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死因から異世界転生直前まで

僕は25歳の社会人。工場作業員として、働いて今年で5年目。

職場ではホープではなく、かと言って落ちこぼれでもない。

ただ普通に働いて、普通に家に帰っての繰り返すだけの毎日。


ある日、いつもどおりに金型を移動して、

セットしようと金型を降ろす動作をしていた最中、

急に何かが工場内を飛んできて、吊るす為のワイヤーに直撃。

不幸な事に整備不良でも無いワイヤーが強い衝撃で千切れて、

吊るしてあった金型が頭上に落ちてきた。

直撃を避けられず、グロテスクな死に方をするところまで行かずに一転。

真っ白な空間に飛ばされる。


最初、何が起きたか分からず、死ぬ瞬間はこうなのかと勘違いをしていた。

しかし、全身のどこにも痛みが無かったので、どういう事かと考えていると

「いやあ、死ぬ直前の顔っていつ見ても面白いわね」

何もない空間の向こう側から、下品な女性の笑い声が聞こえてくる。

(失礼な奴だな、人の死を笑うなんて)

僕は声の正体よりも、言動自体に少しイラつきを覚えた。


そして、数分後にその姿が明らかになる。

声の主はいかにも天使のような白一色の衣装を身に纏っていたが、顔を見れば

邪悪としか言いようのない、変装の下手な悪魔にしか見えなかった。

僕は思わず気が遠くなりそうになると

「あなたの死因は金型につぶ……まあ、どうでもいいわ。

  それよりも異世界に行く事が強制的に決まってるから

   適当に決めたギフトを教えるわ。その名も『金型』ね」

さらなら笑いを堪えている姿を見て、

速やかにこの悪魔のような何かから姿を消したいと思った。

しかし、さらなる失言を放ち

「私、女神だから。

  反抗心なんて起こさないほうがいいわよ。消そうと思えば消せるから」

右側の口角を上げて、服従を強要する。

この発言がダメだった。

僕は与えられたであろうギフト『金型』を発動し、

空気が無い『無』に近い物で金型を創造。

形を地球にあるただの石ころにして、瞬時に女神を囲んで両側から挟んだ。


女神はそこら辺の石ころに姿と化す。

その状態から女神は何か言おうとしたが

「若者よ、わしの言葉に従えば、そこの女神の脅威から逃がしてやるぞ」

何もないはずの空間から別の声が聞こえてきた。

今度は初老と思わしき声である。

僕は迷う事無く

「お願いします。この悪魔のような女神から私を逃がしてください」

なるべく大声ではっきり答える。

次の瞬間、僕はどこか別の場所へと痕跡を残さずに姿を消した。


それから数分後、金型で石ころに成型されたままの女神は激しい怒りの表情で

「あのクソ野郎!元に戻ったら、存在ごと消してやるからな」

誰も居なくなった空間で憎しみに満ちた言葉を叫んだ。

今の姿を見て、誰も女神と言う崇高な者とは誰も思わないだろう。

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