フラグメント1
「あなたは……誰?」
「ん、俺か?俺は泣く子も黙る超変態、我が頭脳たる柴山ゆっきーの手足さ。それ以上にもそれ以下にも定義不可能だ」
「お願いがあります」
「内容によるな。いいぜ、聞かせろ」
「―――――」
「ふーん。あんまり面白くねぇ願いだなぁ。言っとくけど俺って基本的になんでも出来るぜ?もっとわがまま言っても構わないんだが」
「ううん、これで、いいの。これが私の願いだから」
「あーそうなん?まぁいいけどよ。一応もう一つ聞いとくが、この後あんたはどうするつもりだ?死ぬの?」
「……今、あなたに命を拾ってもらったばかりだから……そうだね、今までどおり、ちゃんと生きていくよ」
「そりゃ良かった死ぬつもりだったら手伝うわけにゃいかねぇかんなー。あ、ちなみに今助けたのはおまけな」
「はい、わかってます、ありがとうございます」
「ははっ、しっかし面白ぇよなぁ、どいつもこいつも皆同じこといいやがる。恋愛ってのはそんなに楽しいものなのかい?」
「楽しい、っていうか……いや、うん。楽しいんだよなきっと。その人を好きになって、その人に好きになって欲しくて、その人の気持ちが見え隠れして、たまに喜んで、たまに傷ついて、相手も自分を好きでいてくれたら、なんて冀って。もしそれが成就したら、それは、他の何においても感じるのことのできない、言葉にもできない、その瞬間のみ味わえる唯一で無二の心を手に入れることができる。だから――」
「だから?」
「片思いしてるときが一番楽しいのかもしれないね」
「冷めてんなーおい。途中までの流れ台無しじゃねーか」
「しょうがないよ、そんなもん、なんだよ、きっと」
「はっ、そうかよ、それならそれでもいいさ。さて、じゃー俺は行くぜ。あんたは、どうする?」
「私……は……私は、うん、私も、二人の所へ、行く」
「いいぜいいぜテンション上がってくるなぁ全く、ひっさびさに本気の本気で暴れられるぜ!!」
「……あの、駄目元でもう一つ頼んでも良いですか?」
「おう、なんだ?」
「……全部終わったら、私の恋人になってくれませんか?」
「あんたが元気を取り戻すまで、って期間限定不定期連載なら、お安い御用さ」
「十分です」
胸にあるものは希望。
目の前にあるものは光。
片思いは、独りよがりだからこそ面白い。
独りよがりだからこそ、物狂い。
「でももう少しだけ胸が欲しいなやっぱ」
「死ねっ!!」
青春なんて、狂ってる。




