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神の手が触れるとき
いつか零れ落ちる天空に
いつか崩れゆく大地に
いつか満ちて終わる生命に
すべてが壊れゆく世界に
私はそっと手を伸ばし触れる
崩壊と消滅の凄まじい奔流を
掌の中に封じ込め
すべてを原初の種へと還す
種には未知の輝きを宿らせ
萌芽して息吹きを解き放つ
自然に伸びて
新たな創造と生命を築き始める
やがて長い年月をかけて
世界はその姿を変えてゆく
旧き世界とは異なる生命を宿し
繁栄の頂へと昇りつめる
だが、栄華は歴史の重みに耐えかねて
また崩壊と消滅へと向かっていく
始まりには必ず終わりがくる
終わりの気配が満ちたその瞬間
私は再び手を伸ばし触れる
そうして
世界の創造と消滅を繰り返す者
それが神と呼ばれる存在
神とて新たな世界の行方は読めない
その未知の発展こそが喜びであり
いつか終わりが来ることは
わかっていても悲しいのである




