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仕事再開。

25話から50話の続きになります。

「今日は君たちには、あるアパートに行ってもらいたい」

「へ? 」

 前田は微笑みながら、オールバックの黒髪を後ろに撫で付ける。

「この写真のアパートなんだが、依頼主がここの大家さんなんだ。で、単刀直入に言うと、ここのアパートに幽霊が住み着いてて困っているらしい。お祓いやら、拝みやに頼んだらしいが、効果なし。そこでうちにお鉢が回ってきたわけだ」

「なんでここへ?」

「探偵という仕事は幅広い。浮気調査、飼い猫、失踪人の探索、まぁ、色々あるわけだが。うちは前も行ったように心霊関係の仕事も扱っていきたいと思っている。君たちが来るまでは人材がいなくて、滞っていたがね」

 言いながら、差し向かいに座る前田は、白い紙を渡してきた。

 浮気調査、飼い猫、失踪人の探索、etc……と太字で印刷されている。

 どうやら、事務所の宣伝チラシのようだ。

 ずらーっと仕事別に細かい説明が書かれていて、その横に大体の諸費用が載せてある。

 俺達が肩を寄せ合って、目を通していると、

「そこの下の方をみてごらん」

「はい」

「あ!? 確かに」

 NEW 霊によるトラブルもお気楽にご相談ください。

 一番下の欄だが、赤い文字で一際大きく書かれていた。

「はは、今まではスタッフが足りなくて、載せなかったんだけどね、君たちがいるから安心さ」

 俺は戸惑いながら、上目遣いで所長を見る。

 迷いのない笑顔を俺達に振りまいていた。

 な、なんかすごい期待されている。

 ヤバイ、まさか、俺達任せなのか? 

 俺は不安になって、喉をごくりと鳴らして所長に切り出した。

「も、もしですよ、俺達がすぐやめたり、これなくなったりしたらどうするつもりなんですか? 」

 期待を裏切るような発言だが、仕事は仕事。

 最初にあらゆる質問をぶつけて不安要素は払拭せねば。

「うーん、その時は、真琴がいるからなんとかなるだろう、心配いらないよ」

 特に動揺した様子もない。

 その話しぶりから、絶対の自信が窺える。

 考えなしと言う訳でもなさそうだ。

 しかし、この真琴への強い信頼はなんだろう。

 彼女には、幽体離脱以外に何か特技でもあるんだろうか?

 


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