確かに胸は高校生活を最後に発達することが無いって言われてたわ……背に腹は変えられないってわけか……なら柴山、あなたにお願いしても構わないかしら?」

「当たり前だろ俺と静音の仲じゃないか。俺はいつだって静音の味方さ」

「そう。それなら良かった――」


――という夢を見た。


「……ええと、あれ?」


静音が心配そうに俺のことを見てくる。


「大丈夫?思ったよりも強く殴……頭を打ったみたいだった」


なんでもコンビニのライトがたまたま落ちてきてたまたま俺の頭部にぶつかりたまたま気を失った俺をたまたますぐ近くにあった公園のたまたま空いていたベンチに寝かせたところだという。

あれ、なんか文脈飛んでない?という気もするが、俺も頭がずきずきするのでいまいち考えが纏まらない。

静音をあれやこれやとからかった記憶があるように思うんだけど……コンビニから出てもいないんだっけ。

心なしか頭を打つ以前の記憶に改変が起きている気がするが、頭って重要な部分だからな。

避難時には頭をまず隠せって言うくらいだし、そういう記憶の混乱が起きてもおかしくはないのかもしれない。


「ほら、水」

「あぁ、さんきゅ」

ほどよく冷たい水が喉を潤す。

少し落ち着いたかな。

「そうだし静音、今日の用件って結局なんなんだ?」

「ん、とりあえず映画館行く。観たいのがあるから」

「え、うん?映画?」

「いーから黙って付いて来る」

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