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詩集1  作者: 明葉いより
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ニゲラレナイ

過去の過ちは若気の至り

ろくでもない

クソガキだった頃を捨て

振り返ることなく

前を見据えて未来を歩む


俺には明るい光と幸せしかない


ボタボタと赤黒い水滴が

こぼれ滲んでいく

それは過去の名残だ

こんなものは埃と同じ

気にしない


俺は勝ち組だ

愛する妻と結婚し

愛する子を持ち

我が子を育てながらも

懸命に仕事に専念し

趣味にいそしむ

周りにも人間も

俺を慕う良い奴らばかり

そんな人生を楽しみながら

たくさんの功績を重ねていく


ついに

仕事の功績が認められ

会社から表彰された

誰もが拍手し祝福される

とても己が誇り高い


光に満ちた世界

努力し認められた者だけが

到達できる輝き

真の勝ち組だけが味わえる生き様だ


ふと視界の端に

黒いものが見えた気がした

ぼたぼたと


気にしない

気にしてはいけない

気にする必要はない


……

……

……


ぽん、と肩を叩かれ

後ろを振り向いてしまった


真っ黒な濁った赤色

腐敗と粘液が滴る世界


俺がクソガキだった頃の唯一の過ち

アレはまだ見つかってない(・・・・・・・)はずだ


粘液が人の形となり

ワラッタ


『ニゲラレナイ』


それが水のように弾け

真っ赤な血飛沫を浴びた

凄まじい腐敗臭

生き物のように俺の首を

絞めつけようとしてくる


そこから絶叫して──

覚えていない



気づいた時には

牢獄の中にいた

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