召喚三日目|下見してない作戦
三日目。
盗賊、思ったより会議する。
もっとこう、
突然現れて突然盗むのかと思ってた。
違った。
普通に準備不足だった。
あの路地、
洗濯物が頭の上を横切ってた。
風が吹くたび布の影だけ動く。
俺には当たらないけど。
猫もいた。
たぶん茶色。
暗かったから確信ない。
でも尻尾だけ見えた。
盗賊三人は輪になってた。
面白かったのは、
全員ちゃんと失敗を心配してたこと。
鍵どうする。
窓どうする。
ロープどこだ。
問題は見えてる。
でも順番だけ変だった。
人間ってたまにある。
二階を考えながら、
一階の準備忘れる。
俺もたぶんある。
体ないからバレてないだけで。
カルロって人、
最初すごく嫌そうだった。
でも途中から黙った。
あれ、
納得した時の黙り方だったと思う。
怒ってる人と考えてる人、
静かさ似てるんだよな。
違うのは次の言葉。
怒ってる人は同じ話に戻る。
考えてる人は次の話を始める。
カルロは後者だった。
ガリルは壁登るの上手かった。
下見から戻ってきた時、
息切れてなかったし。
あれ何回もやってる人の動き。
だから余計に変だった。
登れるのに、
登る前提で計画立ててなかった。
能力ある人ほど、
自分の能力を計画に書かない時ある。
できて当たり前だから。
俺が体ないの忘れるのと少し似てる。
似てないかもしれない。
根拠はない。
途中で、
盗賊の作戦会議に参加してること気づいた。
冷静に考えると変だよな。
召喚されて四日目。
王国追い出されて、
スライム追いかけて、
村の会議整理して、
今度は盗賊団。
所属が一個もない。
なのに毎日会議だけしてる。
会議の妖精かもしれない。
妖精見たことないけど。
最後、
カルロが空見てた。
あれたぶん、
礼を言うか迷ってた。
言わなかったけど。
人間って、
感謝する前に困惑することある。
特に相手が見えない時。
だから俺もそのまま出た。
路地抜けた時、
遠くで鐘鳴ってた。
夕方だったと思う。
たぶん。
俺、時計持ってないから。
体ないし。根拠はないけど。




