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詩集1  作者: 明葉いより
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感染

若き旅人は舟に乗って

海の向こうを目指した


流れ着きしは 異郷の地

夢見たる新地 新たなる息吹


初めて出会う 大陸の人々

彼は知識者として 王都に迎えられた


されど彼には ある病あり

故郷の地では ありふれた風土病

そこでは薬も抵抗もあり

感染しても 死に至らず


されど

大陸にはなきその病は

免疫なき人々に 瞬く間に広がる


高熱に 息苦しさ 謎の湿疹

幼い子どもや老人は

なす術もなく逝く


旅人が招きし 最悪の病

彼は悪魔と称され 人々の前で断頭台へ

屍は焼かれ海に流された

彼の持ち物も舟も焼かれた


隣国より 交易の船が出向く

脅かしていた病のため

旅人の故郷と交易を結び

医師と多くの薬を運ぶ


蔓延していた国にも

薬と医師が派遣される

特効薬にて

ようやく人々は救われ

病の苦しみから解放される


……

……

……


今は大陸に溶け込みて

ありふれた一つの病


事前に防ぐことで 軽く済む

死の恐怖は 遠き日の影


処刑された 旅人の名を刻み

その病の名は『ルエト病』と呼ばれた


多くの命を奪いし

忌まわしき病として

歴史の中に深く眠る

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