王都の中へ
「大きい城だなぁ……」
うちの屋敷の何倍ものでかさじゃないのか、アレ。
「一種の名物だからな、あの城は。と言ってもあれ半分使ってないらしいぞ。」
ラディさんがそう教えてくれたが、何なんだその城。もはや崩してしまった方がいいんじゃないかそれ。
「なんでも昔の王が尊大な性格らしくてな、自分の力を示してやりたいとあんな城を建造したらしい。今の王はそんな性格ではないのだが、遺されたものだからって壊したがらないんだ。」
だからって流石になぁ……ならせめて国民が使えるようにするとか何とかしろよ、仮にも王ならよ。
まぁそんなことより入門だ入門。結構行列が出来ていたが、偉い身分の人専用の通り道があるらしく、俺たちはそこを通ったためスムーズに入ることが出来た。
さて、入門してまず飛び込んできたのは……人、人、アンド人だ。
とにかく人が沢山いるのだ。
ただ馬車の通るための道路はちゃんと整備されており、そこは歩行者は通らないし、車内が大きく揺れ動くことは無かった。
少し窓から顔出しただけで色々な店が構えているのが見える。
本屋だったり武器屋だったり、あれは八百屋みたいだな。おっギルドって書いてある。それにどこからかいい匂いも漂ってくる。
あーこれは冒険したいな、否、しなければいけないな!そう!見聞を広めるため!ビバ見聞!
「あーウルトル、城下町に行くのは構わないんだがまずは王に謁見しなければいけないんだからな?」
チッまぁそれが主目的だから仕方ないか。ラディさんの面目をつぶすのは俺としても嫌だからな。恩もあるし
そんな訳で俺たちを乗せた馬車を真っ直ぐあの無駄にでかい城に向かっていく。
嗚呼、様々なお店が遠ざかっていく、見聞が……美味そうな屋台が……
ちくしょう!自由時間が出来たら絶対立ち寄ってやるからな!
あ、そうだ。王都に俺産の植物植えてあの花畑のようにブックマークつけておこう。
……どこに生やそうかな。
と、今はそんなことは置いておこう。実際後回しでもいいからな。
俺の今考えるべきことは王に謁見するとして、何を話すかだ。
一応、考えられる質問には答えられるようにはしているが、想像を超えることを聞かれるかもしれないからな。
少なくとも俺がウォーウルフを殲滅したのは内緒にした方がいいよな。
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「いや、本当にでかくないですかね。」
「私もこの城の大きさには本当に慣れないんだよなぁ。」
大きく見上げなければ満足にこの城のてっぺんまで見ることが出来ない。
俺は大丈夫だが、ユッテは首が痛そうだな……まともに見上げない方がいいな。
城門に近付くと2人の男が見えた。
いや、片方の男よく見たら角が生えているな、もしかしてこれが魔族なのか。
ほー、魔族には角生えているのか
こいつらこのタイミングで出てくるという事は
「止まれ!お前たちは何者だ!」
あぁ、やっぱり門番だよね、そうだよね。
「では私が説明に行ってまいります。」
「あぁ頼んだよ。」
ラディさんが指示を出す前からアイヴィーさんが速やかに馬車を降り門番へ説明に行った。
チラッとフィーレさんを見ると苦笑いしてバツ印を腕で表した。
暗に「私じゃ無理です。」と言っているのだろう。
うん
知ってる。




