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生まれ変わったら神樹だった  作者:


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コテンパンに叩きのめしていただきたい

ステータスの低さは子供ゆえだからな、これぐらいが普通だろう。

でも魔力がずば抜けて高いのは流石ユッテだな、将来は天才魔法使いになるかもしれない。楽しみだなぁ

次に未熟の魔眼、かぁ。これはレナさんの目を受け継いだからなんだろうけど、まだ未熟なんだな。これも将来に期待だ。

そして疲労上昇速度アップってスキル。これがユッテの疲れやすい原因の1つか……

こんなBADなスキルも存在するのか、状態異常より厄介かもしれないな。


こんなところか。

ユッテに神樹系のスキルと称号が無いのはまだよく分からないがユッテの今の状態を知ることが出来てよかったと思う。


「あー、私ってこんな感じなんですね。」

ユッテは自分の鑑定紙を見るなりそう漏らしたが、そんなにショックでもなさそうだ。

まぁ悲しむよりかはいいか。それこそユッテに悲しまれでもしたら俺が悲しくなるからな。


さて、残る鑑定紙は……うむ。ラディさんもアイヴィーさんも忙しそうだな。今は声をかけないでおこう。

最悪帰ってからでもいいしな、急く必要はない。


それから俺たちは宿の食事をとり、各自同室で就寝した。ただ、ラディさん達は本当に夜遅くまで仕事をしていた。

あ、俺はその光景を暇だから見ていたよ。手伝うことできないからな、知能まで神様レベルじゃないのが転生神様の悲しいところだ。



朝、素晴らしくいい天気だなぁ。これは日光浴からの光合成が捗りますなぁ!

とは言ったものの、俺自分の意志で光合成しているとか分からないんだけどな。神樹だから一応しているとは思うんだけど。


ん?こちらに向かって歩いてくる気配、この気配は知っているぞ。

皆を起こさないよう、ゆっくりと扉を開く。

「お、おや……何故お分かりに?」

「秘密。」


そこにはノックのために拳を固めたエルベルド王に仕える執事フォルクスがいた。ふっふ、ノックはさせんよ。そんなに音が出たら皆が起きてしまう。


「どしたの、フォルクスさん。父さんに用事?」

「いえ、私が今回尋ねましたのは貴方にです。ウルトル様。」


何で俺?いやいや、領主を放っといてその息子に用ってちょっとそれ意味わからんな。

まぁわざわざフォルクスが来るってことは重要なことでもあるのか?


「分かった。でもここじゃみんな起きるから下の食堂でいい?」

「えぇ、構いませんよ。」


朝一番なので俺たち以外の宿泊客も料理人も食堂には着ていなかった。多分だが、フォルクス的にはうってつけだろうな。

俺とフォルクスは向かい合うように椅子に座る。

さぁ、聞かせてもらおうじゃないか。


「俺に用事って?」

「はい、単刀直入に言わせていただきます……今日この後よりオスニエル王子と決闘をしていただきたい。そしてコテンパンに叩きのめして欲しいのです。」

「はぁ?」


いや、何だよその頼み。思わず変な声が出ちまったじゃないか。

百歩譲って決闘してくれってのは分かる。どうせあの王子がワーギャー喚いたんだろう。でもエルベルド王は危害を禁ずるとか言ってなかった?

しかも、コテンパンに叩きのめしてくれって、それ不敬罪にでも当たるんじゃないのか?他に人もいないし俺自身、チクるつもりもないけどさぁ。


「えーっと、決闘?って何でさ。」

「第一の理由はウルトル様に勝って御自分の方が力があると証明したいのでしょう。ウルトル様に突き飛ばされた際、相当悔しく思われたのでしょう。」


あーあの押し出しかぁ。灸をすえるつもりだったんだけど更に炎上させてしまったのか。浅はかだったなぁ……でも俺もイライラしていたし。は、理由にならんか。反省反省。


「エルベルド王は何も言わなかったの?」

「王はオスニエル王子の一度言い出したら止まらないことはよく分かっておりますからね……『正々堂々と勝負せよ、それでこの話は手打ちだ。彼らに迷惑をかけるでないぞ。』と。」


エルベルド王諦めんなよ!そこで承諾するんじゃねぇよ!もしかして少し息子叱り過ぎたかな、少しは花持たせてやらんとなとか考えてるんじゃないのか?


「危害を加えるなという件は?」

「はい、今回の決闘では、我が国の訓練用の闘技場で行うことになりまして、その闘技場内で傷を負ってもその場から出ると傷が修復されるという機能がございます。」


なんじゃその不思議闘技場は。なるほどねぇ、決闘中は怪我するけど闘技場から出たらあら不思議怪我無いよ!これは危害加えたことにならないよね!

なるわ!屁理屈こねてんじゃねぇよ!?

いやいや、こんなの断りますわ。第一今日はユッテと観光するつもりなんだしやんわりと断るか?


「あのー、それ断ることは出来るの?」

「出来ますが……あまりいい方向にはならないかと。」

「え?」

「正直オスニエル王子はもちろんとして騎士団もあなた方に良い印象はありません。そんな状態で断っても見て下さい。ルーマル家の息子は王子からのありがたい決闘の申し込みを断った貧弱ものだーとか流されるかもしれません。」

「いやいや、そんなのエルベルド王が許さないでしょ。」


あの王様はそういう卑怯めいたことは絶対嫌いなはずだ。じゃなきゃあんな雷落とさないもんな。

息子は卑怯っぽく成長したけどね。


「はい。王もお許しにならないでしょう。しかし、噂というのはどうあっても流れてしまうものです。」


まぁ前世でもそんな感じだよね……チッ面倒くさい。

ここで俺が断わったらルーマル家に迷惑がかかりかねないという事か。あんのクソ王子、いっぺん痛い目見なきゃ分からないようだな。

しょうがない、この決闘受けるしかないよね。


「分かった。受けるよ。」

「申し訳ありません、ウルトル様。こちらの勝手な都合に巻き込んでしまい……」

フォルクスは立ち上がり腰を曲げ、深くお辞儀をする。いや、本当にフォルクス苦労しているんだろうなぁ……可哀想になってくる。

でもただ決闘受けるだけじゃこっちに何のメリットもないよなぁ。あっそうだ、良いこと考えた。


「フォルクスさん、頼みがあるんだけど……」

「はい、何でしょうか。私にできることでしたら何なりとお申し付けください。」

「決闘が終わったらここの名所、教えてくれない?もしくは連れてってくれない?ユッテと観光するつもりなんだけどやっぱり現地の案内人が欲しいからさ。」


俺の頼みの内容にフォルクスは呆気にとられたようにぽかんとした表情になる。

俺が何を頼むと思ったんだよ……

と思ったら小さく笑った。あらイケメン。


「畏まりました。それでよろしいのであれば、とびきりの名所に案内させていただきます。」

うんうん、これなら少しは決闘を受ける気にもなるというものだ。

あ、そうだ。まだ気になることがあったんだ。


「それにしてもフォルクスさん。王子をコテンパンなんて……あなた執事でしょう?」

「厳密にはエルベルド王直属の執事ですよ。……王子は最近力を得たからか慢心が過ぎてると思いまして、ここは一度頭を冷やしていただきたいなと。」


あれは冷やす必要あるな。あいつの頭、自信で燃え盛っていそうだもんな。


「俺が負けるとか思わないの?」

「それに関しては全く心配しておりません。だってウルトル様、騎士団に囲まれたとき……平然としていたではありませんか。襲い掛かる直前でも……それは王が止めずとも対処できたという確信があったからでは?」

「……ノーコメント。」


この人あの状況で俺の表情まで観察していたのかよ、末恐ろしいな。王直属執事フォルクス。

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