(11)クリオブ活動その1
「はぁ……」
へスライド先生の質問コーナーは律儀にいっぱい話すものだから疲れる。しかも内容が全部どうでもいい内容しかなかったし。いつの間にか夕方になっていた。
「今日は何かあるか?」
「あっはい。クリオブがあるんです!なんだかんだ初めてなので楽しみです!」
「……そうか。」
「はい!」
背伸びをしてから私は教室を後にした。
◆◇◆
魔生物クリオブは校舎の裏側、いりくんだ森のなか、隠れたように小屋がある。他は校舎内がほとんどでここだけ異質だ。
「失礼しま~す……」
私が一番遅れていたらしく、先輩方とゼーテオはすでになかにいた。数秒間の沈黙の後、フロニコ先輩は当たり前のようにハンカチをチャルメイト先輩の前に差し出す。
「……うえ〜んっほんとの、ほんとに一年生が……!」
「え?え?」
困惑しないわけがない。チャルメイト先輩は手渡されたハンカチで涙を拭くが、止まる気配がしない。
「すいませんね、慣れてください」
「あっはい……」
(慣れる気が全くしない)
男性の、2つ上のガチ泣きが当たり前のように流されるものなのか?と、思いつつ、流した。
「……っごめんっごめんね」
「なんでそこまで泣くんだろね……」
後ろからゼーテオがやれやれとやってくる。フロニコ先輩は慣れた態度だが、ゼーテオはあきれているようだった。
「少なくともお前が来てからは1年生が来なかったとしないだろ。」
「?ゼーテオ君って何歳からここに?専属研究者って言ってたけど……」
その時聞いた話では11歳だといっていたけれど天才だとしても、11歳という子供を研究者としてスカウトした人が気になる。
「ったしかに……少なくとも僕が1年生の時はいたよ?」
「……8歳の時か?誰もいなくて動きやすかったな。で、こいつは相当の寂しんぼってだけだ」
「1年間もゼーテオと2人だけは寂しいだろ!」
(ごもっとも)
それとゼーテオの話により気になったことが1つだけあった。
(ゼーテオ君が来る前はこのクリオブは……)
クリオブは誰も居ない状態で存続できるものなのか、そもそも無くなる可能性はなかったのか、その状況になぜゼーテオという専属研究者なんて連れてきたのか……
「……ここってどうなってるんです?」
「よくわからないわ。」
「ただ学園の制作者が魔生物を妙に推したと聞いた」
「……誰から?」
「僕をスカウトした人から」
「……」
やはりその『スカウトした人』が気になってならない。才能があったとしても、8歳の少年を研究者としてスカウト、そんな事できるほど発言力、立場がないとできないだろう。
「そのスカウトした人って……」
「よくわからないけど……名前は言うなって」
「え……ほんとどんな人よ」
気になるが、ゼーテオが言葉を濁しだしたので、聞いても意味ないだろう。そういうものだ。ただ違うことで、同じくらい気になることはあった。
「……まあいいわ。改めて、ここはどういうクリオブなんですか?具体的に」
「……」
「……」
先輩たちプラスゼーテオは目を合わせて沈黙。体験の時も具体的な情報を全く聞いていない。本当によく分かっていない。
「……ミレズム嬢、は何でここに?」
「?興味があって一番しっくり来たからです。」
「じゃあ魔生物、魔獣のことはどういう認識かな?」
「???」
話の意図がチグハグすぎてピンと来ない。魔生物についての書物は少なくて、正しい意見はいいづらい。でも分かりやすいのは……
「戦争や貧困な時によく現れます。だから不吉の象徴というか……」
「そうだね」
「あと聖書に記述がありません。魔物が女神アルガーペが生み出したものじゃないとは言い切れませんが。」
「そうだね」
「???他になにか?」
相槌は取るが、何も言わないも道義の態度は少しイラッとくる。
先輩は大きめのため息をつきながら口を開いた。
「ここはほかのクリオブみたいに自分何かしらを高めるんじゃなくて、研究するところなんだ。」
「はあ……?」
「魔生物の生態も、生まれた経緯も、すべてが研究の問題だ。それは研究されてから400年、変わることはなかった。研究もおろそかで……」
「?」
本当に何をが言いたいんだろう。どんどん私の質問から遠ざかっている気がする。
「最終的に?」
「分かっていない魔生物の生態と結界の研究?」
「なんで疑問形なんですか……」
私がこの時間で出した結論、それは、3年生になっても、ピンと来ないようなもの。だということだ。
呆れていると、フロニコ先輩がチャルメイト先輩を邪魔そうに前に出た。
「実際あやふやよ。でもこの研究で魔石の発掘や結界問題も……まあ色々とね。あとゼーテオが来てからは魔生物には変化もあるのよ?」
なんで代表よりもわかりやすい説明ができる人がいるんだろう?メソメソとしているチャルメイト先輩を横目で見ながら感心と言うか、なんというか……
「因みに変化って……」
「なんと、魔生物には食べ物という食べ物が必要ないことがわかった!」
「そう……なの?」
その凄さが私にはわからない。魔生物は餓死しない、ということなのだろうか?でもそれがどう影響……
「そして……」
「そして?」
「魔生物のエネルギーがわかった」
「!」
今度は凄さがわかった。エネルギーが分かれば、魔生物がな魔石の周りに集まるのか、それは習性なのか、意味あることなのか。もし習性なら、魔物によって貴重な魔石の発掘にもほかの魔法系のいろんなことに未来が出る。
「エネルギーは…マナだ!」
「マナ?」
マナが何かは知ってはいるがそれが何だというのだ。人間には空気がいると言われたような気分だった。
マナとは空気中にあり続けるエネルギーの事。自然が持っている魔力とも言われていて、基本的に魔力と一色単にされる。
マナと魔力の違いは生まれながらに変えられないものかどうか。マナは一生変わらない。天性ののもの。魔力は固有のマナの結合の可能性。魔力が多いということはさまざまなマナを吸収できるということだ。




