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老賢者は始祖になる  作者: 髙龍


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四十七話

ミリアーヌの修行と並行して魔界の貴族である魔王達の侵攻を止められるのかを考える。

魔界からこちらに来るためには誰かに召喚されるのが一般的だ。

転移魔法は行きたい場所をイメージすることで移動しているその応用で世界を渡れるのではないかと推察する。

「セバスチャンは転移魔法を使えたよな」

「はい。使えますがどうしましたか」

「魔界とこちらを行き来することはできるのだろうか」

「通常より魔力は使いますが可能でございます」

「なるほど。召喚で一度こちらに来たり転移可能の者に連れてきてもらえば多くの魔王はこちらに自由にこれるわけだ」

「転移可能な者は少ないですが理論上はそういうことになりますね」

「理論上ということは出来ない理由があるのか」

「魔界と人間界に関わらず世界の境界には通常転移を阻害する結界のようなものが張られているのです。私の場合はウィリアム様と契約することで緩和されているのです」

「契約主のいない者はどうやってこちらに来るのだろうか」

「魔界には転移の間というものがございまして長い年月をかけて魔法陣に魔力が溜まるとこちらの世界にランダムに送られ一定期間が経つと魔界に戻されます」

「つまりその魔方陣を破壊することができれば魔王の侵攻を防ぐことができるということだな」

「お勧めはしませんね。魔界は魔力濃度が高いのです。人間に高濃度の魔力は毒となりますのでウィリアム様でもまともに活動できないと思われます」

「そうなると現れた魔王にその都度対応するしかないわけか」

「それが現実的かと思われます。これは聞いた話になりますが人間に討伐された魔王という者もおりますので全てをウィリアム様が相手にする必要はないかと」

「セバスチャンがいてくれて助かった。でなければいまだに調査資料をにらめっこをしていた所だ」

「お役に立てたようでなによりです」

話に一段落ついたところで今日の修行を終えたミリアーヌが戻ってきた。

ミリアーヌの修行は順調だ。

水を得た魚のように知識を吸収していく様は見ていて気持ちいい。

「そろそろ食料の買い出しにロッテムハルトまで行きますが一緒にどうですか」

「久しぶりの街ですね。もちろん一緒に行きます」

「それでは明日の朝に出発しますので準備をしておいてくださいね」

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