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砂粒を数えたら
砂粒を数えたら
未来が崩れていく
つかんだ砂を宙にさらせば
さらりと指の間をすり抜けていく
一つ また一つと
落ちる明日への未来
こほれ落ちた選択肢には
どれほどの輝きがあったのだろう?
私にはもう 選ぶことさえできない
されど 手の中に残る砂粒もあり
ビー玉のようにキラキラしている
選択肢は細くなれど
見えてくる確かな明日
私は砂粒の中から選択し
進む道を決断する
さらにそこで
得るものと捨てるものがある
具体的な形を得るほどに
将来は現実味を増し
他の未来が崩れ落ちる
されど数えぬままでは
何も始まらない
この矛盾を抱え生きるしかない
それでも私は数え続けるだろう
恐れながらも 先を踏み出すために
砂粒の中に 新たな道を見つけるために




