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路地裏のおはなし  作者: 水玉苺
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第一話

 ここは春苗はるなえ市。海の匂いが辺りを満たす、平和な町。

 この町には猫が多く、耳をすませば「ミャーミャー」と鳴き声が聞こえてくる。

 また、漁が盛んであり漁師が猫に魚を恵んでいる光景も珍しくは無い。

 ……だが猫達には大きな秘密がある。

 実は人間が見ていない路地裏で、猫達は人間の姿に化け、生活しているのだ。

 しかし、所詮は猫。完全に人間の姿になることはできず、特徴のある三角の耳が残ってしまたり、ふさふさとした尻尾が残る者がほとんどだ。中にはヒゲすら残る者もいる。

 それでも人間の姿の方が楽しいようで、今日も猫達は鼻歌を歌いながら尻尾の毛づくろいをしていた。


「ふんふんふふ〜ん♪」

「まぁーた歌ってんの、ラキ」

「いいじゃないですかぁーっ!」


 ラキと呼ばれた少女。本名をラッキーという。もともと飼い猫だったが、ある日ダンボールに入れられ、街灯の近くに捨てられていたところを先ほど会話をしていたオタマに拾われた。

 予想はつくと思うがオタマの本名はタマである。


「おーい!魚もらってきたぞー!!」


 この野太い声の持ち主はソラ。オスである。


「きゃー!どうやって食べます?」

「あたしはあまり魚は好かん」


 そう。猫といえば魚のイメージが強いがそうでない猫は結構多い。


姉御あねごはどうして魚が嫌いなんだよ……こんなに美味しいのに……」


 ソラがポツリとつぶやく。姉御とはオタマのことであるが血は繋がっていない。


「しょうがないだろ。口に合わないんだから」

「……じゃあ俺達だけで食べっからな!」


 ソラが威勢良く叫んだのを聞いて、オタマは「好きにしな」とため息まじりに言った。ラキはというと、せっせと魚を焼く準備をしている。その目はらんらんと輝いていた。それを見てオタマはもう一回、先ほどより遥かに大きなため息をつくのであった。

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