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あなたという呪いを刻む
忘れゆくことが愛と言うならば
わたくしは何があろうとも
今までのことを
今日という日のことを
あなたのすべてを
覚えておきましょう
覚えておくことで呪いとなり
わたくしが蝕まれることになっても
かまわない……いえ、望むところです
あなたという存在は 決して消えないのです
わたくしの心の中で 永遠に生きるのですから
「己を忘れてほしい」というあなた
このわたくしを残酷な妻だと思われますか?
愛しい愛しいわたくしの夫
あなたのすべてが愛おしいのです
だってわたくしが
この世で最も愛するのはあなた
この心、この体、この魂に
呪いを刻みつけられるのは
あなただけなのですから
そう──
わたくしがすべてを捧げ
生涯をともに生きると誓ったのは
後にも先にも
あなただけなのですから
そして──
わたくしの深き愛を享受できるのも
あなただけなのです




