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アルジャーノ傭兵団

 ルーベンスが王国へ向かっている頃、アンナは傭兵団の活動に向けてアルシャラの街に来ていた。

「ここに来るのも久しぶりだな」

 傭兵ギルドの前に立ち、扉を開ける。

 石造りの内装に頑丈な木製のテーブル。。

 筋骨隆々の戦士たちが朝から大声で雑談しながらグビグビ酒を煽る。

「相変わらずの騒がしさだな」

 かつては何度も出入りを繰り返し、多くの仲間たちと出会った傭兵団ギルド。

 故郷に帰ってきたような感覚に浸りつつ、受付カウンターに向かう。

「いらっしゃいませ、ご用件を承ります」

 荒々しいギルドの空気に似合わない、華奢で丁寧な態度の受付嬢。

 後ろに束ねた髪に大きな青いリボンをつけている。

「傭兵団の登録をしたい」

 受付嬢に対して、傭兵団の登録手続きを要望する。

「かしこまりました、こちらの用紙に記入をお願いいたします」

 提出された用紙に必要事項を記入。

 『アルジャーノ傭兵団』と記し、リーダーの名前やメンバーの人数、活動拠点などを大まかに記入する。

 冒険者登録の時とは違い、前科の有無は考慮されない。

 一通り手続きを終えて依頼書が貼られたのボードを調べる。

「やはり、治安維持の依頼が多いな」

 アレハンドロ帝国の駐屯地が建設されたとはいえ、治安維持の為の人手が足りないのだろう。

 地方都市を中心とした盗賊の討伐や市場の見張りなどの依頼が目立つ。

 治安維持を優先したいのかモンスターの討伐依頼と比べて報酬金は高めである。

「まずは実績と実戦経験を優先するか」

 村に比較的近いエリアに出没したスライムの討伐依頼書を剥がてす。

 報酬自体は少ないが、堅実性を考えれば十分と考えてそのままカウンターに提出する。

「さて、次はあいつだな」

 傭兵ギルドを出て今度は冒険者ギルドの扉を開けると、丁度アンカラがギルドの脱退の手続きを済ませていた。

「来たのか」

「手続きは無事に済んだようだな」

 傭兵団の主力にアンカラを据える予定のアンナ。

 ついでに彼のパートナーであるペータも素材回収のサポート要員として引き抜ければ初動としては十分である。

「で、最初の依頼は何だ?

 レッドウルフの群れか?それとも高難易度ダンジョンの攻略か?」

 傭兵団向けの依頼に期待を高まらせるアンカラ。

「スライムの群れだ」

「……」

 散々倒してきたスライムの群れを相手にすると聞いて、期待を大きく裏切られたことに露骨にがっかりするアンカラ。

「団員全員がお前の様に戦えるわけじゃない、それに当たり前のことだが新設されたばかりの傭兵団では高難易度の依頼は来ない。

 信頼がないからな。

 冒険者の時と同じだ。

 確実に依頼をこなして信頼と実績を地道に積み上げていくしかない」

(「ちっ」)

 小さな舌打ち。

「わがままを言っても何も始まらないぞ、バカドラゴン」

「痛て!」

 コツンと頭を殴られながら、「はいはい」と言って渋々アンナについていくアンカラ。

 途中で同じく冒険者ギルドを脱退したペータと合流した一行は依頼書を携えて村に帰還する。

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