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名も無き星の冒険者  作者: 流水斎
第ニ章
24/85

攻略開始!

ゲーム風解説第24回


@基本能力と、呪文の重さ

 このゲームでの能力値は、基本的に3つです。

1:パワー(強さ・抵抗力)

2:テクニック(適格さ・技術)

3:スピード(素早さ・移動力)


 この3つの能力で判断するか

フィジカル・モジュール干渉力・メンタル補正。の3つで判断するかの二種類の見方があります。

   P ・T ・S

肉体:体力・器用・敏捷

魔法:魔力・構成・呪速

精神:気力・知恵・起転


三種の能力が二系統の見方があるので、詳細を造るなら9つあると言えます。


キャラクターは能力が成長する時に

この3つ(P・T・Sでも、フィジカル・モジュール・メンタルでもいい)のどれかを1成長させるか

あるいは、9つに細分化したうちの、好きな場所2つを成長させられます。

(魔法戦士だと、器用と魔力が必要とかあるかも?)


ここで重要なのは

呪文に使うモジュールは

最大使用数。構成:(モジュール干渉力またはテクニック)

使用速度。 呪速:(モジュール干渉力またはスピード)

を使用して判定する事に成ります。

能力値+サイコロの数値が足りない場合は、次のターンに分割する事に成ります。

(パソコンで言うと、起動・通信が遅くなる感じ)

「さてと。まずは確証を得ておかないとな」

 俺は歩きながら、1つの呪文を作成し始めた。

 構成式は簡単な物で、生成呪文で土を造るだけ。

 生成コマンを示す光は俺の用意している属性なので、あとは土のモジュールを性質に組み込み、形状を壁型にすればいいだけだ。


「あとは試すだけなんだが…。っとあったあった」

 暫く歩いた後で、目的の物を見つける。

 『谷』から毒が漂って来る場所で、その辺一帯は獣がうろつかない場所だ…

 俺は注意深く危険範囲を調べると、その一角に壁を打ち建てる事にした。

「建て」

 俺のコマンドに従い、土が壁状に形成される。

 その壁は毒を一時的に遮って、縦横から迂回するように漂うまで、安全地帯を広げてくれた。


「…やっぱりな。毒を無作為に生成してるのと同じ状態か。効果範囲を満たすタイプになって助かったぜ。建て、建て、建て」

 三度ほど追加して壁を建てると、毒を遮る領域が広がる。

 最初の壁に連結する様な形で唱えた為、越えて来るまでに割りと長い時間が掛かった。

 これで実験は終了、あとはもっと根元の方で遮れるように射程を延ばした後で、近寄って何度か唱えればもっと喰い止める事が出来るだろう。


「アマデウスの野郎…。俺を脅すついでに、ヒントを置いて行きやがった。相変わらず喰えねえ野郎だ」

 …あいつが獣に乗って来た理由は3つ。

 1つ目は伯爵が用意している隠し玉をばらす事、2つめは俺がヘタレてる場合は始末する為。

 そして最後の一つが、毒の谷は攻略できると教えるヒントを用意したって訳だ。

 空間全体に満たされるとか、壁なんか役に立たない浸透性がある強烈な毒なら、肉体改造しているアマデウスはともかく、獣までが無事な訳はないからだ。

「これまでもきっと、何処かに直通路でも造ってたんだろうな。でないと神出鬼没過ぎる…」

 そう言いながら、今後のスケジュールを系統立てて考える事にした。

 この方法で向こうまでをショートカットしたり、獣の群れから退避できるのは間違いが無い。

 そうなればグっと探索が楽になるし、経過時間を大幅に節約できる。


「…問題なのは、その時間で何をするか、だ」

 脅威的なスピードで探索を終えました。画期的な方法があります…だなんて馬鹿正直に行く気は無い。

 別に政治に関わる気は無いので、伯爵と功績を立てあっても仕方が無いからだ。

 ならば、余裕の出来る時間と体力で、何を目指すのかが今後を分ける要となるだろう。

「やっぱ、あいつがどうなったかの確認だろうな…」

 事故当初から、友人であり、現時点の責任者であるドミネーターが行方不明だった。

 その癖、俺に対して伝言を残せるのだから…。比較的に近い位置から指示を出したのは間違いが無いだろう。

 あいつはあいつでアマデウスとは別の調子で神出鬼没だったので、毒の谷になった場所で死んだなんて、伯爵たちも気がつかなかったと言う辺りだろうか?

 その場合はアマデウスは最初から知っていて、答えざるを得ない質疑を避けて居たか、奴自身も知らない場所に埋まってる…?


「考え出すとキリがねえな。止めだ止め。…仮死状態とかいうオチもあるし、現地に行って確認してみるとすっか」

 生体反応を検知出来ない状態で死んだ可能性もあるが…。

 どちらかと言えば、何らかの遺言を残して死んだ可能性が高いだろう。伯爵がどういう性格かは、流石に把握しているだろうしな。

 そう結論付けはしたものの、出来れば仮死状態であって欲しいと見苦しく思う。

 友人が死んだと言うってのは、判って居ても、中々割り切れない。増して死体をみてねー上にあやふやな現状だからなおさらだった。


「方針が決まった所で、必要な物を集めつつ、周回を目指してみますかね」

 ここまで決まれば、やる事は簡単だ。

 突き進みながら獣を借りつつ、周囲の状況を把握するという基本のお仕事をまず片付ける。

 そのついでに、さっきの呪文を強化するモジュールを集める事が必要だった。

 基本構成はあのままで良いとして、形状をもっと便利に、できれば射程も増やしときたい。


「射撃形状の呪文に上乗せして、壁形状。または壁形状を、そのまま延ばすってとこか。どっちにしても先はなげえな…」

 結構な先に壁を建てるか、それとも万里の長城を延ばすかの二択。

 前者は高度なモジュールを複数使う必要があり、後者は簡単に手に入る物だが、負担が重いのでフィギア・スタッフの強化が欠かせない。

 指を折りながら、俺は必要なモジュールを数え始めた。

 探索行を続けながら、たまたま達成した方で…。なんて甘い考えは捨てた方がいいだろう。

 となれば、別のドミネーターと交換・協力するか、あるいは新種の獣の巣に首を突っ込むかしか無い。

「死にたくはねえし、あの馬鹿女ともう一度会う事になったら、分けて貰うとすっかね」

 問題は…あの女が素直に自分の武器を寄越すか?だろう。

 全てを説明すれば、谷に直行するか、伯爵と今直ぐ対決しかねない。

 それは避けて置きたいので、何か、調度良い理由が必要だった。

 んな馬鹿な事を考えるのもやはり、面倒なきがするなあ…。


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