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名も無き星の冒険者  作者: 流水斎
第一章
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混迷の終わりが近づいた日

「おおよその話は判りました。私向きのクラスを教えてください。どうせ試運転も兼ねているのでしょう?」

「やれ見抜かれていたか。モジュールの干渉系の中でも特化型の試作兼第一号で、ジュエル系を3つ固定が特徴だ。自動防衛用ドローンの雛形でもあるから試してくれるとありがたい」

 性格を知り合った者同士、遠慮の無い会話が続く。

 クロガネは仲間に対する固定イメージを相談抜きで持ち込んで、勝手にカスタムする昔ながらの匠であり、逆にサルマンデルは効率重視の脳筋タイプだった。

 お互いがお互いを知っているので、間の話を素っ飛ばして組みあげた新作を用意する。

「細かい内容は先ほど言いました通り後で覚えます。今との差を教えてください」

「これからは固定で火3つになる事。代わりに、ぐっと様々なコストが抑えられる。量産品とはいわんが、一点物から既存のカスタム品になったと思ってくれ。あとは最低限の干渉補正がつく」

 今の時点で、サルマンデルは戦闘での効率重視という好みで火力特化の火属性3つを所持している。

 これからはそれが変更できなくなる代わりに、扱い易くなるというのが大きな点である。

「逆に言えば、自衛用のドローンはそのくらいの実力を持っている。ドローンに負けない能力にするのは、お前さん自身の努力と言う訳だ」

「まあその辺はなんとかします。しかし貴重なツールを持ち出す扱いではないのがあり難いですね」

 一点物の熱用モジュール補充装置を持ちだしているが、1つに絞ることでその干渉パターンの命令をデフォルトで持たせておけるようになる。

 持ち出し用の発言力・功績力が不要になり、その分だけ自分用の小道具を色々と持ちだせるわけだ。

 当然ながら基礎属性1つに絞った単機能であれば、自衛用ドローンも同様の戦闘力を持てる。

 攻撃呪文が上手いというだけでは、ドミネーター失格と言われかねないので、気を付ける必要があるだろう。


「とりあえずコレは基本となる、シンプルで強固な物だ。失敗し難いが大成もしずらい。今はテスト段階にある上位互換のモノも用意しているが、いずれ乗り換えても構わんぞ」

「完成してから気にする事にします。まずは習熟してみないとなんとも言えませんし、上位の物が良いとも限りません」

 精霊と呼称した火トカゲの人形の隣に悪魔、ゴーレムと呼称した不格好な人形の隣に龍の模型を置き。

 その上で、火トカゲの隣にルビーを3つ、悪魔の隣に2つ置く。

 具体的にこうなるという訳でもないだろうが、例としては判り易い。

 上位互換で色々出来るというメリットが生じる半面、同じ物を3つ持つ場合の総合コストなど、扱い易さが違うのであれば大きな問題になる事もあるだろう。

「まあ技術は日進月歩だしな。その辺はそうなんだが…。おお、肝心な事を言い忘れて追った。お前、教師に成れ」

「そうですね。技術は……え?」

 聞き慣れぬ言葉を聞いた。

 というか、場違いで、人の的性を勘違いした言葉を聞いた。

 戦闘担当で、教わった事はあっても、おおよそ人に物を教えた事の無い彼女が何かを教えろというのだろうか!?


「すみませんがクロガネ。何か大きな勘違いをしていませんか?私は生まれてこのかた、人に物を教えたことはありませんが」

「だから人に教える事を介してより深く覚えろというんだ。だいたいだな、これから人が飛躍的に増えるんだぞ?熟練者を遊ばせておく余裕はない」

 死ぬ気で教え方を覚えろ。

 よくよく考えてみれば、これから何十名…最終的には200名近い人数が覚醒する事になる。

 部下の部下となる者や、今から生まれて来るような赤子は別にして…(少しだけ赤面)。

 直属の部下数人くらいは、確かに教えるべきなのだろう。

 だがそれは戦いや探索の中で自然と覚えて行く物だ…。そう言おうとして、質問を切りだすのに調度良い事に気がついた。

 これは新たな部署を造って、新しい担当者を起こしてから任せても良いはずだ。そして…。


「言いたい事は判ります。ですがクロガネ、それこそ新しい部門を決めるべきでしょう」

「確かにそうだが…。司書の奴が居ないとドミネーター級の起床要請を出せん。それにだ、4番目に任せようにも、わしも伯爵も会った事がなくてな」

 これは朗報だと言える。

 クロガネは自分の興味以外を丸投げする代わりに、自分の研究を推し進めさせる所がある。

 その彼や、権力に多大な興味のある伯爵が会った事が無い(おそらくはどういう人物かもしらない)というのは、証言としては重要だ。

 誰も会った事が無いというのであれば、機械のミスであるとか、何者かが紛れこませた投票権取得用の仮ナンバーの可能性が高まった。

 あとは他のメンバーの話をさりげなく聞きつつ、証言を固めて行けば良いだろう。


「その件はひとまず置いておきましょう。司書にしても4番目にしてもヒョッコリ顔を出すかもしれません。私としては、コレを使って早速退治に行ってきます」

「やれやれ。何度でも思うが、せっかち過ぎんか?」

 現時点でのスタッフを、フィギアやジュエル系を組み込んだ物と取り換える。

 その上で呪文系を一通りコピーすると、余った領域は干渉強化や予備のモジュールを放りこむ事にして立ちあがった。

 決断イコール、即行動。

 休む気もなく、暴れ廻ろうとする彼女にクロガネも苦笑する他は無かった。

 もっともサルマンデルとしても、あまり話して事故の事を嗅ぎまわっていると思われたくないのであるが…。


ゲーム風解説第10回


@クラスのコストと傾向

 当然ながら、職業ごとに得意分野が決められている。

同時に試験用として造られた初期型と、上位互換として設定された発展型。

逆に、上位のデータを元にシンプル・低コストに作り直されたクラスもある。

これらにスキルマスター系が加わり、独特の様式を持つ物を追加する形でクラスは完成する。


コモン:精霊、ゴーレム、学生

であり、上位として

アンコモン:亜人種(学生)

レア:デーモン(精霊)、ドラゴン(ゴーレム)

と言う感じに、おおよその関連性がある。


上位互換は発展性においては優良であるが、総合コストとしては必ずしも良いとは限らない。

クラス自体のコストや、同じ物を3つ持つなら最終的に安く収まるからである。

ただし、3つ分の属性は必要無い、あるいクラススキルが欲しいという人は必ず存在するので、将来的なクラスチェンジも含めて

これらの下位と上位は存在している。

(学生は借りる対象が学園に有るアイテム・場所限定なので、やや異なるが…)


これらに

スキルマスター系であるレギオン・魔術師・勇者

独特の能力を持つベルセルク・聖職者・イモタールが加わって、初期クラスの12種が誕生する事になる。

(精霊・ゴーレム、デーモン・ドラゴンは実質的に同じクラスなので、10と言えなくも無い)

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