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路地裏のおはなし  作者: 水玉苺
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第四話

 しばらく歩いていたが大体の猫はまだ寝ているため、あまり情報が得られなかった。

 そのまま帰ろうかとも思ったが二人のいる路地裏までは結構距離があるので、知り合いの寝床へ行き、休むことにした。


「おじゃましま〜っす」


 ソラは体を猫型から人間型へ変更した。

 間が空いて「……ん?あぁ、おふぁよう……」と先ほどのソラにも負けないマヌケな返事を返した。


「おい、レオ。いつまで寝てんだよ」

「……うゅ」


 返事なのか、ただ声が漏れただけなのか、レオから返ってきたのはその言葉だった。


「なぁ薄い茶色の尻尾を持つ奴知らねぇか?」


 いつもは可愛い顔のレオも、起きたばかりなせいか目つきが悪く髪ははねていた。

 レオは返事よりもあくびを優先して言った。


「他に特徴はないの?薄い茶色の尻尾持ちなんていっぱいいるよ」


 次に伸びをし、顔を洗い始めた。


「尻尾の先が白くて……根元にいくほど茶色が濃くなっていたぜ!」

「ふぅん……」


 返事はしたものの、レオは興味がなさそうにまた伸びをした。


 今は午前10時。暖かな日差しが心地いい。気を抜けばあくびが出る。

 ソラはレオと共に魚を頬張っていた。

 その時、小さな足音が聞こえた。

 足音の犯人を見た時ソラは両目を見開き、くわえていた魚を地面に落とした。


「レオ……誰……?」


 その猫の尻尾は先が白く、薄い茶色だった。肌は白く目は茶色い。少し長めの髪はおさげにしていた。


「なぁ……レオ。オレが探してたの、こいつだ」

「え?モモだったの?」


 モモと呼ばれる少女は両手いっぱいに魚を抱え、言った。


「い、一緒に食べましょ……?」


 #


 ソラはたらふく魚を食べ、満足そうな笑みを浮かべながら路地裏へと歩いた。

 途中、ミミの住んでいる家があったが本人はいなかった。

 ソラは一つ、気付いた事がある。……モモに出会ったその時から胸が苦しいのだ。だから、きっとそれは「恋」なのだとソラは思う。


 路地裏に着くと二人はまだ寝ていた。

 ソラはまた元の位置に戻り、目を閉じた。

 途中で会ったミミのこと、一目惚れをしたモモのこと、ずっと歩いた道のこと……魚を食べたレオのこと。

 それらを思い浮かべるだけで、ソラはすぐに眠りにつくことができた。

 ラキはムクッと起き上がり、そんなソラを見て「ソラ、まだ寝てるんですか」と微笑んだのだった。

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