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ポストマン・ブレイド  作者: 下総 一二三
“陽炎”ゼノ・クライブ

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73/203

暗殺の年輪を重ねて

 朝から清々しい空を広げていたイハルタも、定期便が島を離れて数時間もすると、途端に黒い雲が空を覆い、夕方頃には強風と打ち付けるような雨が降り出し、いつもの荒れたイハルタ島の姿を見せていた。

 住民たちの夜は早く、殻に閉じこもるようにして家で静かに過ごし、嵐が止む明日の朝までやり過ごすのである。もっとも翌朝が晴れているとは限らないのだが、イハルタの古い住民たちは夜中に遊んでいると悪魔がさらいに来ると信じており、滅多に表へと出てこない。その風習や迷信を変えてしまったのがシャクザことザルツ・シャフツで、悪天候にも関わらず、自身の居酒屋は開いていて、灯りに誘われた村人数名がレンガ造りの小さな店へと足を運んでいる。

 客も古くからの住民ではなく、シャクザの斡旋で住み着いた住民たちだった。

 彼らも明日はそれぞれの仕事があるはずだが、彼らは顔を真っ赤にしながら酩酊している。彼らの時間の感覚としてみればまだ宵の口だったし、たとえ仕事はなくても過疎化対策のため招かれた格好の彼らは、ある程度の報酬がシャクザの口利きで村長から保障されている。そのため新しい住民たちはすっかり怠け心がついてしまっていた。それが古くからの住民たちには気に入らず、互いに距離があった。それは対立と混乱を生み出すために訪れたシャクザにとって、都合のよいものであったのだが。


「しかしよお、シャクザ」


 客のひとりがしゃっくりを上げながら言うと、シャクザは店の看板料理である「羊肉のシチュー」を煮込みながら、何だと無愛想に答えた。母国を裏切り、“紅の国”に魂を売るような人間にしてはあまりに無骨で、客に対して愛嬌といった飾りっけもないが、そこが返って怪しまれないと“紅の国”の高官たちは判断したようである。


「おめえのおかげで、こうして気楽に酒が飲める場所があるてのはありがてえよ。この島の連中はよそ者だからて俺たちをバカにしやがって、あいつらどうにかなんねえのかい」

「そうだぜ。ろくに土もねえのに、石灰堀りと海藻集めて畑ですだとよ。風が吹けば根こそぎ飛んでって一からやり直しだってのに、やってられっかよ」


 二人の酔客はおだをあげているが、すでに出来上がっている彼らはシャクザの返答を期待していたわけではないようで、次々と古い住民たちの名前を何名か挙げ、容姿の欠点をあげつらっては小ばかにした笑い声をあげ、その度に酒を煽っていた。

 

 ――だらしのねえ野郎どもだ。


 シャクザは無言のまま酔客のやり取りに耳を傾けていたが、内心では激しくののしってやりたい気分だった。所詮は駒、操り人形。貴様らは俺の手のひらで踊っているに過ぎない。生活習慣という崩しやすいところから狙いをつけて、少しずつイハルタの秩序を乱し混乱させている自分の腕前に、シャクザは満足していた。牧草の分配、畑づくりのための共同作業、祭礼の準備等など……。

 時代や海外などを引き合いにだして島の習慣に文句をつけ、例外という名目で押し切り、シャクザの言葉に影響された若者も出始めている。少しずつだが着実に島の破壊が進んでいた。村長はシャクザがもたらした金に目がくらみ、言いなりとなっている。とある企業が観光地としてイハルタを支援する打診をしてきているが、その企業は“紅の国”が経営している企業である。イハルタが“紅の国”の手に渡るのは時間の問題というのがシャクザの実感だった。故郷でもないイハルタがどうなろうとシャクザにとっては関係なく、むしろ自分や一族を捨てた“青の国”に一矢報いることが出来たのは痛快でしかなかった。

“紅の国”が約束を守るなら、シャフツ家は再び“紅の国”で再び栄華な暮らしを取り戻すことができるだろう。

 しかし、そんなシャクザであっても全てが思い通りというわけではなかった。

 仇敵ともいうべきゼノ・クライブが、役人としてこの島に住んでいるということ。

 ゼノは外部の人間であるにも関わらず、古い住民や新規の住民にも好かれ、島の均衡を保たせていること。

 そして……。

 勝手口の戸が開き、強風に押されるようにしてツバキが店に戻ってきた。手にした小さな籠の中に卵が5個入っている。ツバキは酔客に目を合わせようともせず、形だけ頭を下げるとこそこそとシャクザに籠を示した。


「あの、お父さん、あの、卵。これ……」

「ちゃんと戸の鍵は閉めたろうな」

「あ、えと……、ごめん。忘れたかも」

「まあ、いい。あとは俺がやっておく。卵は冷蔵庫の中に入れとけ」

「うん」

「あいつらは寝たか」

「うん。みんな、良く寝ているよ」

「なら、お前もさっさと寝ろ」

「……うん」


 表の風に負けて、耳を澄ませないと聞き取れないくらい小さな声だったが、シャクザは娘の反応には慣れている。中身のある話も大して出来ないので、返事だけわかれば十分だった。ツバキは客に小さく頭を下げると、妹たちが眠っているはずの奥の部屋へと入っていった。ドアが閉められツバキの足音が聞こえなくなると、酔客のひとりがしかしあれだなあと、呂律のまわらない口調で言った。


「ツバキちゃんもそろそろ年頃だろ。なんか好い人を探さねえとなあ」

「ここらじゃ釣り合いの取れた好い人なんて、先生ぐらいしかいねえだろ」

「先生なあ。たしかにいいかも知れねえな。ツバキちゃん、あの人のとこで事務仕事手伝ってんだろ。ちょうどいいじゃあねえか」

「……あいつの話はやめな。自慢のシチューの味が落ちる」

「へえ?シャクザは反対かい」

「あいつには、もっと相応しい相手がいるんだ」

「誰だい」

「町の有力者、劇団の人気俳優、資産家や政治家に上級貴族の息子。ツバキの相手はそれくらいの層でなきゃあな」

「……」


 客のふたりはきょとんとした顔つきでシャクザの説明を聞いていたが、やがて互いに顔を見合わせていると次第に表情が崩れだし、ふっと息が漏れると堰を切ったようにげたげたと笑い始めた。


「……なにがおかしい」

「ひ、ひでえ冗談だな。き、きき、貴族だってよ」

「こんな島にどこにそんなもんがいるんだよ。怖い顔して変な冗談言うもんじゃねえぜ」

「……」

「ツバキちゃんがかわいいつったって。高望みしすぎだろうよ」

「ちったあ自分の分をわきまえろつうなあ」

「まったくだあ」

「……でてけ」

「え、何」

「出ていけっつってんだ。さっさと家帰って寝ろ!」


 かっと吼えるシャクザの形相はすさまじく、おまけに振り上げたおたまが恐ろしい凶器のように錯覚させるほどの迫力があった。シャクザの様子に驚き慌てふためいた酔客たちは、酔いも忘れて一目散に店を飛び出していった。扉を開けたために強風が店内にざっと吹き荒れたが、扉が閉まると嵐の轟音も遠のいて静寂が店内を満たした。静寂さがシャクザに冷静さを取り戻させ、ことこと音を立て続ける鍋の中のシチューに、じっと目を落とした。


「まったく……」


 思い通りにならないシャクザの悩みの残り。

 娘のツバキは、シャクザにとって悩みの種となっていた。

 ツバキと歳の離れた下二人の娘たちは、物心ついた頃からこの島に住んでいるので話は別だが、ツバキは貴族として暮らしていた頃や今は亡き妻の記憶も十分に残っているはずだった。しかし、親の欲目でツバキが美人の側に入るとはいっても、大人しいのが取り柄で、人見知りで人付き合いも苦手なツバキは、社交が仕事といってもいい貴族の生活に馴染めていなかったようである。だが、イハルタに住むようになってからというもの、一心不乱に牛の乳しぼりや羊の毛を刈り、嵐で吹き飛んでしまうような虚しい畑づくりに精を出す娘の姿は、貴族での暮らしよりも生き生きとしているようにシャクザには映る。

 加えて、こともあろうか自分の兄を殺し、一族を没落させたゼノ・クライブに想いを寄せている節がある。普段、何を考えているかわからないが、事務の手伝いに行く際の頬を紅潮させたツバキを見ればそこは一目瞭然だった。そんなツバキに真実を伝えればシャクザがゼノを憎む理由を理解してくれるのかもしれなかったが、今の娘を見ていると、それで自分の味方になり、計画に協力してくれるかとは自信がもてないでいた。

 それならば、いっそ何も伝えない方がいい。

 あの性格なら、島から離れようとツバキも黙ってついてくる。

 シャクザはツバキに対し何も言わないのは、半ば諦めの気持ちでいたからだが、もうひとつは作業に専念してくれるツバキのおかげで、島での生活も何かと助かっている部分があるのも事実なので、結局は「しょうがねえな」とため息まじりに呟いて終わるのが、シャクザの常だった。

 シャクザはツバキが鳥小屋の施錠し忘れたのを思い出し、コンロの火を切って裏の勝手口へと足を運ぼうとした。扉の取っ手に手を掛けた時、ふと店の出入り口の戸が鳴ったような気がした。暴風に紛れて定かでないが、そっとである。


「……」


 シャクザは慎重に足を表の出入り口に足を進めた。

 追い出した酔っ払いたちが戻ってきたのかという考えも過ったが、それならこんな慎み深いノックなどしないだろう。


 ――政府の犬どもか?


 そんな考えに至った時、シャクザの全身には強い緊張感とともに、体の内側から闘気が溢れてくるような感覚が生じていた。シャクザは最近になって、軍が自分の計画をつかみ始めていることに気がつき始めていた。もしかしたら、軍の刺客が近々自分に向けられるのではないかという想像もしていたが、それが目前に迫ってきたかと思うと、来るなら着やがれと神経が研ぎ澄まされるとともに魔力が増幅されていくようだった。シャクザの影の部分から周囲を囲うように、どす黒い液体に似たものが意思を持った生き物のようにうごめき始める。


 ――影魔法“大食シャーシ”。


 自身の影に力を与え、スライムの如く軟体生物と化して、静かに敵を捕らえて喰らう。

 若い頃、シャクザが学生時代に編み出した魔法だが、範囲も数メートルと限定的で魔力の消耗が激しいので使いどころの無い魔法だった。しかし、無力な人間を狙い、身を護るには十分な威力で、イハルタの村人も“大食シャーシ”によって始末している。

 全てを喰らいつくすので、これまでに何の証拠も残さずに済んでいる。


「来るなら、来てみやがれ……」


 血走った眼で木製の分厚い扉を見据えながら、シャクザは一気に扉を開いた。

 強風が正面から吹き荒れたが、構わずシャクザは猛然と“大食シャーシ”を音がしたと思われる方向に解き放った――が、目に飛び込んできたものに“大食シャーシ”の動きがピタリと止まった。

 屋根に引っ掛かるようにして、縄でくくりつけられた木製の棒が風で激しく揺れていた。時折、棒の先端が戸を打ち、それは先ほど戸を叩いた音に似ていた。縄梯子の一部分のようにも思えたが、おそらく、この風で吹き飛ばされたものらしい。


「バカ野郎、驚かせやがって……」


 シャクザはほっと溜息をついて“大食シャーシ”を解除した。全身がぐっしょりと濡れていたが、それは雨のせいだけではないだろう。緊張感が消えるとともに、力がみるみる抜けていくのを感じていた。まったくとぼやきながらシャクザは縄が引っ掛かっているところまで腕を伸ばしたが、巨漢のシャクザでもほんの少しだけ手が届かない。やむなく、シャクザは近くの樽を引き寄せ、樽に足を掛けた。

 その時だった。

 背後に気配を感じたかと思うと、シャクザは襟をつかまれ、すさまじい力で後方に引きずられた。樽が倒れ、怪力を誇るシャクザでも抵抗できず、振り払おうともがいたところで首を一気に締め上げられた。


 ――“大食シャーシ”を……!


 呼吸が止まり意識が朦朧とする中、シャクザは自身の“大食シャーシ”を発動させようとした――が、呼吸を止められたせいで本能が酸素を求めてシャクザは口を喘がせた。その大きな口を、首元を締め上げているものとは別の手が静かに覆った。

 温かな小さな何かが喉の奥を過ぎていく。


「……“爆散火ヒバチ”」


 風にまぎれて囁くような声を、どこかで聞いたように思えた。

 混濁した意識の中で、シャクザはその答えをぐるぐると追いかけていたが、容易にその答えに追いつかない。

 誰だ、誰だ。

 思考がぐるぐるとしてようやく輪郭らしきものに思い当たった瞬間、シャクザの身の中で何かが弾けた。チクりと針を刺した程度の痛みだったが、その痛みがシャクザの意識を急速に奪っていく。膝から力が抜け、後方に倒れていく際、闇夜に長身の男の影が浮かんでいた。黒いマスクをかぶり二つの瞳がシャクザを注視している。マスクから灯りに反射して銀色の髪がわずかに零れていた。


 ――ゼノ……。


 だが、その声は言葉にならず、シャクザの意識は永遠に闇の中へと埋もれていった。


※ ※  ※


 漁港より数キロ北に位置する海岸に、数人の人影が浮かび上がっている。

ベムとミハルが厳しい表情のまま闇を見つめる先に、トウマの広い背中が映っている。

トウマも腕組みをしたまま、無言で佇んでいた。

 奈落の底に落ちるような断崖が目立つイハルタ島だが、トウマたちがいる場所はそこだけは、標高も低く周囲の断崖のおかげで荒波や暴風もなく船も着けやすい場所だった。漁港とは違って島の中心から遠いために、発展もせず人がほとんど利用しない場所ではあったが、トウマ達にとっては好都合だった。

やがてトウマの視界に、黒い影が闇に浮かび上がった。歩き方や輪郭で、トウマはその影の正体がゼノ・クライブだとわかっている。風に吹かれているせいか、遠目にはふらふらとした足取りで陽炎のように見えた。

 トウマはようやく腕組みを解いて、ゼノと思われる影に近づいて行った。互いに表情がわかる距離まで接近すると、ゼノは目元をほころばせたのが見えた。

だが、目元には力がなく、明らかに疲労している。


「終わったか」

「うん、終わった。多分、樽から落ちて事故に見せられたと思う」

「そうか」


 そこまでトウマが言うと、急にゼノ体が揺れて地面に膝をつく形で崩れ落ちた。咄嗟にゼノの腕をつかめたが、脱力した具合から間に合わなければ顔を地面にぶつけていたかもしれない。


「大丈夫か」

「やっぱり鈍ってるねえ。こんなに疲れたことは、今までないのに」


 トウマはゼノを立ち上がらせると、ゼノは顔を覆う黒い布を外して照れくさそうに頭を掻いた。

 ゼノが暗殺で用いる魔法“爆散火ヒバチ”は、体内に炎の魔法を送り込んで針のような小さな痛みを与えて相手を始末する魔法である。しかし、証拠を残さないためにその魔法を発現させるには、シャクザと同様に膨大な魔力と、制御する集中力が必要となる。また、相手を押さえつけるための体術も必要となる。

 それは、かつての生業から離れて体も勘も鈍っていたゼノ・クライブにとって、相当な負担のはずだった。


「ベムさんかレミルさん。煙草とライター持っているかい」

「私のでよければ……」


 レミルが駆け寄ってきてトウマに煙草とライターを差し出すと、一本だけ取ってゼノに渡した。風で消えないように注意しながらライターの火を点すと、ゼノは深々と煙草を吸って、濃い煙を虚空に向かって吐き出した。それを二度三度繰り返すと、ゼノはありがとうと笑って煙草の火をもみ消した。


「ちょっとは落ち着いたよ」

「そうか……」


 トウマはレミルにライターを返し、肩を叩いた。


「これから、どうすんだ」

「どうすんだって……。なんとかやっていくよ」

「もしもだけどさ」

「ん?」

「つらいなら、うちの郵便局にいつでも来いよ」


 トウマの言葉に、ゼノはしばらくの間、まっすぐにトウマを見つめていたが、やがて表情と崩すとありがとうと言った。


「救われたよ。僕は大丈夫。ありがとう」

「救われただなんて大袈裟だな、お前は」

「いや、トウマが友達で良かったよ」


 そう言うとゼノは踵を返し、闇の中へと向かって歩き出した。ベムが呼び止めようとしたがトウマが手で制すると、3人の男たちは黙ってゼノの背を見送っている。ようやく口を開いたのは、ゼノの姿が完全に闇の中に消えて見えなくなってからだった。先に切り出したのはトウマだった。


「ベム大佐。ゼノのことを頼むな」

「それはもちろん。あの人の今後は、我が軍が保障いたします。シャクザがいなくなった今、村長はどうにでもなりますからな」

「……そっちのことまでは知らないけどさ」

「トウマさんの休暇の延長や今回の依頼の件も、すでにミラルカ郵便局長に報告しておりますので。少し時間は掛かるでしょうが、協力していただいた謝礼が政府から届くことでしょう」

「わかったよ。もういい」


 トウマは満面の笑みを浮かべているベムやレミルに力なく手を振ると、船に向かって歩き出した。重い疲労感がトウマの足取りを重くしている。

雨に濡れた冷たさのせいなのか、向かってくる風の強さによるものか。

長い緊張感から解放された影響もあったろうが、何より政府の争いに戦友とともに巻き込まれ、再び手を汚すことになってしまった戦友の身を思うと、それがよりトウマを暗い気分に陥らせていた。

 島のため、国のため、何より疑惑を向けられた自身を守るため。

 シャクザも狙われるだけの陰謀をイハルタで起こしてきたわけで、シャクザに対してはさほどの同情心もわかなかったが、問題はその娘のツバキだった。自分はまだいいとトウマは思う。所詮は外部の人間であり人の死が身近にあるトウマには、悪漢が一人死んだ程度の認識しかないからだ。しかしとトウマは思う。

 安らぎを求めて軍務から離れ、静かに暮らしていたはずなのに、再び暗殺の年輪を重ねてしまった。ツバキの父親を殺してしまい、ゼノはこれらどう彼女とどう向き合って暮らしていくのだろう。

 なんとかやっていくというゼノの言葉を信じるしかなかったが、他に何か自分にできることはないかと思いながら歩いていたものの、容易に答えが出なかった。

 答えを求めてすがるように一度は振り返ってみたが、そこにはやはり深い闇しか広がっていなかった。



               ~“陽炎”ゼノ・クライブ編・終~

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