# ■第8話タイトル **「君を忘れれば、世界は救われる」**
# ■第8話タイトル
**「君を忘れれば、世界は救われる」**
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静寂。
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誰も動かない。
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崩れゆく夢の世界。
無数のユメ。
終わりの未来。
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その中心で。
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夜守は立ち尽くしていた。
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## ■残酷な答え
黒いユメが言う。
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「答えは簡単」
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「私たちを忘れればいい」
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夜守の心臓が止まりそうになる。
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「……忘れる?」
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黒いユメは頷く。
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「未来は記憶に引っ張られる」
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「あなたがユメを覚えている限り」
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「未来は分岐し続ける」
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つまり。
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ユメを忘れる
↓
分岐が消える
↓
世界が安定する
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## ■代償
夜守は震える。
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「じゃあ……」
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「俺が忘れたら」
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黒いユメは微笑む。
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「私たちは消える」
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その言葉に。
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本物のユメは黙っていた。
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反論しない。
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できない。
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それが真実だから。
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## ■二人だけの時間
世界の崩壊が少しだけ止まる。
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ユメが夜守の手を引く。
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「少しだけ」
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「二人で歩こう」
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夢の世界の海辺。
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存在しない夕焼け。
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誰もいない砂浜。
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二人は並んで歩く。
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まるで普通の恋人みたいに。
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## ■ユメの願い
ユメは空を見る。
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「ねえ」
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「私ね」
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少し笑う。
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「本当は未来なんかじゃなくてよかった」
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夜守は黙って聞く。
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「普通の女の子になりたかった」
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「学校に行って」
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「友達作って」
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「恋をして」
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そして。
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夜守を見つめる。
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「あなたと生きたかった」
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夜守の胸が締め付けられる。
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## ■初めての告白
風が吹く。
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ユメの身体が透ける。
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もう長くない。
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夜守は唇を噛む。
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そして。
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初めて言う。
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「好きだ」
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ユメの瞳が大きくなる。
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「……え?」
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「好きだ」
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「未来でも」
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「夢でも」
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「偽物でも関係ない」
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「俺は、お前が好きだ」
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ユメの頬を涙が流れる。
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「ずるい」
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そう言いながら笑う。
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今までで一番綺麗な笑顔だった。
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## ■最後の真実
その時。
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ゼロが現れる。
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しかし以前のような敵意はない。
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どこか悲しそうだった。
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ゼロは夜守を見る。
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「俺も同じだった」
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夜守が振り返る。
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ゼロは続ける。
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「俺も彼女を愛した」
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「だから世界を壊した」
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夜守は息を呑む。
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ゼロは未来の自分。
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つまり。
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自分も同じ道を歩く可能性がある。
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## ■記憶の代償
黒いユメが告げる。
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「選択の時が来た」
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空が崩れる。
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世界が砕ける。
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無数の未来が落下していく。
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そして。
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夜守の前に二つの扉が現れる。
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### 白い扉
ユメを忘れる。
世界は救われる。
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でも。
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ユメは完全に消える。
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### 黒い扉
ユメを選ぶ。
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世界は崩壊する。
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だが。
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ユメは生きられる。
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## ■引き
夜守は震える。
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選べない。
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選べるはずがない。
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その時。
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ユメが夜守を抱きしめる。
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そして耳元で。
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小さく囁く。
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「ねえ、こうちゃん」
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夜守の目が見開かれる。
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今まで一度も呼ばれなかった名前。
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「……どうして」
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ユメは泣きながら笑う。
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「だって」
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「私は、最初から全部知ってるもん」
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その瞬間。
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夜守の脳裏に。
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封印されていた記憶が流れ込む。
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小学生の頃。
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病院。
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白いベッド。
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そこにいた。
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白い髪の少女。
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夜守は凍りつく。
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「……まさか」
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ユメが最後に微笑む。
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「やっと思い出したね」
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# ■第9話予告
**「君は未来じゃない。僕の初恋だった」**
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物語はここから最大の核心へ入る。
ユメの正体は「未来」だけではなかった。
夜守が忘れていた“ある少女”との約束が、すべての始まりだった。




