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第百十四章 マリ、日本に戻る

マリは、アメリカでの打合せで上官から、「今回、マリの氏名が公表された為に、狙撃などには充分注意するように。」と忠告された。

マリは、「私も実戦経験のある兵士よ。大丈夫です、心配しないで下さい。でも退役の条件に戦場への出撃がありましたが、今の話と矛盾していませんか?」と疑問に感じて質問した。

上官は、「何が大丈夫だ。マリは私の目から見て、まだまだだ。お前は航空機以外の事は全然駄目じゃないか。戦場で、陸軍の護衛に気付いてないのか?戦場ではマリが目標ではありませんが、狙撃ではマリが目標になります。あの怪獣を作成した組織の事もまだ不明ですし、今迄より危険になります。空軍のマリを、陸軍の作戦にも参加させているのは、このような事態になる事を予想していた為に、陸上での実戦経験をつんで、陸上で敵に襲われても対応可能にする為だ。その組織が、空の上ではマリに敵わないと判断して、狙撃など陸上で襲ってくる事は充分考えられる。」と説明した。

別の兵士が、「そんな事をしなくても、護衛を付ければ済むのではないですか?」と進言した。

上官は、「そんな事は、君に言われなくても、もうとっくにしている。残念ながら、護衛の件は認められなかった。護衛という事は、マリを二十四時間見張る事になる為に、乙女に、それはできないそうだ。マリのどこが乙女なのか解らないが、後は陸上でもマリが対応するしかない。マリに、日本国内で銃の所持許可を日本政府に依頼しましたが、“日本警察は優秀です。警察がマリさんを守ります。”と断られました。」と返答した。

マリは、「どこから見ても私は乙女ですよ!その件は解りました、充分注意します。しかし、怪獣を作成したのは海坊主だと聞きましたが、違うのですか?」とマリが入手した情報と異なる為に、上官に確認した。

上官は、「それは、そういう可能性があるという事で確証はまだない。海軍が墜落地点で、銃撃戦の末に逮捕したメンバーは、自分達の事を海坊主だと証言しているが、真実とは限らない。」と返答した。

マリは、「海坊主以外に、あれだけの科学力を持つ組織があるのですか?」とそんな事は聞いた事がないので、確認した。

上官は、「今の所は、私も聞いてないが、海坊主以外にも、そのような組織があり、その組織が自分達の存在を知られないようにする為に、海坊主だと名乗った可能性は否定できない。海軍の調査を待ちましょう。」と返答した。

マリは、その他の打ち合せ等の業務を全て終了させて、自家用機で日本に向かった。ハワイで時差調整後、大阪空港到着時にマスコミが押し寄せて、着陸を生中継で放送後、公開インタビューになった。

最初に、「何故、今回撃墜した怪獣が生物ではなく機械だと解ったのですか?」と質問した。

マリは、「機械ですから、怪獣というより機械獣ですね。空軍が撮影した映像を確認すると、空軍の戦闘機の動きに、大変機敏に反応しているかのように見えましたが、良く見ると、機械獣の動きは、戦闘機がコース変更すると同時か、少し前に反応しているようでした。戦闘機がコース変更する前から、どのように飛行するのか、機械獣には解っていたようでした。確信はありませんでしたので、実戦時に私がコース変更を少し遅らせると、矢張り機械獣は、私がどのように飛行するのか、予め解っていたかのように飛行していました。それで確実にこちらの作戦が筒抜けになっていると確信して、それを逆手にとり、予定外の飛行をして、敵が焦っている所を攻撃して、撃墜しました。」と返答した。

アナウンサーは、「罠に掛けた訳ですね。しかし、筒抜けになっているという事は、それを部下に伝える事もできないのではないですか?部下に伝えた作戦飛行と異なる飛行をしますと、戦闘機同士、接触する可能性はなかったのですか?」と質問した。

マリは、「敵を騙すには、まず味方からと言うでしょう?飛行の癖を良く知っている隊員を選びましたし、何よりも彼らの操縦技術を信頼していましたので、それはないと確信していました。」と返答した。

アナウンサーは、「機械獣には誰か乗っていたのですか?その正体は解ったのですか?」と質問した。

マリは、「機械獣の墜落地点に向かった、アメリカ海軍の発表を待って下さい。」と返答した。

マリは、会議で海坊主と思われる組織のメンバーを海軍が逮捕したと聞いていたが、海坊主の組織や科学力については未知数が多い為に、当面極秘扱いにすると聞いていた為に、このような返答をした。

アナウンサーは、「話は変わりますが、女性の幸せについてはどうですか?理想の男性とか、結婚の予定とかありますか?」と質問した。

マリは、少し恥ずかしそうに、「結婚どころか恋人もいません。この人なら!と思える男性が現れないものですから。強いて言えば大空が私の恋人です。」と返答した。

アナウンサーは、「芹沢さんの理想の男性はどのような人ですか?テレビで発言すると理想の男性が立候補してくるかもしれませんよ。」と聞いた。

マリは、「理想の男性は、“いざ”という時に頼りになる人が良いですね。」と返答し、隠し子については触れませんでした。

アナウンサーは、「戦場で実戦経験のある芹沢さんにとっては、どの男性も頼りないかもしれませんね。所で先日、大阪空港に緊急着陸した時に、“日本で就職しようと思っています。”ということでしたが、その後どうですか?」と質問した。

マリは、「どうもこうもないですよ。私は、あれからアメリカへ帰還し、日本へ来たのはあれ以来始めてですよ。どうにもなっている訳がないじゃないですか。兎に角、先日も説明したように、しばらくの間は、叔父が経営する会社でOLをしながら、ゆっくりと考える事にしています。」と返答した。

アナウンサーは、「私生活について聞いても良いですか?例えば、料理などは得意ですか?」と質問した。

マリは、「全然駄目です。即席のヤキソバ程度でしたら作りますけれども、それ以外は電子レンジでチンするものだけですね。料理は、叔母さんに作って貰っています。洗濯や掃除はしますけれども・・・」と苦笑いしながら答えた。

アナウンサーは、「洗濯や掃除などは、スイッチ一つ押せば、機械がしてくれるので、戦闘機の操縦より簡単ですよね。」と笑い、「趣味は何かありますか?」と聞いた。

マリは、「昔はラジコン飛行機を作って飛ばしていましたが、段々と大型のラジコン飛行機を作るようになり、大型のラジコン飛行機の場合、自分が乗って飛ぶことができました。普通の人は数十センチの高さで飛ぶでしょうが、ほら、私ってアクロバット飛行のパイロットでしょう?数メートルの高さでないと満足できずに、更に宙返りは無理だと解っていましたが、直進だけでは満足できないものですから、高度を変えたり旋回したりしていると、矢張りラジコン飛行機は悪までもラジコン飛行機で、人を乗せるように作られていませんので、バランスを崩して、墜落?して、ラジコン飛行機は壊れて、怪我もして、三週間ギブスの上、しばらく松葉杖で散々でしたので、それ以来ラジコン飛行機は辞めました。今は時間の空いている時は、一人でのんびりとドライブしたり、小説を書いたりしています。」と笑いながら返答した。

アナウンサーは、「三週間ですか?骨折にしては短いですね?ヒビが入った程度だったのですか?」と聞いた。

マリは、「いいえ、バランスを崩した時に、緊急降下したので、骨には異常がなく靭帯が伸びただけでした。でも聞いた所によると、最近は骨折も、あまり長期間固定しないそうですね。私も詳しくは知りませんが、早く動かした方が、快復が早いらしいですね。」と返答した。

アナウンサーは、「伝説の名パイロットでも、墜落する事があるのですね。ドライブは大型のラジコン自動車ではないですよね。」と笑いながら、「小説はどのような小説ですか?」と質問した。

マリは、「小説は最近始めた所で、まだ形になっていません。」と返答した。

その後も色々と質問されて、インタビューは終了して、ようやくマリは開放されて、家に帰る事ができて、やっとゆっくり休めるかと思えば、飛行機好きの息子から、「テレビ見たよ。凄いね。」としばらく相手をさせられましたが母親が、「マリさんは疲れているので、話はまた今度ゆっくりと聞きなさいね。」と助けてくれて、やっとゆっくり休めた。

次の日、会社に出勤すると、全社員から歓迎されて、マリが助けたツアー客から、お礼の電話があった事や、先日、航空管制システムの打合せをした小さな飛行場が、システム開発のメンバーに、マリを加える事を、受注の条件にして来た事を伝え、マリが了承すれば、配置転換できるように、社内の準備ができている事を伝えた。その他の電話は、航空業界のマリ引き抜きの電話とマスコミと冷やかしの電話だけでした。

マリは、「先日の打合せに口を出したので、乗り掛かった船ですので。」と配置転換を了承して、マリは本日付で、配置転換になった。

システム開発部では、航空業界は始めてでしたので、勉強会をしていた。その勉強会は、本日からマリが講師になり、詳しく説明する事になった。

その他、顧客からの要望を説明して、可能かどうかマリに確認すると、「顧客からのデーターには、通常の天候のデーターしかなく、悪天候時のデーターがない為に、実際に飛行して確認したい。悪天候時に、その空港で離着陸やタッチアンドゴーを繰り返したいので、空港を数時間借りたい。」と要望した。

マリの要望は直ちに顧客に伝えられて、了承された。どうやら顧客も、伝説の名パイロットの操縦技術を見たいようでした。


次回投稿予定日は、7月3日です。

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