# ■最終章・第10話タイトル # **「君は、僕の眠りでしか生きられない」**
# ■最終章・第10話タイトル
# **「君は、僕の眠りでしか生きられない」**
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白い光だった。
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世界が消えたのか。
自分が消えたのか。
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夜守 恒一には分からなかった。
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ただ。
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誰かの温もりだけが残っていた。
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ユメの手。
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その感触だけが。
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まだ消えていない。
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## ■最後の夢
気づくと夜守は、病院の屋上にいた。
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夕焼け。
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小学生の頃の景色。
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二人で約束した場所。
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そこにユメがいた。
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病院の服姿。
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まだ未来にもなっていない。
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まだ夢にもなっていない。
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ただの少女。
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「懐かしいね」
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ユメが笑う。
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夜守は泣いていた。
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「帰ってこいよ」
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「今度は忘れないから」
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ユメは優しく首を振る。
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「それはできない」
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夜守の胸が締め付けられる。
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ユメは空を見る。
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「私ね」
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「本当は死ぬのが怖かった」
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初めて聞く本音。
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「未来なんて見たくなかった」
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「もっと生きたかった」
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「もっと笑いたかった」
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涙が零れる。
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ユメの目からも。
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夜守の目からも。
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## ■タイトルの意味
ユメは夜守を見る。
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「こうちゃん」
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「私が未来になれた理由、分かる?」
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夜守は首を振る。
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ユメは微笑む。
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「あなたが忘れなかったから」
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「忘れたと思ってた」
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「でも違った」
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「心の一番深い場所で」
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「ずっと眠らせてくれてた」
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夜守は気づく。
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眠りの力。
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未来を見る力。
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ユメに会える力。
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全部。
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全部。
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あの日の約束から始まっていた。
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「君は、僕の眠りでしか生きられない」
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その言葉。
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それは呪いじゃない。
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愛だった。
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## ■ゼロとの決着
その時。
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背後にゼロが現れる。
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未来の夜守。
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孤独な夜守。
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絶望した夜守。
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ゼロは静かだった。
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「俺は間違えた」
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初めて認めた。
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「守ることしか考えなかった」
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「失うことを恐れた」
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ユメが微笑む。
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「うん」
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ゼロは泣いていた。
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何百年ぶりか分からない涙。
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「もう疲れた」
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ユメは手を差し伸べる。
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「おかえり」
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ゼロの身体が光になる。
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崩れていく。
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最後に。
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未来の夜守は笑った。
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「頼んだぞ」
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そして消えた。
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## ■選択
世界の崩壊が止まる。
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未来の分岐が閉じていく。
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でも。
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ユメも消えていく。
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夜守は叫ぶ。
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「嫌だ!!」
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ユメは泣きながら笑う。
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「ありがとう」
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「大好きだったよ」
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夜守は手を伸ばす。
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届かない。
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もう届かない。
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ユメの身体が光になる。
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花びらになる。
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そして。
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最後に。
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キスをした。
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一瞬だけ。
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「またね」
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ユメは消えた。
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## ■エピローグ
一年後。
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春。
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桜が咲いていた。
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夜守は高校三年生になった。
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眠りの力は消えた。
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未来も見えない。
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夢の世界もない。
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でも。
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後悔はなかった。
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学校帰り。
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公園の前。
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一人の少女とぶつかる。
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「あっ」
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白い髪。
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見覚えのある瞳。
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少女は慌てて頭を下げる。
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「ご、ごめんなさい!」
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夜守の心臓が止まりそうになる。
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少女は首を傾げる。
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「どうかしました?」
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知らない顔。
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知らない声。
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知らないはずなのに。
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夜守は笑う。
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涙が出そうになる。
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「いや」
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「初めまして」
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少女も笑う。
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「初めまして」
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風が吹く。
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桜が舞う。
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その中に。
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一枚だけ。
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白い花びらが混ざっていた。
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# 完
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## エンディングテーマ後の一文
> 人は眠る。
>
> それは忘れるためじゃない。
>
> 明日を夢見るためだ。
**『君は、僕の眠りでしか生きられない』 完結**




