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女性にぶつかって謝りもしない。
哀れな王女様の姿を眺める。悲劇のヒロインだね。罪悪感が無い訳じゃないけど、彼女は勇者を歓迎して私を追い出した一人なんだ。
・・・ざまぁみろ。
「あっ」
痛くは無い。痛くは無かったけど、衝撃を受けて持っていたグラスを落としてしまった。
誰だ?相手を見る。
あぁ・・・公爵家のダメな方。一族の汚点。放蕩息子な次男坊。
あれぇ、舌打ちしてどっか行こうとしてるよ?
こんないい金づるを逃す訳ないじゃない。
落としたグラスの割れる音でチラチラと注目を集めている。さて、可憐な女の子らしく泣いてみましょうか。
くけけ、焦ってる焦ってる。笑いを堪えて震える肩は泣いているように見えるから、好都合。
・・・最近の私は悪役だな。まぁ、勇者達や勇者を歓迎する奴らにとっては悪役なんだけど。
とりあえずはこの女の子にぶつかっておいて、ごめんの一言も無い男に集ろう。




