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めでたしの檻
嘘でも偽りでもいいから
夢でも幻でもいいから
あなたといる世界を望んだ
意識のどこかで
世界に終わりがくること
あなたが消えることが
とてつもなく怖く恐れて
けれど未だに
終わることも
消えることもない
私が望み選んだ選択は
私の願望と理想の結末
“めでたしめでたし”
めでたしの先に
不幸も悲劇もないのだ
未来も進展もないのだ
繰り返される日々は
過去に刻まれた事象と現象のみ
あなたは過去の舞台に
引き延ばされて
焼きつけられた演者
そこにあなたの意思や感情
自我はあるのだろうか?
私が描き出した
都合のいい幻像に過ぎないのか?
それでもいいのだと
思考を停止し感情を希薄し
いっそのこと壊れてしまえば
私は心底 幸福だ
……
……
……
そう そうすればいい
少なくとも──
不幸や悲劇は起きないのだから
私が変わればいいのだ
目の前にいる
あなたが愛おしくて
そばにいてくれることや
「愛している」と言ってくれることが
泣きたくなるほど嬉しくて
日々の生活が
ただただ穏やかで幸せで
──
──
世界が終わることも
あなたが消えることも
決して起きないのだから
幕が下りない演劇と
永遠の「アンコール」に
ああ……、私は幸せだ




