六十九話
ミーシャと相対し剣を構える。
「いきます」
ミーシャは一気に近づくと剣を横なぎに振るってくる。
それを一歩下がることでかわす。
防戦に回ったら攻撃する機会がなくなるのをわかっているミーシャは次々と剣を繰り出してくる。
それらを回避しつつ大振りになった所で剣で受けて体勢を崩す。
体勢を崩されても即座に反応して剣を振るってくる。
疲れた体でよく動いている。
上段からの一撃を巻き上げて剣を弾き飛ばす。
「あぅ。剣が飛んでいってしまいました」
「ここまでですね」
「ありがとうございました。何かつかめた気がします」
「それはよかったですね」
訓練に一段落ついたところで結界に侵入者の反応がある。
屋敷からセバスチャンが出てくる。
「ウィリアム様、下級竜が侵入したようです」
「そのようですね。私が対応しますので大丈夫ですよ」
「かしこまりました」
侵入した下級竜は一直線にこちらに近づいてくる。
下級とはいえ竜のため移動速度が速くあっという間に目の前に現れた。
視界に入ると同時に無詠唱でウィンドカッターを放ち首を切断する。
下級竜が大きな音を立てて崩れ落ちる。
「ウィリアムさんにかかれば下級竜も赤子の手をひねるようなもんなんですね」
「さすが師匠です」
「マジックバックを作るのに結構使ったので丁度よかったですね」
魔法を駆使しながら解体作業を手早く行っていく。
「ウィリアム様。本日のご夕食はバーベキューなどいかがでしょうか」
「いいですね。二人はどうですか」
「賛成です」
「下級竜の肉かぁ。どんな味がするんだろ」
ミーシャの尻尾はブンブン揺れている。
嬉しいのだろう。
「それでは他の材料を揃えてまいります」
解体の終わった素材と使わない分の肉を収納魔法にしまい下級竜の肉を焼きやすいサイズにしていく。
セバスチャンがバーベキューセットを持ってでてきて手際よく炭をおこしてくれる。
そこに早速肉を並べ焼くと香ばしい匂いが立ち込める。
「おにくぅ。おにくぅ」
焼けるのが待ち遠しいのか尻尾を振りながら眺めているミーシャ。
「お野菜もすぐ用意しますのでバランスよくお食べください」
焼きあがった肉をミーシャとミリアーヌが一口食べる。
「お肉に油が乗っていてでもしつこくなくて美味しいです」
「これが下級竜の肉かぁ。想像通り美味しいよ」
「お代わりはまだまだりますので遠慮せずに食べてくださいね」
「後はわたくしめがやりますのでウィリアム様もお食べください」
野菜を切り終わったセバスチャンにワインを注いでもらいそれを飲みながら喜んでいる二人を眺めていた。




