昔々のお話は
昔々神様は、世界に四つの大陸を作った。
主な人口が人間や小人で構成され、これといって突出した点はないが他人の技術をまねるのが得意な「彩色大陸」
主な人口がフェアリーやエルフで構成され、とても手先が器用で物を作る技術が他の大陸よりも優れている「花草大陸」
山々が連なり火山も多く、そのため住んでいるのがドラゴン族しかいない「石岩大陸」
美しい歌声の天使や楽器の得意な悪魔たちで構成された「楽音大陸」
それぞれの大陸では、個性豊かな種族が幸せに生きていた。
しかし、石岩大陸のドラゴン族によってその平和は崩されることとなる…
その年になったドラゴン族の長は、非常に気性が荒く、他の大陸の技術を盗むために戦争を仕掛けてきた。始めに彩色大陸へ向けて侵攻してきた。力では圧倒的にドラゴン族の方が有利で、しかも彩色大陸にはこれといって突出した技術がなかったため、町は破壊される一方だった。そのため彩色大陸の人間と小人の長は、同盟大陸であった草花大陸に助けを求めた。ドラゴン族の進行が徐々に草花大陸に伸びてきていたため、彼らは快く物作りの技術を彩色大陸に与えた。そのかいもあって彩色大陸と草花大陸は徐々にドラゴン族の侵攻を抑え、大陸の端へ追いやった。だがしかし、ドラゴン族の侵攻のせいで彩色大陸の町も草花大陸の町も壊滅していた。
この戦いで何人もの人の命が断たれた。そのため立て直しを早く進め、この先何年もこのことを忘れないようにしようと慰霊碑を立てたかった。そこで力を借りたのが中立の立場にあった楽音大陸の天使や悪魔たちだった。彼らの音楽には特別な力があった。天使の美しい歌声は彼らを癒し、悪魔の力強いリズムは彼らを鼓舞した。そのため大陸ごとの立て直しはとても早く進み、数年後には元の活気を取り戻していた。
彩色大陸、草花大陸、楽音大陸はこの先何年も助け合うことを誓い、それぞれの種族の長たちの手で、一つの大陸にまとめられることが決定した。そして次の世代にはそれぞれの長の子供たちの手で七つの国が作り上げられた。
彩色大陸の人間の長の娘が女王であり、他の国を明るく照らす中心国「彩音国」
彩色大陸の人間の長の息子が国王であり、年中雪が降っている王国「白狐国」
彩色大陸の小人の長の息子が国王であり、夜が明けない国「黒狼国」
草花大陸のエルフの長の娘が女王であり、たくさんの花が咲く国「赤鯨国」
草花大陸のフェアリーの長の娘が女王であり、最も水面積の大きい国「青梟国」
楽音大陸の悪魔の長の息子が国王であり、農耕の盛んな国「黄虎国」
楽音大陸の天使の長の息子が国王であり、緑豊かな国「緑熊国」
七つの国はお互いに助け合い、平和を乱さぬように心がけている。
そして、七つの国を共通して一つだけ絶対に破ってはならない掟がある。
『終焉大陸には決して近づいてはならない』
誰もが教えられるその大陸は、かつて戦争を仕掛けてきたドラゴン族を結界によって閉じ込めている大陸であり、その決壊があまりにも協力であるため近づいたものまでがその大陸に吸い込まれてしまう。
その結界はかつて三大陸それぞれの長が協力し外側から音楽で結界を張ったのだそうだ。その結界は内側からの音楽でしか壊せず、音楽という知識がないドラゴン族には絶対に破られぬように、というものである。
「だってさ!」
大きな声を張り上げて小さな体の主はそういった。
「でも実際って今となってはもうわからないと思はない?ねぇお父様」
大きな瞳を輝かせ論理的に意見を述べる彼女は彩音国の第一王女である虹玉彩音である。
「んー…でもそれもかなり昔の書物だし、確かに終焉大陸ってのはあるからもしかするともしかするかもしれないよ?」
お父様と呼ばれるその人は、この国の国王で彩音の妹の彩香を抱えてそういった。
「えー?そうかなぁ??」
昔々から何十年もたった後の現在。
今日この日は、前彩音国女王で彩音の母の命日。そのため、彼女らはお城から少し離れた墓地に来ている。
「なぁ、彩音。もし、僕がもう少ししっかりしていればあの祭典も無くならずに済んだのかな?」
彼の言う祭典というのは、十年前、前女王が戴冠式の際に作った歌の祭典のことである。前女王はとても聡明で、しかし活発な人であったため各国の王家の者や町の者がもっと触れ合えるようにということでそれぞれバンドを組み、それを披露するというものだった。
だが、元々体が弱かった女王は、就任してからの仕事の疲れからかだんだん床に伏せることが多くなっていった。そして六年前、彩香を生む際に亡くなられてしまった。
それからというもの、国王もお城からあまり出ることが少なくなったため町は活気を失い、祭典も無くなってしまった。
「そんなことないわお父様。お父様だってしっかりお仕事してたもの。私はずっと見ていたわ。お父様が大好きよだからもっと自信をお持ちになって」
「ありがとう、彩音は優しいな。僕の自慢の娘だよ」




